アナタを守らせて下さい
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
図書室を利用するようになって気が付いたことがある。
それは意外と利用する人がいると言うこと。
その中でも大体の人が専門書を借りて直ぐに出ていく中、1人だけ椅子に腰掛けて読んでいく男子生徒がいた。
男子生徒にしては小柄で、可愛らしい雰囲気の子。
スリッパの色からして1年生。
そんな彼のことを私はいつも本棚の隙間から覗いている。
私からは彼が見えているけれど、彼からは私は見えない。
いつしか名前も知らない彼が来るのを待っている自分がいた。
ーーーー
1学期の期末テストが近付いているからか、例の彼はある日から図書室を利用する頻度が増えた。
ときたま唸り声を上げたり、頭を抱えたりしている。
どうやら勉強に苦戦しているようだ。
私は好奇心で彼に近づいた。
だけど、斜め後ろに立っても、問題に集中しているのか一向に気が付いてくれない。
こうなったら、
「勉強教えようか?」
「えっ?!人がいた!!」
驚かさないように静かな声を心掛けたのに、彼は身体が跳ね上がるほど驚いていた。
「そんなに驚かなくても……」
私の方が先にここに来ていたんだけどなー。
「あ……すみません。えっと……」
彼の視線が私のスリッパに向き、次に胸元の名前の刺繍に移ったのが分かった。
学年と名前を確認したのだろう。
だけど、私はあえて自己紹介をした。
「3年の◯◯。キミは?」
「1年の作並浩輔です」
「浩輔ね」
やっと聞けた彼の名前。
「で、勉強教えようか?苦戦しているように見えたから」
「いいんですか?!あ、でも、◯◯先輩も自分の勉強がありますよね?迷惑なんじゃ……」
「迷惑だったら声掛けていないって。それに、1年生の勉強の復習にもなるし」
「それならお言葉に甘えて。◯◯先輩、よろしくお願いします」
律儀に頭を下げる浩輔。
早々に部活を引退したため後輩と関わる機会が減ったから、久しぶりに呼ばれる“先輩“呼びに心が躍った。
それに加え私の好みの可愛い感じの歳下君とくれば、余計にテンションが上がる。
これを機に私はときたま浩輔に勉強を教えることになった。
同級生から嫌がらせをされていることを唯一忘れられる時間。
それは意外と利用する人がいると言うこと。
その中でも大体の人が専門書を借りて直ぐに出ていく中、1人だけ椅子に腰掛けて読んでいく男子生徒がいた。
男子生徒にしては小柄で、可愛らしい雰囲気の子。
スリッパの色からして1年生。
そんな彼のことを私はいつも本棚の隙間から覗いている。
私からは彼が見えているけれど、彼からは私は見えない。
いつしか名前も知らない彼が来るのを待っている自分がいた。
ーーーー
1学期の期末テストが近付いているからか、例の彼はある日から図書室を利用する頻度が増えた。
ときたま唸り声を上げたり、頭を抱えたりしている。
どうやら勉強に苦戦しているようだ。
私は好奇心で彼に近づいた。
だけど、斜め後ろに立っても、問題に集中しているのか一向に気が付いてくれない。
こうなったら、
「勉強教えようか?」
「えっ?!人がいた!!」
驚かさないように静かな声を心掛けたのに、彼は身体が跳ね上がるほど驚いていた。
「そんなに驚かなくても……」
私の方が先にここに来ていたんだけどなー。
「あ……すみません。えっと……」
彼の視線が私のスリッパに向き、次に胸元の名前の刺繍に移ったのが分かった。
学年と名前を確認したのだろう。
だけど、私はあえて自己紹介をした。
「3年の◯◯。キミは?」
「1年の作並浩輔です」
「浩輔ね」
やっと聞けた彼の名前。
「で、勉強教えようか?苦戦しているように見えたから」
「いいんですか?!あ、でも、◯◯先輩も自分の勉強がありますよね?迷惑なんじゃ……」
「迷惑だったら声掛けていないって。それに、1年生の勉強の復習にもなるし」
「それならお言葉に甘えて。◯◯先輩、よろしくお願いします」
律儀に頭を下げる浩輔。
早々に部活を引退したため後輩と関わる機会が減ったから、久しぶりに呼ばれる“先輩“呼びに心が躍った。
それに加え私の好みの可愛い感じの歳下君とくれば、余計にテンションが上がる。
これを機に私はときたま浩輔に勉強を教えることになった。
同級生から嫌がらせをされていることを唯一忘れられる時間。