アナタを守らせて下さい
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教室内のどこかからクスクスと笑う声が聞こえてくる。
自分が笑われているのか確証が持てないけれど、あまり良い気持ちではない。
「はぁ〜……」
ため息が出る。
ひとまず次の授業の準備をしようかな……。
机をゴゾゴソと漁っていると、
「痛っ」
机から手を出し、痛みの走った指を確認すると、切れたような傷ができてきた。
じんわりと血が滲み出る。
紙で切っちゃったのかな?
気を付けながらそっと教材とノートを取り出すと、うっかり切れたのではないことが分かった。
教科書のページの間にカッターの刃が仕込まれていたのだ。
「……」
誰がこんなことを……。
取り敢えずポーチから絆創膏を取り出してペタリと貼る。
先ほどまで気にしないようにしていたクスクスと笑う声が、自分に向けての物だと確信に変わった。
居心地が悪い。
どこへ逃げたら落ち着けるのだろうか。
だけど、授業をサボる訳にはいかない。
それに、さすがに授業中にまで嫌がらせはされないだろう。
そう思っていた私が甘かった。
ほどなくして授業開始のチャイムが鳴り、先生が教室に入ってきた。
「静かにしろー。授業始めるぞー」
授業に集中していると、ときたま背中に何か当たる感覚がした。
「?」
最初は気のせいかと思ったけれど、余りにも頻度が多い。
これはゴミか何かを投げられているんだ。
と言うことは犯人は私の後ろの席の誰か。
いや、誰かなんて言い方をしたけれどうちのクラスの女子生徒は私を含めて4人。
そのうち後ろの席となれば更に絞られる。
先生に言いつけるか?
だけど、他クラスにも嫌がらせをしてくる犯人がいるかも知れない。
そんなの彼女らの反感を買うだけだ。
卒業まであと半年だから、私が我慢すれば穏便に済む。
うん、そうしよう。
私が耐えればいいんだ。
そのうち嫌がらせも飽きて止むかも知れないし、わざわざ私なんかに嫌がらせをする労力を使ってお疲れ様、とでも思えばいい。
だけれど、休み時間に教室にいるのは嫌だった。
10分の休憩ならまだしも、長いお昼休みとなれば尚更。
授業が終わるチャイムが鳴ると、私はお弁当袋と貴重品を持って教室を出た。
どこか……どこか1人になれる場所はないか。
フラフラと学校を徘徊していると、いつの間にかあまり立ち寄らない建築科の棟に来ていた。
足を止めて直ぐ側の部屋の室名札に目をやるとそこは、
「図書室……」
1年生のときにざっと校舎案内をされたから、存在は知っていたけれど、こんなところにあったんだ。
1度も利用したことがない。
せっかくだし入ってみるか。
ガラガラと扉を開けると、図書室独特の紙のにおいがフワッと香ってきた。
中は利用している生徒もいなければ、図書委員も書司もいない。
そもそも高校の図書室レベルで書司を雇っているかなんて知らないけれど。
奥ばった本棚の日が差す場所。
そこに椅子を移動させて腰掛けることにした。
「なんか、落ち着くかも」
本なんて普段読まないのに、安心するような、そんな雰囲気に包まれた感覚だった。
今度からここに避難しようかな。
流石に図書室で飲食するのはマズイから、お昼は教室で済ませないといけないけど。
だけど今日くらいは……。
暖かい日に当たりながらこっそりとお昼ご飯を食べた。
自分が笑われているのか確証が持てないけれど、あまり良い気持ちではない。
「はぁ〜……」
ため息が出る。
ひとまず次の授業の準備をしようかな……。
机をゴゾゴソと漁っていると、
「痛っ」
机から手を出し、痛みの走った指を確認すると、切れたような傷ができてきた。
じんわりと血が滲み出る。
紙で切っちゃったのかな?
気を付けながらそっと教材とノートを取り出すと、うっかり切れたのではないことが分かった。
教科書のページの間にカッターの刃が仕込まれていたのだ。
「……」
誰がこんなことを……。
取り敢えずポーチから絆創膏を取り出してペタリと貼る。
先ほどまで気にしないようにしていたクスクスと笑う声が、自分に向けての物だと確信に変わった。
居心地が悪い。
どこへ逃げたら落ち着けるのだろうか。
だけど、授業をサボる訳にはいかない。
それに、さすがに授業中にまで嫌がらせはされないだろう。
そう思っていた私が甘かった。
ほどなくして授業開始のチャイムが鳴り、先生が教室に入ってきた。
「静かにしろー。授業始めるぞー」
授業に集中していると、ときたま背中に何か当たる感覚がした。
「?」
最初は気のせいかと思ったけれど、余りにも頻度が多い。
これはゴミか何かを投げられているんだ。
と言うことは犯人は私の後ろの席の誰か。
いや、誰かなんて言い方をしたけれどうちのクラスの女子生徒は私を含めて4人。
そのうち後ろの席となれば更に絞られる。
先生に言いつけるか?
だけど、他クラスにも嫌がらせをしてくる犯人がいるかも知れない。
そんなの彼女らの反感を買うだけだ。
卒業まであと半年だから、私が我慢すれば穏便に済む。
うん、そうしよう。
私が耐えればいいんだ。
そのうち嫌がらせも飽きて止むかも知れないし、わざわざ私なんかに嫌がらせをする労力を使ってお疲れ様、とでも思えばいい。
だけれど、休み時間に教室にいるのは嫌だった。
10分の休憩ならまだしも、長いお昼休みとなれば尚更。
授業が終わるチャイムが鳴ると、私はお弁当袋と貴重品を持って教室を出た。
どこか……どこか1人になれる場所はないか。
フラフラと学校を徘徊していると、いつの間にかあまり立ち寄らない建築科の棟に来ていた。
足を止めて直ぐ側の部屋の室名札に目をやるとそこは、
「図書室……」
1年生のときにざっと校舎案内をされたから、存在は知っていたけれど、こんなところにあったんだ。
1度も利用したことがない。
せっかくだし入ってみるか。
ガラガラと扉を開けると、図書室独特の紙のにおいがフワッと香ってきた。
中は利用している生徒もいなければ、図書委員も書司もいない。
そもそも高校の図書室レベルで書司を雇っているかなんて知らないけれど。
奥ばった本棚の日が差す場所。
そこに椅子を移動させて腰掛けることにした。
「なんか、落ち着くかも」
本なんて普段読まないのに、安心するような、そんな雰囲気に包まれた感覚だった。
今度からここに避難しようかな。
流石に図書室で飲食するのはマズイから、お昼は教室で済ませないといけないけど。
だけど今日くらいは……。
暖かい日に当たりながらこっそりとお昼ご飯を食べた。