子供でいられなかった子供時代
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今から15年前。
私の両親はヒーローではなかったけれど、人一倍正義感に溢れている人たちだった。
だから二言目には、
「誰かの助けになることをしなさい」
両親の考えは分からなくもないけれど、助けどころかまだ5歳の私にはそんな大それたことができるか自信がなかった。
それを伝えると。
「小さなことでいいのよ。落とし物を拾ったり、道を尋ねられたら答えたり、何でもいいの」
「分かった!」
幼い頃の私は本当に単純だった。
先日、近所の轟さんのお家に4人目の子供が産まれた。
名前は焦凍君。
「出産祝いを渡しに行くわよ」
お母さんに連れられて、轟家へお邪魔した。
迎え入れてくれた焦凍君のお母さんはとてもやつれているように見えた。
奥の部屋では私と歳の変わらなさそうな男の子と女の子が走り回っている。
その2人を制しながらも、私たちに対応してくれた。
「大したおもてなしはできないけど、上がって下さい」
「そんな、お気遣いなく」
そうは言ったものの、居間に通された後、飲み物とクッキーを出してくれた焦凍君のお母さん。
私にはオレンジのジュースを。
「うちは一人で手一杯だから、轟さんはさぞ大変でしょう。良かったらうちの子、子供の相手くらいはできるから、何かあったら頼ってね」
「ありがとうございます」
元気のない笑顔。
そんなやり取りを横目に、私はクーハンで寝かされている焦凍君の顔を見た。
赤と白のツートンの髪色をした男の子。
焦凍君の小さな手に私の指を近づけると、思ったより強い力でキュッと握りしめられた。
ーーーー
帰り道。
「焦凍君、可愛かったね!」
私も弟が欲しい、そう持ったけれどお母さんは轟さんに一人で手一杯だと話をしていたから、ねだれなかった。
幼いなりの気遣い。
するとお母さんは、それを察してか、
「●●、轟さんのところはお子さんが多くて大変だから、力になってあげてね」
と言った。
「うん!」
弟ができたようで嬉しかった。
その日から私は末っ子の焦凍君の面倒を見ることになった。
私の両親はヒーローではなかったけれど、人一倍正義感に溢れている人たちだった。
だから二言目には、
「誰かの助けになることをしなさい」
両親の考えは分からなくもないけれど、助けどころかまだ5歳の私にはそんな大それたことができるか自信がなかった。
それを伝えると。
「小さなことでいいのよ。落とし物を拾ったり、道を尋ねられたら答えたり、何でもいいの」
「分かった!」
幼い頃の私は本当に単純だった。
先日、近所の轟さんのお家に4人目の子供が産まれた。
名前は焦凍君。
「出産祝いを渡しに行くわよ」
お母さんに連れられて、轟家へお邪魔した。
迎え入れてくれた焦凍君のお母さんはとてもやつれているように見えた。
奥の部屋では私と歳の変わらなさそうな男の子と女の子が走り回っている。
その2人を制しながらも、私たちに対応してくれた。
「大したおもてなしはできないけど、上がって下さい」
「そんな、お気遣いなく」
そうは言ったものの、居間に通された後、飲み物とクッキーを出してくれた焦凍君のお母さん。
私にはオレンジのジュースを。
「うちは一人で手一杯だから、轟さんはさぞ大変でしょう。良かったらうちの子、子供の相手くらいはできるから、何かあったら頼ってね」
「ありがとうございます」
元気のない笑顔。
そんなやり取りを横目に、私はクーハンで寝かされている焦凍君の顔を見た。
赤と白のツートンの髪色をした男の子。
焦凍君の小さな手に私の指を近づけると、思ったより強い力でキュッと握りしめられた。
ーーーー
帰り道。
「焦凍君、可愛かったね!」
私も弟が欲しい、そう持ったけれどお母さんは轟さんに一人で手一杯だと話をしていたから、ねだれなかった。
幼いなりの気遣い。
するとお母さんは、それを察してか、
「●●、轟さんのところはお子さんが多くて大変だから、力になってあげてね」
と言った。
「うん!」
弟ができたようで嬉しかった。
その日から私は末っ子の焦凍君の面倒を見ることになった。