赤は情熱の色
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「二人とも、今日は付き合ってくれてありがとうね!」
満足げに言う出久君。
「私も久しぶりに出久君に会えて楽しかった」
「たまにはこういうのも悪くないな」
轟君も楽しめたようで良かった。
「それじゃあ、僕はこっちだから。轟君は●●ちゃんを送っていってあげてよ」
「分かった」
「そんな、悪いよ」
「ダメだよ。またさっきみたいに湯気が出たら大変でしょ?」
むしろ原因は轟君なんだけど……。
「うーん」
出久君に制されて、申し訳ない気持ちで轟君と一緒に帰ることになった。
出久君と別れてすぐのことだった。
轟君はおもむろに自分の鞄の中身をガサガサと漁った。
「悪い。会場に忘れ物したかも。◯◯はここで待っててくれ。すぐに戻る」
「うん、分かった」
轟君を見送った後、日陰に移ろうと建物の影になっているところに移動した。
ここなら轟君も分かるはず。
わずか数メートル歩いただけなのに……。
「あの、すみません。これ落としましたよ」
そう言ってハンカチを手渡された。
この距離で落とし物とか恥ずかしい。
「あ、ありがとうございます……」
拾ってくれた人、男の人だ。
しかも一人じゃなくて後ろにいるお連れの人たちも男の人。
久しぶりに全く知らない男の人に話しかけられたから、今、絶対に赤面してる。
まずい、顔から湯気が出そう。
さっさと落とし物を受け取ってしまおう。
しかし、受け取ろうとしたときに、意図的に手を触られた。
「ぁ……っ…」
どうしよう、声が出ない。
血の気が引く感覚。
そんなとき、忘れ物を取りに戻っていた轟君が割り込んできた。
「すみません、ありがとうございます」
私の代わりに男の人の手をギリギリと握ってお礼を言う轟君。
どんな握力で握っているの?!
「え……は?……」
それに困惑しているナンパ男。
「て……え、その髪、火傷痕……お前、轟焦凍?!」
「轟焦凍ってエンデヴァーの……」
「体育祭でもヤバかった」
男たちが口々に轟君のことを話し始めた。
体育祭、見損ねちゃったけど、そんなに凄かったの?
それにエンデヴァーのって、轟君とエンデヴァーはどんな関係なの?
私の疑問も知らずに、
「俺ら急いでいるから。あ、彼女も手触れちゃってごめんね〜」
なんて男たちは早口で言い捨てて、そそくさと去っていった。
その潔さにポカーンとしてしまった。
………じゃなくて、轟君に謝らないと。
「ごめんね、楽しい時間を最後の最後で台無しにしちゃって」
「◯◯……」
「やっぱりこんな個性だから迷惑かけちゃうよね。本当に自分でも嫌になっちゃう」
今だってまだ赤面が治まっていない。
「だから、ごめん。やっぱり一人で帰るね……」
「待て」
「?」
振り向くと轟君は手からミスト状の冷気を出して、私の顔に優し振り掛けてくれた。
「その顔で帰ったら、また襲われる」
「あ、ありがとう」
じゃあ今度こそ帰ろう。
そう思ったのに、いきなり轟君に抱き寄せられた。
「………!?」
急なことで言葉も出ないし、拒否することもできない。
だけど、先程の男の人たちと違って、轟君になら触れられても嫌な気持ちにはならなかった。
しばらく抱きしめられた状態でいると、先に口を開いたのは轟君の方だった。
「◯◯は何も悪くないから。前も言ったけどそんなに謝るな」
「と、轟君?!」
「それと、その顔を見せていいのは俺だけだから」
「えっ……」
どう言う意味……?
「ごめん、嫌かもしれないけど、心配だから送らせて」
パッと離されて照れくさそうに轟君は頬を掻きながら言った。
「あ、うん」
せっかく冷却してくれたのに、赤面どころか顔から湯気が出ちゃうよ。
だけど、轟君とだったら気にしなくてよくなるのかな?
ーーFinーー
満足げに言う出久君。
「私も久しぶりに出久君に会えて楽しかった」
「たまにはこういうのも悪くないな」
轟君も楽しめたようで良かった。
「それじゃあ、僕はこっちだから。轟君は●●ちゃんを送っていってあげてよ」
「分かった」
「そんな、悪いよ」
「ダメだよ。またさっきみたいに湯気が出たら大変でしょ?」
むしろ原因は轟君なんだけど……。
「うーん」
出久君に制されて、申し訳ない気持ちで轟君と一緒に帰ることになった。
出久君と別れてすぐのことだった。
轟君はおもむろに自分の鞄の中身をガサガサと漁った。
「悪い。会場に忘れ物したかも。◯◯はここで待っててくれ。すぐに戻る」
「うん、分かった」
轟君を見送った後、日陰に移ろうと建物の影になっているところに移動した。
ここなら轟君も分かるはず。
わずか数メートル歩いただけなのに……。
「あの、すみません。これ落としましたよ」
そう言ってハンカチを手渡された。
この距離で落とし物とか恥ずかしい。
「あ、ありがとうございます……」
拾ってくれた人、男の人だ。
しかも一人じゃなくて後ろにいるお連れの人たちも男の人。
久しぶりに全く知らない男の人に話しかけられたから、今、絶対に赤面してる。
まずい、顔から湯気が出そう。
さっさと落とし物を受け取ってしまおう。
しかし、受け取ろうとしたときに、意図的に手を触られた。
「ぁ……っ…」
どうしよう、声が出ない。
血の気が引く感覚。
そんなとき、忘れ物を取りに戻っていた轟君が割り込んできた。
「すみません、ありがとうございます」
私の代わりに男の人の手をギリギリと握ってお礼を言う轟君。
どんな握力で握っているの?!
「え……は?……」
それに困惑しているナンパ男。
「て……え、その髪、火傷痕……お前、轟焦凍?!」
「轟焦凍ってエンデヴァーの……」
「体育祭でもヤバかった」
男たちが口々に轟君のことを話し始めた。
体育祭、見損ねちゃったけど、そんなに凄かったの?
それにエンデヴァーのって、轟君とエンデヴァーはどんな関係なの?
私の疑問も知らずに、
「俺ら急いでいるから。あ、彼女も手触れちゃってごめんね〜」
なんて男たちは早口で言い捨てて、そそくさと去っていった。
その潔さにポカーンとしてしまった。
………じゃなくて、轟君に謝らないと。
「ごめんね、楽しい時間を最後の最後で台無しにしちゃって」
「◯◯……」
「やっぱりこんな個性だから迷惑かけちゃうよね。本当に自分でも嫌になっちゃう」
今だってまだ赤面が治まっていない。
「だから、ごめん。やっぱり一人で帰るね……」
「待て」
「?」
振り向くと轟君は手からミスト状の冷気を出して、私の顔に優し振り掛けてくれた。
「その顔で帰ったら、また襲われる」
「あ、ありがとう」
じゃあ今度こそ帰ろう。
そう思ったのに、いきなり轟君に抱き寄せられた。
「………!?」
急なことで言葉も出ないし、拒否することもできない。
だけど、先程の男の人たちと違って、轟君になら触れられても嫌な気持ちにはならなかった。
しばらく抱きしめられた状態でいると、先に口を開いたのは轟君の方だった。
「◯◯は何も悪くないから。前も言ったけどそんなに謝るな」
「と、轟君?!」
「それと、その顔を見せていいのは俺だけだから」
「えっ……」
どう言う意味……?
「ごめん、嫌かもしれないけど、心配だから送らせて」
パッと離されて照れくさそうに轟君は頬を掻きながら言った。
「あ、うん」
せっかく冷却してくれたのに、赤面どころか顔から湯気が出ちゃうよ。
だけど、轟君とだったら気にしなくてよくなるのかな?
ーーFinーー