くたばれヒーロー
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〜くたばれヒーロー〜
大袈裟かもしれないけれど、私には家にも学校にも居場所がなかった。
母親は自称教育ママ。
だけど、私からしたらただのヒステリック。
そんな母を父は見て見ぬふり。
口を開けば怒号の嵐。
家庭は既に崩壊していた。
学校ではグループからハブられている。
学生の私にとっては学校という小さな社会しかなく、他の逃げ道が分からなかった。
もちろん、最初から友達がいなかったわけではない。
前後の席であるカナミちゃんとエリちゃんとしばらくは仲良くしていた。
ーーーー
ある日の社会学習の授業のこと。
それは先生の発言から始まった。
「班決めに時間割きたくないからこっちで予めておいた」
教室はブーイングの嵐。
だけど先生は怯むことなく班の名前を読み上げていく。
カナミちゃんたちと同じ班が良い!
その願いも虚しく、よく知らない子たちと一緒の班になった。
「●●ちゃん、よろしくね」
「うん、よろしく。サツキちゃん」
サツキちゃんも他の子もみんな凄く良くしてくれて、社会学習はとても楽しかった。
だけど、お昼の時間はカナミちゃんとエリちゃんと一緒に食べる。
「カナミちゃんたちの班はどう?」
楽しかったテンションのままカナミちゃんたちに聞いた。
だけど、
「まあまあかな」
「私もー」
なんだか素っ気ない返事をする2人。
いや、たまたま機嫌が悪かったのか、話題が悪かったのか。
そうに決まっている。
それなのにカナミちゃんは私抜きでエリちゃんと話すときは楽しそう。
私も楽しくお喋りしたいだけなのに。
勇気を振り絞ってそのことを話しした。
「私も話に入れてよ!」
そうしたら、カナミちゃんは冷たい目で突き放してきた。
「私たちよりサツキちゃんのグループの方が良いんでしょ?それならあっちに行けばいいじゃない!」
「……」
気が付かなかった。
カナミちゃんがそんな風に思っていたなんて。
「分かった、ごめんね」
謝ることしか出来なかった。
次の日から言われたとおり、サツキちゃんたちとお昼を共にすることにした。
「一緒に食べてもいいかな?」
「いいよ!社会学習のことで話したいこともあるし」
ああ、良かった。受け入れてもらえた。
だけど、それもつかの間。
「今日もいい?」
「え、なんで?もう社会学習の授業は終わったじゃん」
「あ、そうだよね。ごめんね」
私だから受け入れてくれたんじゃない。
同じ班だったから受け入れてくれていたんだ。
授業が終われば私は用済み。
今更元のカナミちゃんたちのグループにも戻ることができずに、私は一人ぼっち。
一つのグループの子たちとしか仲良くしちゃいけないなんて、とても窮屈だ。
それから中学校を卒業するまで、私は業務連絡以外話さなかった。
こうして根暗人間のできあがり。
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