無償の友情
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ーーおまけ(死柄木side)ーー
最近、スピナーがやたらと熱を上げているゲームがある。
ゾンビ……なんとか。
タイトルは忘れたが、とにかくゾンビをひたすらぶっ殺すやつだ。
興味はあるが、手元にハードもソフトもない。
どこかの家電屋でも襲って調達するか。
そんな物騒なことを考えながら、屋根伝いを徘徊していた時のことだ。
ふと、一軒の民家に目が止まった。
2階の一室。
昼間だというのにカーテンが固く閉ざされている。
だが、僅かな隙間から漏れ出る光の先に、俺の探し求めていたソレが映し出されているのが見えた。
……ちょうどいい。
音もなくベランダに降り立ち、窓の鍵を個性で『崩壊』させる。
部屋の中には、いかにも根暗そうなガキが1人。
俺の侵入に気付きながら、叫び声1つ上げずにこちらを見ている。
驚きで声が出ないのか、それとも単に肝が据わっているのか。
どっちにせよ、俺の用があるのはコイツじゃなく、そのコントローラーだ。
一応、ソフトのタイトルを確認してやる。
「これ、何のゲーム?」
だが、返ってきたのは期待外れな、けれど予想外の指摘だった。
「土足……」
「……あはははっ!いや~ごめんごめん」
思わず笑いが漏れた。
この状況で、不審者に土足の心配ができる度胸。
面白い。
殺して奪い去るつもりだったが、少し気が変わった。
それからというもの、俺はその部屋に入り浸り、ゲームに耽る日々を送った。
コイツは余計な口出しをしない。
個性の『施錠』とやらは大した脅威じゃないし、何より、たまに出される飯が旨かった。
気付けば、アジトよりもよっぽど居心地のいい場所になっていた。
だから、気まぐれに提案したんだ。
お礼に、願いを1つ叶えてやると。
どうせ、自分を虐めた学校をぶっ壊せだとか、親を消してくれだとか、その程度の薄っぺらな憎悪が返ってくると思っていた。
だが、ゲームをクリアした瞬間。
真っ直ぐな瞳でこいつが望んだのは俺の名前だった。
ネットで調べれば、死柄木弔という名も、俺が犯してきた罪も、腐る程出てくるというのに。
コイツはどこまで馬鹿で、どこまで変なヤツなんだろう。
だから、俺もあえて本名を教えた。
「志村。志村転弧」
コイツの前では凶悪犯罪者の組織ヴィラン連合の死柄木弔ではなく、ただの志村転弧でありたいと思ったから。
最近、スピナーがやたらと熱を上げているゲームがある。
ゾンビ……なんとか。
タイトルは忘れたが、とにかくゾンビをひたすらぶっ殺すやつだ。
興味はあるが、手元にハードもソフトもない。
どこかの家電屋でも襲って調達するか。
そんな物騒なことを考えながら、屋根伝いを徘徊していた時のことだ。
ふと、一軒の民家に目が止まった。
2階の一室。
昼間だというのにカーテンが固く閉ざされている。
だが、僅かな隙間から漏れ出る光の先に、俺の探し求めていたソレが映し出されているのが見えた。
……ちょうどいい。
音もなくベランダに降り立ち、窓の鍵を個性で『崩壊』させる。
部屋の中には、いかにも根暗そうなガキが1人。
俺の侵入に気付きながら、叫び声1つ上げずにこちらを見ている。
驚きで声が出ないのか、それとも単に肝が据わっているのか。
どっちにせよ、俺の用があるのはコイツじゃなく、そのコントローラーだ。
一応、ソフトのタイトルを確認してやる。
「これ、何のゲーム?」
だが、返ってきたのは期待外れな、けれど予想外の指摘だった。
「土足……」
「……あはははっ!いや~ごめんごめん」
思わず笑いが漏れた。
この状況で、不審者に土足の心配ができる度胸。
面白い。
殺して奪い去るつもりだったが、少し気が変わった。
それからというもの、俺はその部屋に入り浸り、ゲームに耽る日々を送った。
コイツは余計な口出しをしない。
個性の『施錠』とやらは大した脅威じゃないし、何より、たまに出される飯が旨かった。
気付けば、アジトよりもよっぽど居心地のいい場所になっていた。
だから、気まぐれに提案したんだ。
お礼に、願いを1つ叶えてやると。
どうせ、自分を虐めた学校をぶっ壊せだとか、親を消してくれだとか、その程度の薄っぺらな憎悪が返ってくると思っていた。
だが、ゲームをクリアした瞬間。
真っ直ぐな瞳でこいつが望んだのは俺の名前だった。
ネットで調べれば、死柄木弔という名も、俺が犯してきた罪も、腐る程出てくるというのに。
コイツはどこまで馬鹿で、どこまで変なヤツなんだろう。
だから、俺もあえて本名を教えた。
「志村。志村転弧」
コイツの前では凶悪犯罪者の組織ヴィラン連合の死柄木弔ではなく、ただの志村転弧でありたいと思ったから。
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