無償の友情
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目の前に流れるエンドロール。
終わった………ようやくクリアした。
途中口出ししたい衝動も我慢して、私が寝ているときもお構いなしにゲームをして眠りを妨げられるのも今日まで。
そんなことがあったからか、何度もプレイしたゲームなのに、見届けた達成感からなのか凄く嬉しかった。
気持ちが込み上げてくる。
「おめでとうございます!!」
私は思わず不審者さんの手を取ってハイタッチをした。
「……」
「あ、………すみません。嬉しくて、つい」
「くははっ!」
笑ってくれている。
良かった。不快に思われなかった。
そもそも不快に思われていたら私の手は既に壊れていただろう。
「アンタ、本当にサイコーだよ。ほら、俺の感情に鍵をかけろよ。今ならアンタのことを気に入った状態を維持できるぞ」
「しない………」
「あ?」
「アナタにはしたくない……です」
だって私のことを贔屓しているアナタが良いんじゃなくて、何を考えているのか分からないアナタが素敵だから。
「それより、お礼………考えておけって言ってくれたやつ……」
「そう言えばそうだったな。ほら言ってみろ」
やっぱり、学校をぶっ壊すか?それともうざい親を懲らしめるか?と物騒な事を言うけど、そんなんじゃない。
前から教えて欲しかったこと。
「名前………。アナタの名前が知りたいです」
「あ゛?」
「ヒッ!」
凄まれて思わず悲鳴をあげてしまった。
ダメ……だったのかな?
「死枯………」
シガラ?
少しだけ考え込んだ不審者さん。
「いや、志村。志村転弧」
「志村……転弧」
私は復唱した。
「アンタの名前も聞いてやるよ」
「私の名前は◯◯●●!」
「声でけぇ……」
耳を塞ぐ素振りをした不審者さん……いや、転弧さん。
だって聞いてくれたのが嬉しかったから。
「●●か……。良い名前だな。覚えておく」
「またゲームしに来てくれますか?」
「それは分からねぇ」
そっか……。
これは私に気を遣っている。
もう二度と来ないやつだ。
初めて何を考えているのか分かったときが、お別れのときだなんて。
だけど、最後は笑顔で送りたい。
だから私はこう言う。
「またね!」
「おう、また」
そう言うと、転弧さんは振り返らずにベランダから飛び降りた。
「行っちゃった……」
私も明日から学校へ行ってみようかな。
転弧さんみたいに何を考えているか分からないけど、仲間思いな。
そんな人と出会えたらいいな。
ーーFinーー
終わった………ようやくクリアした。
途中口出ししたい衝動も我慢して、私が寝ているときもお構いなしにゲームをして眠りを妨げられるのも今日まで。
そんなことがあったからか、何度もプレイしたゲームなのに、見届けた達成感からなのか凄く嬉しかった。
気持ちが込み上げてくる。
「おめでとうございます!!」
私は思わず不審者さんの手を取ってハイタッチをした。
「……」
「あ、………すみません。嬉しくて、つい」
「くははっ!」
笑ってくれている。
良かった。不快に思われなかった。
そもそも不快に思われていたら私の手は既に壊れていただろう。
「アンタ、本当にサイコーだよ。ほら、俺の感情に鍵をかけろよ。今ならアンタのことを気に入った状態を維持できるぞ」
「しない………」
「あ?」
「アナタにはしたくない……です」
だって私のことを贔屓しているアナタが良いんじゃなくて、何を考えているのか分からないアナタが素敵だから。
「それより、お礼………考えておけって言ってくれたやつ……」
「そう言えばそうだったな。ほら言ってみろ」
やっぱり、学校をぶっ壊すか?それともうざい親を懲らしめるか?と物騒な事を言うけど、そんなんじゃない。
前から教えて欲しかったこと。
「名前………。アナタの名前が知りたいです」
「あ゛?」
「ヒッ!」
凄まれて思わず悲鳴をあげてしまった。
ダメ……だったのかな?
「死枯………」
シガラ?
少しだけ考え込んだ不審者さん。
「いや、志村。志村転弧」
「志村……転弧」
私は復唱した。
「アンタの名前も聞いてやるよ」
「私の名前は◯◯●●!」
「声でけぇ……」
耳を塞ぐ素振りをした不審者さん……いや、転弧さん。
だって聞いてくれたのが嬉しかったから。
「●●か……。良い名前だな。覚えておく」
「またゲームしに来てくれますか?」
「それは分からねぇ」
そっか……。
これは私に気を遣っている。
もう二度と来ないやつだ。
初めて何を考えているのか分かったときが、お別れのときだなんて。
だけど、最後は笑顔で送りたい。
だから私はこう言う。
「またね!」
「おう、また」
そう言うと、転弧さんは振り返らずにベランダから飛び降りた。
「行っちゃった……」
私も明日から学校へ行ってみようかな。
転弧さんみたいに何を考えているか分からないけど、仲間思いな。
そんな人と出会えたらいいな。
ーーFinーー