無償の友情
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次の日から不審者さんは顔に着けていた装飾だけ外して来るようになった。
少しは心を開いてくれたってことかな?
呼ぶときは未だにあのー、やアナタばかり。
心の中では不審者さんだけど。
名前、何て言うんだろう。
それこそ知ったら最後、なんてね。
だから今日も私は黙ってゲームをしている様を眺める。
そんなとき、
「アンタ、学生?学校は?」
初めて私自身の質問をしてくれた。
「学生………です。だけど、学校には………行っていません」
「はは、引きこもりってやつか」
「はい……」
「学校で何かあったのか?」
もしかして、心配してくれている?
「居心地が悪くて」
「個性のせいか?」
私は無言で頷いた。
こんな個性だから、人の感情には人一倍敏感だった。
顔色、声色、仕草、前後の流れで相手は今こう思っているだろう。
そんな先回りのことをしていたら、いつしか友達に気持ち悪がられてしまった。
それが苛めの始まり。
最初は無視するとか小さな事だったけど、やがてエスカレートして最終的には暴力までに発展した。
ああ、そうか。
不審者さんは表情が見えなかったって言うのもあるけど、何を考えているか分からないから一緒にいて楽だったのか。
そっか、そっか。腑に落ちた。
「俺がアンタの学校をぶっ壊してやろうか」
「え………」
「ゲーム貸してもらっているお礼だ。クリアしたら壊してきてやるよ」
それだけの力がこの人にあるのか。
まるで、お礼にプリンでも奢ってやるよ、そのくらいの軽い言葉。
だけど、
「いい。そんなことをしなくてもいいです」
今さら学校の人に仕返ししたいだとか、痛い目を見て欲しいとかどうでもいい。
そんなことより、私はアナタの名前が知りたいと思った。
「そうか、それなら一つ考えとけ」
「はい」
例え、聞いたときが本当に私の最後になっても。
少しは心を開いてくれたってことかな?
呼ぶときは未だにあのー、やアナタばかり。
心の中では不審者さんだけど。
名前、何て言うんだろう。
それこそ知ったら最後、なんてね。
だから今日も私は黙ってゲームをしている様を眺める。
そんなとき、
「アンタ、学生?学校は?」
初めて私自身の質問をしてくれた。
「学生………です。だけど、学校には………行っていません」
「はは、引きこもりってやつか」
「はい……」
「学校で何かあったのか?」
もしかして、心配してくれている?
「居心地が悪くて」
「個性のせいか?」
私は無言で頷いた。
こんな個性だから、人の感情には人一倍敏感だった。
顔色、声色、仕草、前後の流れで相手は今こう思っているだろう。
そんな先回りのことをしていたら、いつしか友達に気持ち悪がられてしまった。
それが苛めの始まり。
最初は無視するとか小さな事だったけど、やがてエスカレートして最終的には暴力までに発展した。
ああ、そうか。
不審者さんは表情が見えなかったって言うのもあるけど、何を考えているか分からないから一緒にいて楽だったのか。
そっか、そっか。腑に落ちた。
「俺がアンタの学校をぶっ壊してやろうか」
「え………」
「ゲーム貸してもらっているお礼だ。クリアしたら壊してきてやるよ」
それだけの力がこの人にあるのか。
まるで、お礼にプリンでも奢ってやるよ、そのくらいの軽い言葉。
だけど、
「いい。そんなことをしなくてもいいです」
今さら学校の人に仕返ししたいだとか、痛い目を見て欲しいとかどうでもいい。
そんなことより、私はアナタの名前が知りたいと思った。
「そうか、それなら一つ考えとけ」
「はい」
例え、聞いたときが本当に私の最後になっても。