無償の友情
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いつもお風呂や食事は親のいない隙を狙って1階に降りて済ませている。
この日もゴソゴソと簡単に食べれそうな物を冷蔵庫から漁る。
これは恐らく夜ご飯の食材だし、こっちは父の晩酌のおつまみ。それと高くて食べたら怒られるやつ。
食べて良さそうな物がない。
仕方がないから冷凍ご飯を温めておにぎりを作ることにした。
梅干しと海苔を用意して……。
あ、インスタントのお味噌汁もある。これも作ろう。
全ての用意ができ、お盆に乗せて自室へと戻ろうとしたとき、
「コソコソ泥棒みたいに………」
「お母さん…」
運悪く帰宅した母に見つかった。
「ごめんなさい……」
睨み付けてくる母の視線に耐えきれず、私は逃げるように階段を上り部屋へ閉じ籠った。
「よお」
すると、不審者さんが当然のようにゲームをしに来ていた。
こっちの方が異常な光景なのに、私にとっては安心できた。
「旨そうな物、持ってるな」
「一つ食べますか?」
「ああ」
いつもより多めに握っておいて良かった。
そのせいで母に見つかってしまったけど。
おにぎりをお皿から取った不審者さん。
…………どうやって食べるんだろう。
絶対に顔面に着いている装飾が邪魔して食べられないはずなのに。
外してくれるのか、それとも装飾だと思っていた手が実は身体の一部で、あれに口が付いていたり……。
そんな想像をしていると、不審者さんは呆気なく装飾を外した。
「………」
まじまじと見てしまった。
その素顔は異様な眼差しも相まってやはりどこか病的で不健康な印象を感じさせたけど、それを除けば整った顔立ちをしており、格好良くも感じた。
右口元にホクロもセクシーだし、額から頬にかけて干乾びたような皺や右目と左口元には裂けた様な傷痕もワイルドだ。
「何見てんだよ。俺の顔に怯えてんのか」
おにぎりを頬張り、手に付いたお米をぺろりと舐めとりながら聞かれた。
その仕草も含めて、
「…格好良いな………って」
気が付けばバカ正直に思ったことを答えていた。
「は?」
眉間に皺をよせて、何言ってるんだコイツと言わんばかりの表情。
分かる。自分でも何で言ってしまったんだって。
でも言いたくなった。
「アンタ、やっぱり変なやつだな」
そう言い、再びゲームを始めた。
怒っていないようでよかった。
安堵していると、
「ニュースとか見ないのか?」
「見ていないです。ゲームしかしてないから、時事には疎いです」
それに、外の世界は私には関係ない。
「ふ~ん」
もしかしてこの不審者さん、私が知らないだけで指名手配されている極悪人。もしくは、お忍びで他所様の家で勝手にゲームをしているだけの俳優さん?
後者だと嬉しいけど、恐らく前者だろう。
名前を知らなくても特徴で検索をかければ答えは出るだろうな。
だって、あんなにも個性的な人の手を着けているんだもの。
だけど、それはしたくなかった。
知るのが怖いから。
知ってしまった後の事を考えたくなかったから。
この日もゴソゴソと簡単に食べれそうな物を冷蔵庫から漁る。
これは恐らく夜ご飯の食材だし、こっちは父の晩酌のおつまみ。それと高くて食べたら怒られるやつ。
食べて良さそうな物がない。
仕方がないから冷凍ご飯を温めておにぎりを作ることにした。
梅干しと海苔を用意して……。
あ、インスタントのお味噌汁もある。これも作ろう。
全ての用意ができ、お盆に乗せて自室へと戻ろうとしたとき、
「コソコソ泥棒みたいに………」
「お母さん…」
運悪く帰宅した母に見つかった。
「ごめんなさい……」
睨み付けてくる母の視線に耐えきれず、私は逃げるように階段を上り部屋へ閉じ籠った。
「よお」
すると、不審者さんが当然のようにゲームをしに来ていた。
こっちの方が異常な光景なのに、私にとっては安心できた。
「旨そうな物、持ってるな」
「一つ食べますか?」
「ああ」
いつもより多めに握っておいて良かった。
そのせいで母に見つかってしまったけど。
おにぎりをお皿から取った不審者さん。
…………どうやって食べるんだろう。
絶対に顔面に着いている装飾が邪魔して食べられないはずなのに。
外してくれるのか、それとも装飾だと思っていた手が実は身体の一部で、あれに口が付いていたり……。
そんな想像をしていると、不審者さんは呆気なく装飾を外した。
「………」
まじまじと見てしまった。
その素顔は異様な眼差しも相まってやはりどこか病的で不健康な印象を感じさせたけど、それを除けば整った顔立ちをしており、格好良くも感じた。
右口元にホクロもセクシーだし、額から頬にかけて干乾びたような皺や右目と左口元には裂けた様な傷痕もワイルドだ。
「何見てんだよ。俺の顔に怯えてんのか」
おにぎりを頬張り、手に付いたお米をぺろりと舐めとりながら聞かれた。
その仕草も含めて、
「…格好良いな………って」
気が付けばバカ正直に思ったことを答えていた。
「は?」
眉間に皺をよせて、何言ってるんだコイツと言わんばかりの表情。
分かる。自分でも何で言ってしまったんだって。
でも言いたくなった。
「アンタ、やっぱり変なやつだな」
そう言い、再びゲームを始めた。
怒っていないようでよかった。
安堵していると、
「ニュースとか見ないのか?」
「見ていないです。ゲームしかしてないから、時事には疎いです」
それに、外の世界は私には関係ない。
「ふ~ん」
もしかしてこの不審者さん、私が知らないだけで指名手配されている極悪人。もしくは、お忍びで他所様の家で勝手にゲームをしているだけの俳優さん?
後者だと嬉しいけど、恐らく前者だろう。
名前を知らなくても特徴で検索をかければ答えは出るだろうな。
だって、あんなにも個性的な人の手を着けているんだもの。
だけど、それはしたくなかった。
知るのが怖いから。
知ってしまった後の事を考えたくなかったから。