無償の友情
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初めて会った日から何日か経った頃。
不審者さんは未だにゲームをクリアできないでいる。
いつになったら終わるんだろう。
ふと、尋ねてみた。
「クリアできそうですか?」
「できなかったときは………このゲームが壊れることを意味するからな」
物騒な事を言われた。
それは不味い。ただただ不味い。
それなら、
「他のゲームに変えてみるとかどうですか」
なんでもいいから早くクリアして出ていって欲しかった。
「それは出来ない。あいつとどっちが先にクリアするか競っているから。変えるならそれからだな」
「そうですか………」
あいつ、とはお仲間さんのことかな。
……………あれ、これってもしかして今やっているゲームをクリアしても、今後も競いたいゲームがあればここに通うってこと?
余計なことを聞いてしまった。
友達ですらそんな図々しいことをしないのに。
まあ、友達なんていないんですけどね。
それに、お目当てのゲームがなければどうするの?
買っておけって命令されるのかな?
お金ないのに。
ああ、そのゲームが難しいものなら、きっとまたクリアするまでに時間がかかるんだろうな。
この人、ゲーム下手だし。
よくよく考えたら、この人のこと何も知らないのに、いつの間にかゲームをしている彼を受け入れつつもある。
不思議なものだ。
「今日はもう帰る」
「あ、はい」
「ゲーム、このままにしておけよ」
「分かりました」
「…………」
「?」
帰るって言ってきたのに、立ち止まる不審者さん。
まだ何かあるのか。
「アンタ、変わっているな」
「え………」
予想外の言葉。
顔面に着いている手の形の装飾で不審者さんの表情は分からなかったけど、その柔らかい物言いで、何故か微笑んでいるように感じてしまった。
こんな不審者に変わっていと言われて普通なら不快に感じるはずなのに、嬉しく思ってしまうなんて。
「じゃあ」
「あ、はい」
不審者さんは今度こそ帰っていった。
あの鍵を壊した窓ガラスから。
少しだけ見送ってみようかな。
久しぶりに窓の外を覗き込んだけど、彼の姿はもうどこにもなかった。
不審者さんは未だにゲームをクリアできないでいる。
いつになったら終わるんだろう。
ふと、尋ねてみた。
「クリアできそうですか?」
「できなかったときは………このゲームが壊れることを意味するからな」
物騒な事を言われた。
それは不味い。ただただ不味い。
それなら、
「他のゲームに変えてみるとかどうですか」
なんでもいいから早くクリアして出ていって欲しかった。
「それは出来ない。あいつとどっちが先にクリアするか競っているから。変えるならそれからだな」
「そうですか………」
あいつ、とはお仲間さんのことかな。
……………あれ、これってもしかして今やっているゲームをクリアしても、今後も競いたいゲームがあればここに通うってこと?
余計なことを聞いてしまった。
友達ですらそんな図々しいことをしないのに。
まあ、友達なんていないんですけどね。
それに、お目当てのゲームがなければどうするの?
買っておけって命令されるのかな?
お金ないのに。
ああ、そのゲームが難しいものなら、きっとまたクリアするまでに時間がかかるんだろうな。
この人、ゲーム下手だし。
よくよく考えたら、この人のこと何も知らないのに、いつの間にかゲームをしている彼を受け入れつつもある。
不思議なものだ。
「今日はもう帰る」
「あ、はい」
「ゲーム、このままにしておけよ」
「分かりました」
「…………」
「?」
帰るって言ってきたのに、立ち止まる不審者さん。
まだ何かあるのか。
「アンタ、変わっているな」
「え………」
予想外の言葉。
顔面に着いている手の形の装飾で不審者さんの表情は分からなかったけど、その柔らかい物言いで、何故か微笑んでいるように感じてしまった。
こんな不審者に変わっていと言われて普通なら不快に感じるはずなのに、嬉しく思ってしまうなんて。
「じゃあ」
「あ、はい」
不審者さんは今度こそ帰っていった。
あの鍵を壊した窓ガラスから。
少しだけ見送ってみようかな。
久しぶりに窓の外を覗き込んだけど、彼の姿はもうどこにもなかった。