無償の友情
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私が寂しいと思った感情を返して欲しい。
翌日、時刻はお昼くらいだろうか。
起きたら、昨日の不審者さんが勝手にゲームをしていた。
「え………」
「よう、起きたか。邪魔してるぜ」
そう言えば、窓の鍵、砕かれていたんだった。
親に壊れた理由なんて話せるわけもなく、修理できずにそのまま。
「靴はちゃんと脱いだから」
「あ、はい」
律儀なのか不躾なのかよく分からない人だ。
私はベッドに座り直して、昨日同様不審者さんのプレイしている様を眺めた。
「ゲーム、好きなんですか?」
このくらいは聞いてもいいよね?
「仲間がゲーム好きなんだよ」
「仲間………」
そのお仲間さんがゲーム好きだとして、あなたがプレイする意味はなんなの?
「仲間は大切な存在。仲間の好きな物を好きになりたい。だから俺はこのゲームのことを知りたい」
「そっか……」
私も私のことをそう思ってくれるお友達が欲しかったな。
そのお仲間さんが羨ましいや。
「ところで、昨日のアレはなんだ」
「アレ?」
アレとはなんのことだろう。
心当たりがない。
「お前が母親に何かした途端、諦めたように階段を降りただろう」
「え、なんで知ってるの!………ですか」
驚きのあまり、馴れ馴れしい口調で話してしまった。
「そこ」
そう言って視線はテレビから反らさず、ドアの方を指差した。
「…………あっ」
よく見ると壁に穴が空いている。
「そこから覗いた」
いやいや、こんな穴空いていなかったよね?
きっと、昨日の窓ガラスの鍵を砕いたように壁も壊したんだ。
昨日の物音はその音だったのか。
目立たないとは言え、気付いてからは穴が気になって仕方がない。
どうしよう………これ。
そんな私の新たな悩みなど露知らず、不審者さんは、
「で、なんの個性だ」
と再度問いかけてきた。
「個性『施錠』。相手のその時の感情をしばらくロックできるの。大したことないですよ」
「ふーん」
あんなに知りたがってきたのに、種明かしをしたらいきなり興味をなくすなんて。
別にいいけどね。
ゲームの攻略方法も教えたら絶対に興味をなくすやつだ。
聞かれても教えないようにしないと。
………あれ、なんで?
興味をなくしてくれた方が、早くいなくなってくれるかもしれないのに。
私、誰かと話がしたかったのかな。
例えそれが得たいの知れない不審者でも。
翌日、時刻はお昼くらいだろうか。
起きたら、昨日の不審者さんが勝手にゲームをしていた。
「え………」
「よう、起きたか。邪魔してるぜ」
そう言えば、窓の鍵、砕かれていたんだった。
親に壊れた理由なんて話せるわけもなく、修理できずにそのまま。
「靴はちゃんと脱いだから」
「あ、はい」
律儀なのか不躾なのかよく分からない人だ。
私はベッドに座り直して、昨日同様不審者さんのプレイしている様を眺めた。
「ゲーム、好きなんですか?」
このくらいは聞いてもいいよね?
「仲間がゲーム好きなんだよ」
「仲間………」
そのお仲間さんがゲーム好きだとして、あなたがプレイする意味はなんなの?
「仲間は大切な存在。仲間の好きな物を好きになりたい。だから俺はこのゲームのことを知りたい」
「そっか……」
私も私のことをそう思ってくれるお友達が欲しかったな。
そのお仲間さんが羨ましいや。
「ところで、昨日のアレはなんだ」
「アレ?」
アレとはなんのことだろう。
心当たりがない。
「お前が母親に何かした途端、諦めたように階段を降りただろう」
「え、なんで知ってるの!………ですか」
驚きのあまり、馴れ馴れしい口調で話してしまった。
「そこ」
そう言って視線はテレビから反らさず、ドアの方を指差した。
「…………あっ」
よく見ると壁に穴が空いている。
「そこから覗いた」
いやいや、こんな穴空いていなかったよね?
きっと、昨日の窓ガラスの鍵を砕いたように壁も壊したんだ。
昨日の物音はその音だったのか。
目立たないとは言え、気付いてからは穴が気になって仕方がない。
どうしよう………これ。
そんな私の新たな悩みなど露知らず、不審者さんは、
「で、なんの個性だ」
と再度問いかけてきた。
「個性『施錠』。相手のその時の感情をしばらくロックできるの。大したことないですよ」
「ふーん」
あんなに知りたがってきたのに、種明かしをしたらいきなり興味をなくすなんて。
別にいいけどね。
ゲームの攻略方法も教えたら絶対に興味をなくすやつだ。
聞かれても教えないようにしないと。
………あれ、なんで?
興味をなくしてくれた方が、早くいなくなってくれるかもしれないのに。
私、誰かと話がしたかったのかな。
例えそれが得たいの知れない不審者でも。