歪んだ正義
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あの日をきっかけに、私は時間に余裕がるとき、仕事終わりに公園に通うようになった。
そこで、パーカーの彼と他愛のない会話をして、タイミングが合えばモンちゃんにエサをあげて────。
唯一、私がヒーローではない、一般市民に慣れた気がして、落ち着く時間だった。
ーーーー
この日も、私は仕事を終えると、まっすぐ公園へと向かった。
今日はいつもより少し早い時間。
もしかしたら、今日は彼がモンちゃんにエサをあげている時間に間に合うかもしれない。
そんな期待を胸に、公園の入り口から小走りでベンチへと向かう。
そして案の定、パーカー姿の彼がいつものベンチでじっと座っていた。
思わず微笑んでしまう。
だけど、モンちゃんの姿はどこにも見当たらない。
「あれ……モンちゃんは……?」
私はベンチの周りや藪の奥まで視線を走らせながら、彼に尋ねた。
彼は俯いたまま、しばらく何も言わない。
やがて、低く静かな声が夜風に混じって聞こえた。
「殺処分されたよ。ヒーローに連れて行かれて」
一瞬、何を言われたのか理解できなかった。
心臓がどくん、と大きく脈打つ。
「嘘……」
かすれる声で問うと、彼はただ淡々と続ける。
「今朝、職員っぽいヤツらと一緒にヒーローが来てさ。公園の野良猫は全部保護して、順次処分するとかなんとか……。モンちゃんも捕まったよ」
彼の表情は変わらず、ただ静かに夜の暗闇に溶け込んでいる。
頭が真っ白になった。
野良猫の行方がどうなるかなんて、分かっていたはずなのに。
私は唇を噛み締めた。
「俺の個性を使えば、あんなヤツらなんて殺せる。だけど、連れて行かれるのがモンちゃんの運命だと思ったからやめた」
「そんな……」
彼は深く息をつき、どこか遠くを眺めながら言った。
「ヒーローって、いったい誰の味方なんだろうな……」
その声には、どうしようもないやるせなさが滲んでいた。
返す言葉が見つからない。
ただ、静かに頷くしかできなかった。
夜の公園は、昨日とは違う静けさに包まれてる。
そこで、パーカーの彼と他愛のない会話をして、タイミングが合えばモンちゃんにエサをあげて────。
唯一、私がヒーローではない、一般市民に慣れた気がして、落ち着く時間だった。
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この日も、私は仕事を終えると、まっすぐ公園へと向かった。
今日はいつもより少し早い時間。
もしかしたら、今日は彼がモンちゃんにエサをあげている時間に間に合うかもしれない。
そんな期待を胸に、公園の入り口から小走りでベンチへと向かう。
そして案の定、パーカー姿の彼がいつものベンチでじっと座っていた。
思わず微笑んでしまう。
だけど、モンちゃんの姿はどこにも見当たらない。
「あれ……モンちゃんは……?」
私はベンチの周りや藪の奥まで視線を走らせながら、彼に尋ねた。
彼は俯いたまま、しばらく何も言わない。
やがて、低く静かな声が夜風に混じって聞こえた。
「殺処分されたよ。ヒーローに連れて行かれて」
一瞬、何を言われたのか理解できなかった。
心臓がどくん、と大きく脈打つ。
「嘘……」
かすれる声で問うと、彼はただ淡々と続ける。
「今朝、職員っぽいヤツらと一緒にヒーローが来てさ。公園の野良猫は全部保護して、順次処分するとかなんとか……。モンちゃんも捕まったよ」
彼の表情は変わらず、ただ静かに夜の暗闇に溶け込んでいる。
頭が真っ白になった。
野良猫の行方がどうなるかなんて、分かっていたはずなのに。
私は唇を噛み締めた。
「俺の個性を使えば、あんなヤツらなんて殺せる。だけど、連れて行かれるのがモンちゃんの運命だと思ったからやめた」
「そんな……」
彼は深く息をつき、どこか遠くを眺めながら言った。
「ヒーローって、いったい誰の味方なんだろうな……」
その声には、どうしようもないやるせなさが滲んでいた。
返す言葉が見つからない。
ただ、静かに頷くしかできなかった。
夜の公園は、昨日とは違う静けさに包まれてる。
