歪んだ正義
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この日は、朝からパンの耳を切り落として袋に詰めた。
仕事終わりに猫のモンちゃんに会いに行くために。
そのためには億劫な仕事をこなさなければ。
職場に着くと、更衣室のロッカーでヒーローコスチュームに着替えながら、深くため息をつく。
そして、気合を入れながら他の先輩ヒーローが集まっているオフィスへと足を踏み入れた。
部屋に入ると、先輩ヒーローがいきなり話しかけてきた。
「◯◯さん、今日のパトロールの割り当て表見た?裏通りのゴミ拾いだってさ」
「そうなんですね。前々から苦情が来ていたところなので、この機会に綺麗にしましょう!」
そう答えると、先輩は呆れたように肩をすくめた。
ーーーー
現場に着くと、予想以上にゴミの量が多かった。
昨晩のうちに、また誰かが不法投棄したのだろう。
大きなゴミ袋を片手に、軍手をはめて準備万端。
次々と袋にゴミを詰めていく。
その間、先輩はスマホをポチポチと弄るだけで手伝ってくれない。
その姿に痺れを切らし、手伝うよう促す。
「先輩、そっちにある大きな粗大ゴミ、一緒に運び出しませんか?私1人だと難しそうなので」
だけど先輩は、
「えー、汚いし臭いからパス」
と、こちらを見る気もしない。
そんな時、近くでパトカーのサイレンが響いた。
先ほどまでやる気のなかった先輩は目を輝かせて、
「ちょっと見てくる!」
と、清掃道具をそのまま放り出し、走っていってしまった。
ぽつりと現場に残された私。
仕方がない、1人で作業を進めるか。
先輩が帰ってきた時に終わっていなければ、怒られそうだし。
それに、任された仕事は最後までやり遂げたい。
どんなに汚れても、どんなに汗をかいても、誰も見ていなくても、私はせっせと腕を動かした。
……。
…………。
夕日が沈み始めた頃。
後少しで終わるけれど、ただすら暗い裏通り、これ以上の作業は危険と見なし、切り上げることにした。
そして、結局先輩は戻ってこなかった。
事務所に戻ると、仕事を放り出した先輩が、他の先輩に鼻高々に語っていた。
「私の活躍のおかげで、事件が収まったようなものよ」
どうやら、先輩が追いかけた事件は無事に解決したようだ。
その会話の邪魔をしないように、更衣室へ向かおうとしたら、先輩に気付かれてしまった。
「あ、◯◯さん、お疲れ様〜。てか、なんか臭うんだけど〜!うちの事務所の評判を落とさないでよね!」
これは、先輩の分も頑張って清掃作業をしたからなのに。
だけど、今の私には言い返す元気も、取り繕う気力もない。
「すみません……」
ただ謝って、逃げるように更衣室へと駆け込んだ。
仕事終わりに猫のモンちゃんに会いに行くために。
そのためには億劫な仕事をこなさなければ。
職場に着くと、更衣室のロッカーでヒーローコスチュームに着替えながら、深くため息をつく。
そして、気合を入れながら他の先輩ヒーローが集まっているオフィスへと足を踏み入れた。
部屋に入ると、先輩ヒーローがいきなり話しかけてきた。
「◯◯さん、今日のパトロールの割り当て表見た?裏通りのゴミ拾いだってさ」
「そうなんですね。前々から苦情が来ていたところなので、この機会に綺麗にしましょう!」
そう答えると、先輩は呆れたように肩をすくめた。
ーーーー
現場に着くと、予想以上にゴミの量が多かった。
昨晩のうちに、また誰かが不法投棄したのだろう。
大きなゴミ袋を片手に、軍手をはめて準備万端。
次々と袋にゴミを詰めていく。
その間、先輩はスマホをポチポチと弄るだけで手伝ってくれない。
その姿に痺れを切らし、手伝うよう促す。
「先輩、そっちにある大きな粗大ゴミ、一緒に運び出しませんか?私1人だと難しそうなので」
だけど先輩は、
「えー、汚いし臭いからパス」
と、こちらを見る気もしない。
そんな時、近くでパトカーのサイレンが響いた。
先ほどまでやる気のなかった先輩は目を輝かせて、
「ちょっと見てくる!」
と、清掃道具をそのまま放り出し、走っていってしまった。
ぽつりと現場に残された私。
仕方がない、1人で作業を進めるか。
先輩が帰ってきた時に終わっていなければ、怒られそうだし。
それに、任された仕事は最後までやり遂げたい。
どんなに汚れても、どんなに汗をかいても、誰も見ていなくても、私はせっせと腕を動かした。
……。
…………。
夕日が沈み始めた頃。
後少しで終わるけれど、ただすら暗い裏通り、これ以上の作業は危険と見なし、切り上げることにした。
そして、結局先輩は戻ってこなかった。
事務所に戻ると、仕事を放り出した先輩が、他の先輩に鼻高々に語っていた。
「私の活躍のおかげで、事件が収まったようなものよ」
どうやら、先輩が追いかけた事件は無事に解決したようだ。
その会話の邪魔をしないように、更衣室へ向かおうとしたら、先輩に気付かれてしまった。
「あ、◯◯さん、お疲れ様〜。てか、なんか臭うんだけど〜!うちの事務所の評判を落とさないでよね!」
これは、先輩の分も頑張って清掃作業をしたからなのに。
だけど、今の私には言い返す元気も、取り繕う気力もない。
「すみません……」
ただ謝って、逃げるように更衣室へと駆け込んだ。
