歪んだ正義
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ヒーローとしての仕事を終えた後、私は静かな公園のベンチで気持ちを落ち着かせていた。
夜の公園は、昼間とは驚くほど違う世界のよう。
涼しい風が頬を撫でる。
ふと足元に、黒色の物体がいた。
「……猫?」
珍しい……。
痩せているけれど、野良猫にしてはガリガリではない。
人懐っこい性格なのか、全然逃げない。
誰かに餌でも貰っているのかな。
「キミ、名前は?」
「ニャー」
分かってはいたけれど、猫はニャーニャー鳴くだけで、何を言っているのか全く分からない。
動物と会話できる個性ならよかったのに……。
そう思っていると、代弁するかのように、頭上から男性の声がした。
「モンちゃんだ」
驚いて見上げると、ボロボロのパーカーを着た青年が立っていた。
頭にはフードをすっぽりと被っている。
暗さも相まって顔ははっきりとは見えないけれど、整った顔をしていると思う。
彼はしゃがみ込み、猫を撫でた。
そして、手に持っていたビニール袋に入ったパンの耳を取り出し、小さくちぎって猫に与えた。
猫は手慣れたように彼の手からパンを食べる。
「アナタの猫ですか?」
「……違う」
彼は視線を猫から外さずに答えた。
「そう……ですか……」
違うとは言え、名前を付けたり、餌を用意する辺り、相当肩入れしているように見える。
じっとその様子を眺めていると、彼はぽつりぽつりと話し始めた。
「昔飼ってた犬がモンちゃんって名前だったんだ……」
「あー……そうなんですね」
犬と猫じゃ違うけど、色味とかが似ていたのかな?
だけど、理由は意外なものだった。
「モンちゃんは茶色いコーギーで、ぽてっとしていた。コイツとは似ても似つかない。だけど、動物に付ける名前が、他に思いつかなかったから」
話しているうちに、彼の手にあったパンがなくなった。
彼は手をパンパンと払うと、それが合図のように、猫はどこかへ去っていった。
それを見届けると、彼も来た方へと翻す。
「あのっ!」
私は、なぜか彼を引き留めていた。
彼は立ち止まり、無言でこちらに顔だけ向ける。
「明日も来ますか?」
「……さあね」
それだけ言うと、彼は視線を戻し、今度こそ公園から出ていった。
「……不思議な人だったなぁ……」
なんで、あんな質問しちゃったんだろう。
私、また彼に会いたい……のかな?
一言二言しか会話していないのに。
だけど、明日も公園に寄ってみよう。
今度は私も食パンを持参して。
夜の公園は、昼間とは驚くほど違う世界のよう。
涼しい風が頬を撫でる。
ふと足元に、黒色の物体がいた。
「……猫?」
珍しい……。
痩せているけれど、野良猫にしてはガリガリではない。
人懐っこい性格なのか、全然逃げない。
誰かに餌でも貰っているのかな。
「キミ、名前は?」
「ニャー」
分かってはいたけれど、猫はニャーニャー鳴くだけで、何を言っているのか全く分からない。
動物と会話できる個性ならよかったのに……。
そう思っていると、代弁するかのように、頭上から男性の声がした。
「モンちゃんだ」
驚いて見上げると、ボロボロのパーカーを着た青年が立っていた。
頭にはフードをすっぽりと被っている。
暗さも相まって顔ははっきりとは見えないけれど、整った顔をしていると思う。
彼はしゃがみ込み、猫を撫でた。
そして、手に持っていたビニール袋に入ったパンの耳を取り出し、小さくちぎって猫に与えた。
猫は手慣れたように彼の手からパンを食べる。
「アナタの猫ですか?」
「……違う」
彼は視線を猫から外さずに答えた。
「そう……ですか……」
違うとは言え、名前を付けたり、餌を用意する辺り、相当肩入れしているように見える。
じっとその様子を眺めていると、彼はぽつりぽつりと話し始めた。
「昔飼ってた犬がモンちゃんって名前だったんだ……」
「あー……そうなんですね」
犬と猫じゃ違うけど、色味とかが似ていたのかな?
だけど、理由は意外なものだった。
「モンちゃんは茶色いコーギーで、ぽてっとしていた。コイツとは似ても似つかない。だけど、動物に付ける名前が、他に思いつかなかったから」
話しているうちに、彼の手にあったパンがなくなった。
彼は手をパンパンと払うと、それが合図のように、猫はどこかへ去っていった。
それを見届けると、彼も来た方へと翻す。
「あのっ!」
私は、なぜか彼を引き留めていた。
彼は立ち止まり、無言でこちらに顔だけ向ける。
「明日も来ますか?」
「……さあね」
それだけ言うと、彼は視線を戻し、今度こそ公園から出ていった。
「……不思議な人だったなぁ……」
なんで、あんな質問しちゃったんだろう。
私、また彼に会いたい……のかな?
一言二言しか会話していないのに。
だけど、明日も公園に寄ってみよう。
今度は私も食パンを持参して。
