〜第一章〜 アナタのことが嫌いな私
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休み明けの月曜日。
教室で次の授業の小テストの勉強をしていると、いきなり窓がガラガラと開いた。
見なくても誰かは分かる。
その人物もさも当然のように私に話しかけてきた。
「●●さん。はいこれ、あげます」
だけど、今日はいつもと違った。
不意に机に置かれた小ぶりのショッパー。
「なにこれ」
「昨日練習試合だったんすけどね、その会場近くに焼き菓子のお店が出張販売に来てて」
そう説明しながら二口は教室へと入ってきて、空いていた向かいの席に腰掛ける。
「●●さん好きかと思ってプレゼント」
餌付けして私に好意を向けさせようと言う魂胆には乗らない。
ただ、食べ物に罪はないわけで、ありがたく貰うことにした。
ショッパーの取っ手に手を伸ばす。
すると、その手に二口の手が被さる。
「なに」
思わず彼の顔を見ると、
「欲しかったら俺とデートしません?」
「……っ!」
軽率に近づいて来るイケメンの顔に驚きが隠せなかった。
「なんでそんなこと」
「言ったじゃん。振り向かせたいって」
そうだ、二口はこう言うやつだ。
見返りを求めてプレゼントを寄越してくる。
私は思わず二口の足をガンッと踏み付けてやった。
「っっ!!●●さん、痛いですって……」
「じゃあ手、放してよ」
掴まれていた手が離れると、私も足をどかした。
二口は踏まれた足をプラプラとさせ、痛みを分散させている。
その様子を見て、強く踏みすぎてしまっただろうかと少し反省した。
だけど、元はと言えばいきなり手を握ってきた二口が悪いのだ。
私は二口を無視して、ショッパーの中身を確認した。
中からは、小さなマドレーヌの詰め合わせが出てきた。
プレーンな味からチョコレートや抹茶などのアレンジ味まで幅広く入っている。
「何味が好きか分からなかったんで、色々買ってみました」
気に食わない後輩だけれど、そこまでしてくれてタダでお菓子を貰うわけにはいかない。
「帰るくらいなら……」
「ん?」
「デートは嫌だけど、一緒に帰るくらいならしてもいい」
これが今の私ができる最大限の譲歩。
二口は目を真ん丸にして、ポカンとしていた。
自分からけしかけてきたくせに、何故驚いているのだろうか。
「何その顔」
「いや、ダメ元で頼んでみるもんだなって」
間抜けな顔から直ぐにいつもの顔に戻る。
それから嬉しそうに微笑んだ。
その笑顔に絆されまいと思いつつも、段々と心を開きかけている自分に気が付き始めていた。
「約束っすからね!」
二口は嬉しそうに教室から出ていった。
ただ一緒に帰るだけなのに大袈裟なんだから。
私は貰ったマドレーヌを1つ取り出し、袋を開けた。
「……んっ」
美味しい……。
バターの風味が効いたソレは幸せの味だった。
教室で次の授業の小テストの勉強をしていると、いきなり窓がガラガラと開いた。
見なくても誰かは分かる。
その人物もさも当然のように私に話しかけてきた。
「●●さん。はいこれ、あげます」
だけど、今日はいつもと違った。
不意に机に置かれた小ぶりのショッパー。
「なにこれ」
「昨日練習試合だったんすけどね、その会場近くに焼き菓子のお店が出張販売に来てて」
そう説明しながら二口は教室へと入ってきて、空いていた向かいの席に腰掛ける。
「●●さん好きかと思ってプレゼント」
餌付けして私に好意を向けさせようと言う魂胆には乗らない。
ただ、食べ物に罪はないわけで、ありがたく貰うことにした。
ショッパーの取っ手に手を伸ばす。
すると、その手に二口の手が被さる。
「なに」
思わず彼の顔を見ると、
「欲しかったら俺とデートしません?」
「……っ!」
軽率に近づいて来るイケメンの顔に驚きが隠せなかった。
「なんでそんなこと」
「言ったじゃん。振り向かせたいって」
そうだ、二口はこう言うやつだ。
見返りを求めてプレゼントを寄越してくる。
私は思わず二口の足をガンッと踏み付けてやった。
「っっ!!●●さん、痛いですって……」
「じゃあ手、放してよ」
掴まれていた手が離れると、私も足をどかした。
二口は踏まれた足をプラプラとさせ、痛みを分散させている。
その様子を見て、強く踏みすぎてしまっただろうかと少し反省した。
だけど、元はと言えばいきなり手を握ってきた二口が悪いのだ。
私は二口を無視して、ショッパーの中身を確認した。
中からは、小さなマドレーヌの詰め合わせが出てきた。
プレーンな味からチョコレートや抹茶などのアレンジ味まで幅広く入っている。
「何味が好きか分からなかったんで、色々買ってみました」
気に食わない後輩だけれど、そこまでしてくれてタダでお菓子を貰うわけにはいかない。
「帰るくらいなら……」
「ん?」
「デートは嫌だけど、一緒に帰るくらいならしてもいい」
これが今の私ができる最大限の譲歩。
二口は目を真ん丸にして、ポカンとしていた。
自分からけしかけてきたくせに、何故驚いているのだろうか。
「何その顔」
「いや、ダメ元で頼んでみるもんだなって」
間抜けな顔から直ぐにいつもの顔に戻る。
それから嬉しそうに微笑んだ。
その笑顔に絆されまいと思いつつも、段々と心を開きかけている自分に気が付き始めていた。
「約束っすからね!」
二口は嬉しそうに教室から出ていった。
ただ一緒に帰るだけなのに大袈裟なんだから。
私は貰ったマドレーヌを1つ取り出し、袋を開けた。
「……んっ」
美味しい……。
バターの風味が効いたソレは幸せの味だった。
