〜第二章〜 アナタのことが好きな私
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誰もいない教室に入り、自分の席に着く。
真ん中あたりの実に中途半端な場所だ。
去年まではあの廊下側の窓から二口がひょっこり顔を出して、しつこいくらい絡んできたのに。
もう廊下側の席でもないし、二口とはあんな関係だしで、2度と開けられることのない窓。
昨日散々感傷に浸ったはずなのに、今朝のことも相まって更に頭の中がぐちゃぐちゃになる。
学校に来てまだ時間が経っていないのに、なんだかもう帰りたい。
取り敢えず、ホームルームの時間まで寝てしまおう。
机に突っ伏して目を瞑る。
朝早く登校したからか、案外直ぐに意識が薄れてきた。
……。
…………。
気が付けば体育館の見学席にいた。
なんで私、こんなところにいるんだろう。
心ばかしか視界が霞んでいるようにも見える。
そんな中辺りを見渡すと、数少ない伊達工の女子生徒たちが何かに向かって声援を送っていた。
この光景に見覚えがある。
昨日、男子バレー部の練習を見学したときと同じだ。
それを思い出すと同時に、先ほどまで聞こえなかったボールが弾む音が聞こえてきた。
二口や眉毛がない彼、それから金髪に前髪だけを茶色に染めた新入部員君を始め、部員たちが試合形式の練習をしていた。
みんな必死にボールを追いかけていて、二口もヘラヘラした表情は鳴りを潜めて、真剣そのもの。
そして、3人のブロックがスパイクを完全にシャットアウトすると、歓声が更に大きくなった。
そう言えば二口が言っていたっけ。
後輩にモテるって。
よかったね、と思う半面、胸がズキリと痛んだ。
ああ、そうか。
私は二口が他の女の子にキャーキャー言われるのが嫌で嫌で仕方がないんだ。
私がいくら二口になびかないフリをしようとも、彼がモテる事実は変わらない。
自分の気持ちにオープンになれる彼女たちを羨ましく見ていると、その中の1人が私の方へ向き直った。
そして、
「アナタはなんで正直にならないの?」
彼女ははっきりとそう言った。
「あ……えっと……」
私はその問いに答えることが出来なかった。
なんで……?
答えを探していると、更に彼女は私の両腕を掴んで揺さぶるように詰め寄ってきた。
「自分の気持から逃げないで!●●!」
名前も知らない彼女の口から出た私の名前。
彼女は何度も繰り返し私の名前を呼ぶ。
……──! ……──! ●●!
「●●!」
目を開けるとカスミとユイがいた。
「んっ……」
「あー!やっと起きたー!」
「もうすぐホームルーム始まるよ?」
「え、あ……」
頭がぼーっとする。
ここは……教室?
さっきまでのは……夢?
それにしてはかなり現実味を帯びていたような気がする。
「なに、まだ寝ぼけてるの?」
「さては夜更かしでもしたんでしょ!」
「あはは、実は」
笑って誤魔化すと、チャイムが鳴って先生が教室に入ってきた。
「おーい、席に着けー」
「やばっ!」
カスミとユイはバタバタと自分の席に戻って行った。
私はぼんやりとホームルームを聞き流しながら、先ほどの夢を思い出した。
自分の気持から逃げるな、か……。
確かにね。
どうせ今でも嫌われているんだ。
それなら想いを伝えてから嫌われよう。
それから叩いたこともちゃんと謝って、この関係に終止符を打たないと。
まさか夢に諭される日が来るとは。
少しだけ笑いそうになった。
真ん中あたりの実に中途半端な場所だ。
去年まではあの廊下側の窓から二口がひょっこり顔を出して、しつこいくらい絡んできたのに。
もう廊下側の席でもないし、二口とはあんな関係だしで、2度と開けられることのない窓。
昨日散々感傷に浸ったはずなのに、今朝のことも相まって更に頭の中がぐちゃぐちゃになる。
学校に来てまだ時間が経っていないのに、なんだかもう帰りたい。
取り敢えず、ホームルームの時間まで寝てしまおう。
机に突っ伏して目を瞑る。
朝早く登校したからか、案外直ぐに意識が薄れてきた。
……。
…………。
気が付けば体育館の見学席にいた。
なんで私、こんなところにいるんだろう。
心ばかしか視界が霞んでいるようにも見える。
そんな中辺りを見渡すと、数少ない伊達工の女子生徒たちが何かに向かって声援を送っていた。
この光景に見覚えがある。
昨日、男子バレー部の練習を見学したときと同じだ。
それを思い出すと同時に、先ほどまで聞こえなかったボールが弾む音が聞こえてきた。
二口や眉毛がない彼、それから金髪に前髪だけを茶色に染めた新入部員君を始め、部員たちが試合形式の練習をしていた。
みんな必死にボールを追いかけていて、二口もヘラヘラした表情は鳴りを潜めて、真剣そのもの。
そして、3人のブロックがスパイクを完全にシャットアウトすると、歓声が更に大きくなった。
そう言えば二口が言っていたっけ。
後輩にモテるって。
よかったね、と思う半面、胸がズキリと痛んだ。
ああ、そうか。
私は二口が他の女の子にキャーキャー言われるのが嫌で嫌で仕方がないんだ。
私がいくら二口になびかないフリをしようとも、彼がモテる事実は変わらない。
自分の気持ちにオープンになれる彼女たちを羨ましく見ていると、その中の1人が私の方へ向き直った。
そして、
「アナタはなんで正直にならないの?」
彼女ははっきりとそう言った。
「あ……えっと……」
私はその問いに答えることが出来なかった。
なんで……?
答えを探していると、更に彼女は私の両腕を掴んで揺さぶるように詰め寄ってきた。
「自分の気持から逃げないで!●●!」
名前も知らない彼女の口から出た私の名前。
彼女は何度も繰り返し私の名前を呼ぶ。
……──! ……──! ●●!
「●●!」
目を開けるとカスミとユイがいた。
「んっ……」
「あー!やっと起きたー!」
「もうすぐホームルーム始まるよ?」
「え、あ……」
頭がぼーっとする。
ここは……教室?
さっきまでのは……夢?
それにしてはかなり現実味を帯びていたような気がする。
「なに、まだ寝ぼけてるの?」
「さては夜更かしでもしたんでしょ!」
「あはは、実は」
笑って誤魔化すと、チャイムが鳴って先生が教室に入ってきた。
「おーい、席に着けー」
「やばっ!」
カスミとユイはバタバタと自分の席に戻って行った。
私はぼんやりとホームルームを聞き流しながら、先ほどの夢を思い出した。
自分の気持から逃げるな、か……。
確かにね。
どうせ今でも嫌われているんだ。
それなら想いを伝えてから嫌われよう。
それから叩いたこともちゃんと謝って、この関係に終止符を打たないと。
まさか夢に諭される日が来るとは。
少しだけ笑いそうになった。
