〜第二章〜 アナタのことが好きな私
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〜第二章〜 アナタのことが好きな私
あのビンタのせいか、二口はお昼休みに教室に来なくなった。
部活終わりだって、ばったり出くわしても私を無視するように。
キスが下手だとか大嫌いだとか言っても言い寄ってきたあの二口が。
そして、ついこの間2年生に進級したと思ったのに、時の流れは早いもので、私たちは3年生になった。
ちなみに進級してもカスミとユイとは同じクラス。
「目の保養でも探しに行くか」
「そうね。誰かさんのせいで保養要員が来なくなったし」
「誰かさんって私のこと?」
2人には二口にビンタをしたことを伝えていないのに、彼が来なくなった原因は私にあると決めつけてくる。
いや、間違ってもいないけれど。
私はカスミとユイの後ろを付いて1年生のクラスへと向かった。
1年生のクラスに着くと、新入生特有のソワソワとした雰囲気が漂っていた。
打って変わってカスミとユイは楽しそうに物色する。
だけど、
「ん〜可愛い子とか良い子そうな子はいるけど、保養とまではいかないね」
「やっぱり堅治君は別格だったんだよ」
ピンとくる子はいない模様。
私が人を選り好みできる立場ではないけれど、確かに遠目から見て二口に勝るイケメンはいなかった。
彼の顔に慣れたせいだろうか。
「もう気が済んだなら帰ろうよ」
私は2人に教室に帰るよう促した。
それなのに、
「あ、待って!あの後ろ向いている背の高い子!あの子の顔だけ拝んだら!」
粘るカスミに呆れる。
すると、
「今年も男漁りですか?懲りないっすね」
この棘のある言い方に、生意気な声は……。
「二口……」
と、いつの日にか見た眉毛のない子が一緒にいた。
「そっちこそ1年生の階に何の用よ」
まだ叩いたことを謝れていない。
それなのに、私の口からはこんな強気の言葉しか出なかった。
「部活の勧誘」
二口がほら、と見せてきたチラシには“来たれ!!伊達工排球部”とシンプルな文字が書かれていた。
「目ぇ付けてるやつがこのクラスにいるんでね」
そう言って指を差した相手とは、カスミが最後に拝みたいと言っていた男子生徒だった。
そのやり取りに、ようやく気が付いたカスミとユイは話に割って入ってきた。
「あ、堅治君じゃん!久しぶり〜」
「おひさ〜」
「カスミさん、ユイさん。お久しぶりです」
私には見せなかった営業スマイルを、2人にこれでもかって言うほど披露する二口。
彼女たちには男漁りのことは指摘しないのか。
私に興味がなくなった途端これとか。
正直精神的に来るものがある。
おかしな話だよね。
散々嫌っていた相手に冷たくされてショックを受けるなんて。
自分勝手にもほどがある。
