ひと夏の恋
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そんなある日、今日も私は部屋を抜け出して燈矢君に会いに行った。
深くて暗いこの山も今では庭のよう。
名前だって瀬古杜岳 って燈矢君から教えてもらった。
「今日は一段と明るい炎だね」
「コツを掴んだ」
「コツ?」
「感情の昂りが火力に直結しているって分かった」
嬉しそうに話す燈矢君。
なのに、なんで目から涙が出ているの?
嬉し涙には見えなかった。
私を励ましてくれたように、何か言葉を掛けたい。
だけど、私の短い人生経験では燈矢君が求めている言葉が浮かばない。
もどかしい。
そのとき私は気が付いた。
私、燈矢君のことが好きなんだ。
だから力になりたいと思うし、心から笑っていてほしい。
たくさん会いたいし、秘密も共有したい。
いつの間にか私の中で彼の存在が大きくなっていた。
そして、燈矢君の青白い炎も大きくなっていた。
「うわっ、熱っ!」
「大丈夫?!」
上手く火力を抑えられないのか、完全には消えない炎。
「まだコントロールできないんだよ。クソッ、消えない!」
「燈矢君……」
私はそんな燃えている燈矢君の両手を包み込むように握った。
「っ!」
熱い。
こんな熱さに耐えながら燈矢君はいつも練習していたんだ。
「●●?!」
「もっと、…っ……自分を甘やかしてよ」
「……」
ついに言ってしまった。
聞く耳を持たないのが分かっていたから、いつも頑張ってね、と応援することしか言えなかったけれど、今日は身体を気遣う言葉を。
ずっと言いたかった。
言うことを聞いてくれるかどうかは別として、言うくらいは自由だ。
心配くらいさせてよ。
「私は……っ…燈矢君の頑張りを、見ているから…」
「……」
厳しい親の教育に耐えていたときに、誰かに言ってほしかった言葉。
今の私にはもう必要ないけど、燈矢君には?
誰か言ってくれる人はいる?
ううん。私が言う人になるんだ。
「だから……だから、あまり無理をしないで」
「……ありがとう」
感情が落ち着いたのか、燈矢君の炎もいつの間にか消えていた。
「なんだか、出会ったときと立場が逆になったな」
「逆なんて……私たちはずっと対等だよ!」
そう言って滅相もない、と手を振ると、
「手、ごめんな。俺の炎で」
火傷を負った私の手を愛おしそうに握る燈矢君。
「こんなの平気だよ!」
本当は痛いけど、そんな素振りをすると燈矢君が尚更傷付いてしまうから。
「●●の火傷の痕が治らなかったら、俺が責任をもって●●をお嫁に貰う」
「燈矢君…」
「ほら……その……返事は?」
「ふふ、よろしくお願いします!」
子供の戯言のような約束。
だけど、今はそれでいい。
私たちに必要な言葉だから。
深くて暗いこの山も今では庭のよう。
名前だって
「今日は一段と明るい炎だね」
「コツを掴んだ」
「コツ?」
「感情の昂りが火力に直結しているって分かった」
嬉しそうに話す燈矢君。
なのに、なんで目から涙が出ているの?
嬉し涙には見えなかった。
私を励ましてくれたように、何か言葉を掛けたい。
だけど、私の短い人生経験では燈矢君が求めている言葉が浮かばない。
もどかしい。
そのとき私は気が付いた。
私、燈矢君のことが好きなんだ。
だから力になりたいと思うし、心から笑っていてほしい。
たくさん会いたいし、秘密も共有したい。
いつの間にか私の中で彼の存在が大きくなっていた。
そして、燈矢君の青白い炎も大きくなっていた。
「うわっ、熱っ!」
「大丈夫?!」
上手く火力を抑えられないのか、完全には消えない炎。
「まだコントロールできないんだよ。クソッ、消えない!」
「燈矢君……」
私はそんな燃えている燈矢君の両手を包み込むように握った。
「っ!」
熱い。
こんな熱さに耐えながら燈矢君はいつも練習していたんだ。
「●●?!」
「もっと、…っ……自分を甘やかしてよ」
「……」
ついに言ってしまった。
聞く耳を持たないのが分かっていたから、いつも頑張ってね、と応援することしか言えなかったけれど、今日は身体を気遣う言葉を。
ずっと言いたかった。
言うことを聞いてくれるかどうかは別として、言うくらいは自由だ。
心配くらいさせてよ。
「私は……っ…燈矢君の頑張りを、見ているから…」
「……」
厳しい親の教育に耐えていたときに、誰かに言ってほしかった言葉。
今の私にはもう必要ないけど、燈矢君には?
誰か言ってくれる人はいる?
ううん。私が言う人になるんだ。
「だから……だから、あまり無理をしないで」
「……ありがとう」
感情が落ち着いたのか、燈矢君の炎もいつの間にか消えていた。
「なんだか、出会ったときと立場が逆になったな」
「逆なんて……私たちはずっと対等だよ!」
そう言って滅相もない、と手を振ると、
「手、ごめんな。俺の炎で」
火傷を負った私の手を愛おしそうに握る燈矢君。
「こんなの平気だよ!」
本当は痛いけど、そんな素振りをすると燈矢君が尚更傷付いてしまうから。
「●●の火傷の痕が治らなかったら、俺が責任をもって●●をお嫁に貰う」
「燈矢君…」
「ほら……その……返事は?」
「ふふ、よろしくお願いします!」
子供の戯言のような約束。
だけど、今はそれでいい。
私たちに必要な言葉だから。