ひと夏の恋
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しばらく自分の非力に絶望しながら山を彷徨っていると、奥の方から青白い光が見えた。
誰かいるの?
私は痛めた足を引き摺りながら光の方へと向かった。
そこには手から青い炎を出している白髪の少年が。
年は私とさほど変わらないだろう。
「綺麗……」
思わずその青い炎を見て呟いた。
「誰だ!!」
「……っ!」
聞こえない声で言ったつもりだったのに大きな声で叫ばれて、ビクッと肩を震わせた。
「あ……っ……あの……私」
上手く言葉が出ない。
「なんだ、ガキか……」
自分だってガキの癖に。
その言葉に何故か冷静になった私。
「迷子になっちゃって……」
「ふーん」
興味なさげな少年は、先程まで向いていた方に向き直して、また手から炎を出し始めた。
「何をしてるの?」
「見たら分かんだろ、炎を出す練習」
私が言うのもなんだけど、こんなところで練習とか心配になる。
周りに燃え移ったりしないのかな。
その場で座り込み、練習風景を眺めた。
ときたま熱っ、と声が聞こえてきた。
自分の個性なのに熱いの?
それにどことなく火傷をしているように見えた。
「いつまで練習するの?」
彼の両親は心配しないのだろうか。
気なって聞いてみた。
「できるまで。そう言うお前は帰らないのか?」
「お前じゃなくて、●●」
「は?」
「私の名前。アナタの名前は?」
どうせ一期一会の出会いだろうけど、彼の名前が知りたくなった。
「燈矢……」
「燈矢君ね。あ、帰らないのかって話だけど、私は家に帰りたくない……かな」
「なんかあったのか?」
「両親と喧嘩しちゃってね」
それから燈矢君は練習の片手間に私の今までの話を静かに聞いてくれた。
「俺、大抵この時間にここで練習してるから。ツラくなったらまた来いよ」
「いいの?!」
「ああ。ただし、誰にも付けられるなよ。俺と●●の秘密の場所だ」
「秘密の場所……」
秘密を共有することで、なんだか絆が生まれた気がした。
変なの。今日会ったばかりなのに。
だけど、それがくすぐったくて、温かくて、私の心は満たされた。
誰かいるの?
私は痛めた足を引き摺りながら光の方へと向かった。
そこには手から青い炎を出している白髪の少年が。
年は私とさほど変わらないだろう。
「綺麗……」
思わずその青い炎を見て呟いた。
「誰だ!!」
「……っ!」
聞こえない声で言ったつもりだったのに大きな声で叫ばれて、ビクッと肩を震わせた。
「あ……っ……あの……私」
上手く言葉が出ない。
「なんだ、ガキか……」
自分だってガキの癖に。
その言葉に何故か冷静になった私。
「迷子になっちゃって……」
「ふーん」
興味なさげな少年は、先程まで向いていた方に向き直して、また手から炎を出し始めた。
「何をしてるの?」
「見たら分かんだろ、炎を出す練習」
私が言うのもなんだけど、こんなところで練習とか心配になる。
周りに燃え移ったりしないのかな。
その場で座り込み、練習風景を眺めた。
ときたま熱っ、と声が聞こえてきた。
自分の個性なのに熱いの?
それにどことなく火傷をしているように見えた。
「いつまで練習するの?」
彼の両親は心配しないのだろうか。
気なって聞いてみた。
「できるまで。そう言うお前は帰らないのか?」
「お前じゃなくて、●●」
「は?」
「私の名前。アナタの名前は?」
どうせ一期一会の出会いだろうけど、彼の名前が知りたくなった。
「燈矢……」
「燈矢君ね。あ、帰らないのかって話だけど、私は家に帰りたくない……かな」
「なんかあったのか?」
「両親と喧嘩しちゃってね」
それから燈矢君は練習の片手間に私の今までの話を静かに聞いてくれた。
「俺、大抵この時間にここで練習してるから。ツラくなったらまた来いよ」
「いいの?!」
「ああ。ただし、誰にも付けられるなよ。俺と●●の秘密の場所だ」
「秘密の場所……」
秘密を共有することで、なんだか絆が生まれた気がした。
変なの。今日会ったばかりなのに。
だけど、それがくすぐったくて、温かくて、私の心は満たされた。