夜更けのコインランドリー
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ーーおまけ(荼毘side)ーー
街外れの、薄汚いコインランドリー。
こう言った場所には、中身の詰まった財布を置き忘れるか、回っている最中に持ち主が席を外す場合がある。
俺にとっては格好のカモ。
運が良ければ今日の小銭稼ぎにはなる。
俺は店に入る前に、ガラス越しに中を窺った。
回っているドラムは1つ。
だが、人の気配はねぇ。
「シケてんな……。まあ、ないよりマシか」
不満を吐き捨てて足を踏み入れた。
だが、死角になっていたベンチの隅に、小さく縮こまっている影を見つけた。
安っぽい自販機の缶コーヒーを大事そうに抱えている女。
すぐに踵を返して立ち去ろうとした。
関わるだけ時間の無駄だ。
だが、視界の端に映ったその指先に、目が釘付けになった。
異常なまでに紫に染まった指。
それは重度の凍傷のようにも見えた。
己の個性と身体が釣り合っていない、代償の表れ。
俺と同類。
気付けば、声をかけていた。
「寒そうだな、アンタ」
偽善、憐れみ、同族嫌悪。
この感情が何か分からねぇが、1つ言えることは、俺らしくねぇ。
「あ……そうなんです。ちょっと、冷え性なもので」
女は困ったように笑った。
嘘を吐け。
その指はもう死にかけている。
隣に座ると、俺の身体から漏れる熱に、女が「温かい」と小さく零した。
だからか、自分でも驚くほど、素直に言葉が出た。
「……俺も、似たようなもんだ。俺の炎は、俺自身を焼き尽くす」
この女は、俺の素性を知らない。
コインランドリーで鉢合わせた、ただの赤の他人。
その関係が気楽だったのかもしれない。
それからだ。
週に1度、この女と会うようになったのは。
街外れの、薄汚いコインランドリー。
こう言った場所には、中身の詰まった財布を置き忘れるか、回っている最中に持ち主が席を外す場合がある。
俺にとっては格好のカモ。
運が良ければ今日の小銭稼ぎにはなる。
俺は店に入る前に、ガラス越しに中を窺った。
回っているドラムは1つ。
だが、人の気配はねぇ。
「シケてんな……。まあ、ないよりマシか」
不満を吐き捨てて足を踏み入れた。
だが、死角になっていたベンチの隅に、小さく縮こまっている影を見つけた。
安っぽい自販機の缶コーヒーを大事そうに抱えている女。
すぐに踵を返して立ち去ろうとした。
関わるだけ時間の無駄だ。
だが、視界の端に映ったその指先に、目が釘付けになった。
異常なまでに紫に染まった指。
それは重度の凍傷のようにも見えた。
己の個性と身体が釣り合っていない、代償の表れ。
俺と同類。
気付けば、声をかけていた。
「寒そうだな、アンタ」
偽善、憐れみ、同族嫌悪。
この感情が何か分からねぇが、1つ言えることは、俺らしくねぇ。
「あ……そうなんです。ちょっと、冷え性なもので」
女は困ったように笑った。
嘘を吐け。
その指はもう死にかけている。
隣に座ると、俺の身体から漏れる熱に、女が「温かい」と小さく零した。
だからか、自分でも驚くほど、素直に言葉が出た。
「……俺も、似たようなもんだ。俺の炎は、俺自身を焼き尽くす」
この女は、俺の素性を知らない。
コインランドリーで鉢合わせた、ただの赤の他人。
その関係が気楽だったのかもしれない。
それからだ。
週に1度、この女と会うようになったのは。
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