燃えかす少女と蒼炎の君
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ーーおまけ(荼毘side)ーー
最初は気紛れだった。
その日の晩、どの建物を放火しようか吟味しているとき、足音が聞こえてきた。
こんな時間、こんな場所で。
気が付いたときには俺を……いや、俺の手元の蒼い炎を見つめる1人の女が立っていた。
目は虚ろで、生気がまるでない。
熱をもたない人形のようだと、そう思った。
とてもじゃないが、俺を追ってきたヒーローには見えない。
「……何やってんだ、こんなとこで」
「……行く場所がなくて。……家にいても、誰も私のことを必要としてくれないから……」
何となく聞いただけだったのに、過去の自分と重なった感覚がして、胸の奥が少しだけざわつく。
「追い出されたのか」
「……違う……けど、みんな本心では追い出したかったんだと思う」
コイツも俺と同じなのか。
ガキだったころ。
親に見てもらえず、躍起になっていたあのときの俺に。
思わず鼻で笑ってしまった。
「家族、嫌いか?」
「……嫌いではない」
だけど、その答えだけは俺との決定的な違いだった。
俺は家族が嫌いだ。
俺を見てくれないお父さんも、見て見ぬふりをするお母さんも、俺の話を聞いてくれない夏君も冬美ちゃんも。
そして焦凍……。
みんな、みんな嫌い。
勝手に同類だと決めつけていたけれど、違うならこの女を燃やしちまおうか。
そう思った瞬間、
「嫌いじゃないけど、好きでもない」
女の言葉に心が躍った。
やっぱり同じだ。
それならば、と、
「だったら、俺がその家、燃やしてやろうか」
ちょうど放火する建物を探していたところだしな。
蒼い炎がぱちり、と夜闇を照らした。
その光の先で、女はほんの少しだけ目を見開いていた。
まるで、消えていた心に一瞬だけ火が灯ったように。
「燃やして……」
静かに、でも確かな殺意が込められた声。
それを聞いた瞬間、満足感が胸の奥から湧き上がる。
「そうこなくっちゃ」
俺は不適に笑った。
最初は気紛れだった。
その日の晩、どの建物を放火しようか吟味しているとき、足音が聞こえてきた。
こんな時間、こんな場所で。
気が付いたときには俺を……いや、俺の手元の蒼い炎を見つめる1人の女が立っていた。
目は虚ろで、生気がまるでない。
熱をもたない人形のようだと、そう思った。
とてもじゃないが、俺を追ってきたヒーローには見えない。
「……何やってんだ、こんなとこで」
「……行く場所がなくて。……家にいても、誰も私のことを必要としてくれないから……」
何となく聞いただけだったのに、過去の自分と重なった感覚がして、胸の奥が少しだけざわつく。
「追い出されたのか」
「……違う……けど、みんな本心では追い出したかったんだと思う」
コイツも俺と同じなのか。
ガキだったころ。
親に見てもらえず、躍起になっていたあのときの俺に。
思わず鼻で笑ってしまった。
「家族、嫌いか?」
「……嫌いではない」
だけど、その答えだけは俺との決定的な違いだった。
俺は家族が嫌いだ。
俺を見てくれないお父さんも、見て見ぬふりをするお母さんも、俺の話を聞いてくれない夏君も冬美ちゃんも。
そして焦凍……。
みんな、みんな嫌い。
勝手に同類だと決めつけていたけれど、違うならこの女を燃やしちまおうか。
そう思った瞬間、
「嫌いじゃないけど、好きでもない」
女の言葉に心が躍った。
やっぱり同じだ。
それならば、と、
「だったら、俺がその家、燃やしてやろうか」
ちょうど放火する建物を探していたところだしな。
蒼い炎がぱちり、と夜闇を照らした。
その光の先で、女はほんの少しだけ目を見開いていた。
まるで、消えていた心に一瞬だけ火が灯ったように。
「燃やして……」
静かに、でも確かな殺意が込められた声。
それを聞いた瞬間、満足感が胸の奥から湧き上がる。
「そうこなくっちゃ」
俺は不適に笑った。
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