燃えかす少女と蒼炎の君
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外の空気は思ったよりも冷たかった。
「どこへ行くんですか?」
「……アジト。仲間に●●を紹介する」
「仲間……アジト……」
つまり、私は荼毘に認めてもらえたってことでいいんだよね?
いくつもの廃墟や建物の間をくぐり抜けて進んだ。
道は決して綺麗ではないし、鋪装もされていない。
地面がむき出しでボコボコしている。
ときには人が通っては行けない道なき道も通った。
それでも私は荼毘に置いていかれたくなくて、必死について行った。
やがて、荼毘は薄汚れた鉄扉の前で立ち止まった。
足元のコンクリートには、割れたガラス片や落ち葉が無造作に散らばっている。
「ここだ」
荼毘は何の迷いもなく扉を押し開けた。
中から人の気配がする。
建物の中は薄暗かったけれど、壁に掛けた照明が頼りなく灯っており、確かに人がいることを証明していた。
一歩、また一歩と足を踏み入れる。
そして、荼毘は最奥の扉に手を掛けた。
ギギギッと音を立てて扉はゆっくりと開かれる。
「俺だ」
荼毘は低く告げた。
中で数人がこちらをじっと見つめている。
当たり前だけれど、知っている顔は誰1人いない。
その空気に、思わず私は緊張して足元に視線を落とした。
そんな私の前に、くるくると器用にナイフを回しながら、1人の少女が近づいてくる。
「だれだれー?新入り?」
「えっと……」
初対面なのに人懐っこいその人は、どこかの高校の制服を着ていた。
人のことを言えた義理ではないけれど、こんな子も荼毘と知り合いなのか。
その他にもトカゲのような緑色の肌の人、シルクハットと白い仮面を着けた人、赤い長髪にサングラスを掛けた人がいた。
そして、1人。
全身に人の手を模した装飾をまとった人物は、こちらに一切興味を示さずソファで無関心そうに寝そべっている。
私はどうしたらいいのか分からず、ただ居心地の悪さに立ち尽くすのみ。
そんな私の背中に、荼毘が軽く手を添える。
そして、彼は制服姿の少女に向けて言った。
「トガヒミコ、昨日伝えただろ。保護したヤツを連れてくるって」
保護……。
そうだよね、私なんてしょせんその扱い。
何を期待していたのか。
そんな私の気持ちなど知らず、周りは話を進めていく。
「ああ、荼毘君が言っていたのはその子のことだったんですね。なんだか思っていたよりも弱っちくて、かあーいいねぇ」
「コイツは戦わない。ただ俺の隣にいるだけだ」
と荼毘が釘を刺すと、その瞬間まで興味なさそうにソファに座っていた、全身に手の装飾をつけた彼が、ふいに声を掛けてきた。
「お前、個性は?」
「え、えっと……もらい火、です。特に火が出せるワケでもなく、もしろもらう側と言いますか……」
言葉を選びながらも、正直に答えた。
だって、荼毘がどこまで私のことを話しているのかも分からなかったし、嘘を吐いたところでどうしようもなかったから。
「火……ねぇ」
「まあ、荼毘に合ってるかもな」
「いいと思うわ」
聞いていた人が口々に呟く中、
「私はお友達が欲しいだけだから、アナタが弱っちくても気にしません!だから安心して?」
制服姿の少女……トガヒミコが人懐っこく笑いかけてくれた。
それに少しだけ安心できた。
ひとまず、受け入れてもらえたってことでいいのかな?
手の装飾の彼以外には。
チラリと見ると、彼は鼻を鳴らして気だるげに言った。
「基本的に自由にしとけ。ただしここのルールは守れ。必要以上に目立つな。俺たちを巻き込むな。そうすれば俺たちはお前の存在を否定しない」
その言い方に少しだけプレッシャーを感じながらも、私は小さく、
「……はい」
と答えた。
「話はついたな。じゃあ、そういうことなんで。よろしく」
荼毘は私にだけ聞こえる声で、
「行くぞ」
と耳元で告げる。
それから肩に手を添え、再び来た道を歩き始めた。
「どこへ行くんですか?」
「……アジト。仲間に●●を紹介する」
「仲間……アジト……」
つまり、私は荼毘に認めてもらえたってことでいいんだよね?
いくつもの廃墟や建物の間をくぐり抜けて進んだ。
道は決して綺麗ではないし、鋪装もされていない。
地面がむき出しでボコボコしている。
ときには人が通っては行けない道なき道も通った。
それでも私は荼毘に置いていかれたくなくて、必死について行った。
やがて、荼毘は薄汚れた鉄扉の前で立ち止まった。
足元のコンクリートには、割れたガラス片や落ち葉が無造作に散らばっている。
「ここだ」
荼毘は何の迷いもなく扉を押し開けた。
中から人の気配がする。
建物の中は薄暗かったけれど、壁に掛けた照明が頼りなく灯っており、確かに人がいることを証明していた。
一歩、また一歩と足を踏み入れる。
そして、荼毘は最奥の扉に手を掛けた。
ギギギッと音を立てて扉はゆっくりと開かれる。
「俺だ」
荼毘は低く告げた。
中で数人がこちらをじっと見つめている。
当たり前だけれど、知っている顔は誰1人いない。
その空気に、思わず私は緊張して足元に視線を落とした。
そんな私の前に、くるくると器用にナイフを回しながら、1人の少女が近づいてくる。
「だれだれー?新入り?」
「えっと……」
初対面なのに人懐っこいその人は、どこかの高校の制服を着ていた。
人のことを言えた義理ではないけれど、こんな子も荼毘と知り合いなのか。
その他にもトカゲのような緑色の肌の人、シルクハットと白い仮面を着けた人、赤い長髪にサングラスを掛けた人がいた。
そして、1人。
全身に人の手を模した装飾をまとった人物は、こちらに一切興味を示さずソファで無関心そうに寝そべっている。
私はどうしたらいいのか分からず、ただ居心地の悪さに立ち尽くすのみ。
そんな私の背中に、荼毘が軽く手を添える。
そして、彼は制服姿の少女に向けて言った。
「トガヒミコ、昨日伝えただろ。保護したヤツを連れてくるって」
保護……。
そうだよね、私なんてしょせんその扱い。
何を期待していたのか。
そんな私の気持ちなど知らず、周りは話を進めていく。
「ああ、荼毘君が言っていたのはその子のことだったんですね。なんだか思っていたよりも弱っちくて、かあーいいねぇ」
「コイツは戦わない。ただ俺の隣にいるだけだ」
と荼毘が釘を刺すと、その瞬間まで興味なさそうにソファに座っていた、全身に手の装飾をつけた彼が、ふいに声を掛けてきた。
「お前、個性は?」
「え、えっと……もらい火、です。特に火が出せるワケでもなく、もしろもらう側と言いますか……」
言葉を選びながらも、正直に答えた。
だって、荼毘がどこまで私のことを話しているのかも分からなかったし、嘘を吐いたところでどうしようもなかったから。
「火……ねぇ」
「まあ、荼毘に合ってるかもな」
「いいと思うわ」
聞いていた人が口々に呟く中、
「私はお友達が欲しいだけだから、アナタが弱っちくても気にしません!だから安心して?」
制服姿の少女……トガヒミコが人懐っこく笑いかけてくれた。
それに少しだけ安心できた。
ひとまず、受け入れてもらえたってことでいいのかな?
手の装飾の彼以外には。
チラリと見ると、彼は鼻を鳴らして気だるげに言った。
「基本的に自由にしとけ。ただしここのルールは守れ。必要以上に目立つな。俺たちを巻き込むな。そうすれば俺たちはお前の存在を否定しない」
その言い方に少しだけプレッシャーを感じながらも、私は小さく、
「……はい」
と答えた。
「話はついたな。じゃあ、そういうことなんで。よろしく」
荼毘は私にだけ聞こえる声で、
「行くぞ」
と耳元で告げる。
それから肩に手を添え、再び来た道を歩き始めた。
