燃えかす少女と蒼炎の君
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夜が明ける頃。
朝の冷たい風が、割れた窓ガラスから入り込んできた。
「寒っ」
その寒さで目を覚ました私は、一瞬だけ自分の置かれた状況に戸惑った。
「ここは……」
胸に手を当てると、自身の身体に入っている火に、いつもと違う温かさを感じる。
それによって、昨日起こったことが夢ではないのだと実感させられた。
……そうか、私、昨日……。
荼毘と出会って家を燃やしてもらったんだ。
「……荼毘はどこ?」
辺りを見回しても彼の姿は見当たらない。
別件があると言っていたけれど、いつ戻ってくるのだろうか。
今日?
数日後?
数年後?
もしかしたらこのままずっと戻ってこない考えが脳裏を横切り、急に不安になった。
そんなとき、ドアノブが静かに動いた。
荼毘だ。
「なんだ、起きてたのか」
彼はビニール袋を片手に部屋に入ってきた。
その姿を見れただけで、無意識に安堵している私がいた。
「ほらよ、朝飯買ってきた」
荼毘は転がっていた段ボールの上にコンビニのビニール袋を置いた。
その段ボール、机として使っていたんだ……。
「ありがとう……」
袋の中を覗くと、たくさんのおにぎりとお茶が入っていた。
それを適当に1つ取り出し、頬張る。
美味しい……。
今までは家族の分の朝食を用意し、その様をじっと見ていた。
それから洗い物を済ませて、ようやく私の食べる順番が来る。
1人寂しく自室にこもり、すっかり冷めたご飯は味気なかった。
その時のことを考えると、ただのコンビニのおにぎりなのに、誰かが側にいるだけでこんなにも美味しく感じるなんて。
「食ったら、今日は連れて行くところがある」
「連れて行くところ?」
昨日言っていた別件と関係があるのだろうか。
「ああ……。だが、その前にちゃんと朝飯を食え」
そう言うと、荼毘はビニール袋からもう1つおにぎりを取り出し、私の方に山なりに投げた。
「うぁ、あ……っ」
ワタワタしながらもなんとか受け止めることが出来た。
投げないでよ、そう思いながら荼毘を見ると、彼はお構い無しに、自分の分のおにぎりを食べていた。
……。
…………。
食べ終えたおにぎりのゴミを片付けながら、荼毘が立ち上がる。
「さあ、飯も済ませたし、行くか」
「その前に……」
「なんだよ」
「その……」
火が欲しかった。
だけど、ねだっていいのか分からず、中々言えない。
そんな私の気配を察したのか、荼毘は小さくため息をついて、手招きをした。
「……ああ、ほら来いよ」
近付くと、彼の大きな手が私の手を包む。
すると、手のひらに火が灯った。
身体の奥までじんわり熱が届いて、力がみなぎる感覚。
「……もう大丈夫。ありがとう」
「そうか」
荼毘の手を離すと、彼は今度こそためらいなく廃ビルを出た。
その後ろを、私は追いかけるように歩く。
朝の冷たい風が、割れた窓ガラスから入り込んできた。
「寒っ」
その寒さで目を覚ました私は、一瞬だけ自分の置かれた状況に戸惑った。
「ここは……」
胸に手を当てると、自身の身体に入っている火に、いつもと違う温かさを感じる。
それによって、昨日起こったことが夢ではないのだと実感させられた。
……そうか、私、昨日……。
荼毘と出会って家を燃やしてもらったんだ。
「……荼毘はどこ?」
辺りを見回しても彼の姿は見当たらない。
別件があると言っていたけれど、いつ戻ってくるのだろうか。
今日?
数日後?
数年後?
もしかしたらこのままずっと戻ってこない考えが脳裏を横切り、急に不安になった。
そんなとき、ドアノブが静かに動いた。
荼毘だ。
「なんだ、起きてたのか」
彼はビニール袋を片手に部屋に入ってきた。
その姿を見れただけで、無意識に安堵している私がいた。
「ほらよ、朝飯買ってきた」
荼毘は転がっていた段ボールの上にコンビニのビニール袋を置いた。
その段ボール、机として使っていたんだ……。
「ありがとう……」
袋の中を覗くと、たくさんのおにぎりとお茶が入っていた。
それを適当に1つ取り出し、頬張る。
美味しい……。
今までは家族の分の朝食を用意し、その様をじっと見ていた。
それから洗い物を済ませて、ようやく私の食べる順番が来る。
1人寂しく自室にこもり、すっかり冷めたご飯は味気なかった。
その時のことを考えると、ただのコンビニのおにぎりなのに、誰かが側にいるだけでこんなにも美味しく感じるなんて。
「食ったら、今日は連れて行くところがある」
「連れて行くところ?」
昨日言っていた別件と関係があるのだろうか。
「ああ……。だが、その前にちゃんと朝飯を食え」
そう言うと、荼毘はビニール袋からもう1つおにぎりを取り出し、私の方に山なりに投げた。
「うぁ、あ……っ」
ワタワタしながらもなんとか受け止めることが出来た。
投げないでよ、そう思いながら荼毘を見ると、彼はお構い無しに、自分の分のおにぎりを食べていた。
……。
…………。
食べ終えたおにぎりのゴミを片付けながら、荼毘が立ち上がる。
「さあ、飯も済ませたし、行くか」
「その前に……」
「なんだよ」
「その……」
火が欲しかった。
だけど、ねだっていいのか分からず、中々言えない。
そんな私の気配を察したのか、荼毘は小さくため息をついて、手招きをした。
「……ああ、ほら来いよ」
近付くと、彼の大きな手が私の手を包む。
すると、手のひらに火が灯った。
身体の奥までじんわり熱が届いて、力がみなぎる感覚。
「……もう大丈夫。ありがとう」
「そうか」
荼毘の手を離すと、彼は今度こそためらいなく廃ビルを出た。
その後ろを、私は追いかけるように歩く。
