燃えかす少女と蒼炎の君
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私たちは雑木林へと身を潜めた。
足元の土はしっとりと冷たく、乾いた枝や葉っぱがガサガサと音を立てる。
家からはある程度離れたのに、服に絡み付いた煙の臭いのせいで、まだ近くで燃えているのではないのか、そんな錯覚を起こす。
おまけに、未だにサイレンは鳴り止まないし、飛び回っているヒーロースーツの光がせわしなく揺れている。
「ハァ……ハァ……ッ」
ここまで我慢していたけれど、息が苦しくなってきた。
指先は冷えきり、感覚が麻痺する。
ついには歩けなくなり、とうとう膝をついてしまった。
「おい、どうした」
荼毘の焦るような声が近付く。
放火魔さんでも心配してくれるんだ。
「ごめん、なさい。……ちょっと、力が出なくて……」
掠れた声で説明をした。
「……私、人から火をもらわないと生きていけなくて……。今までずっと……家族から分けてもらってたんだけど……今日は、もらい損ねちゃってて……っ」
自分の言葉が耳の奥で遠ざかっていった。
目の前の闇が、じわりじわりと広がる。
「おい、しっかりしろ!ようやく自由になれたんだろ?お前の人生、これからじゃねぇのか?!」
荼毘の荒い息と悲痛な叫び。
必死に目を開けたけれど、もう声を出す力はなかった。
きっと罰が下ったんだ。
束の間の自由だったけれど、彼にこんなにもよくしてもらえただけで充分。
私は目を閉じようとした。
そのとき、彼の手のひらが、私の手を包んだ。
それと同時に、暖かい何かが流れ込んできた。
「俺の火、やるよ」
体だけでなく、心の中にまで染み込んでくる。
ぽうっと灯るような火。
「……あったかい」
「火をやるなんてやったことねぇけど、こんな感じでいいのか?まだ足りねぇなら、いくらでもくれてやる」
その言葉に、ふっと笑いそうになった。
「ありがとう……。本当に、ありがとう。私なんかのために、火をくれて」
荼毘は少し照れたように目を逸らした。
それでも私の手を離さない。
「他人の火でも、ちゃんと生きてみろよ」
その言葉が胸の奥に残った。
「それって、つまり……」
「これ以上は言わねぇから」
夜の冷たい闇の中、2人の手の間には、蒼くて小さな火がほのかに揺れていた。
足元の土はしっとりと冷たく、乾いた枝や葉っぱがガサガサと音を立てる。
家からはある程度離れたのに、服に絡み付いた煙の臭いのせいで、まだ近くで燃えているのではないのか、そんな錯覚を起こす。
おまけに、未だにサイレンは鳴り止まないし、飛び回っているヒーロースーツの光がせわしなく揺れている。
「ハァ……ハァ……ッ」
ここまで我慢していたけれど、息が苦しくなってきた。
指先は冷えきり、感覚が麻痺する。
ついには歩けなくなり、とうとう膝をついてしまった。
「おい、どうした」
荼毘の焦るような声が近付く。
放火魔さんでも心配してくれるんだ。
「ごめん、なさい。……ちょっと、力が出なくて……」
掠れた声で説明をした。
「……私、人から火をもらわないと生きていけなくて……。今までずっと……家族から分けてもらってたんだけど……今日は、もらい損ねちゃってて……っ」
自分の言葉が耳の奥で遠ざかっていった。
目の前の闇が、じわりじわりと広がる。
「おい、しっかりしろ!ようやく自由になれたんだろ?お前の人生、これからじゃねぇのか?!」
荼毘の荒い息と悲痛な叫び。
必死に目を開けたけれど、もう声を出す力はなかった。
きっと罰が下ったんだ。
束の間の自由だったけれど、彼にこんなにもよくしてもらえただけで充分。
私は目を閉じようとした。
そのとき、彼の手のひらが、私の手を包んだ。
それと同時に、暖かい何かが流れ込んできた。
「俺の火、やるよ」
体だけでなく、心の中にまで染み込んでくる。
ぽうっと灯るような火。
「……あったかい」
「火をやるなんてやったことねぇけど、こんな感じでいいのか?まだ足りねぇなら、いくらでもくれてやる」
その言葉に、ふっと笑いそうになった。
「ありがとう……。本当に、ありがとう。私なんかのために、火をくれて」
荼毘は少し照れたように目を逸らした。
それでも私の手を離さない。
「他人の火でも、ちゃんと生きてみろよ」
その言葉が胸の奥に残った。
「それって、つまり……」
「これ以上は言わねぇから」
夜の冷たい闇の中、2人の手の間には、蒼くて小さな火がほのかに揺れていた。
