うしろの正面だあれ
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ーー荼毘sideーー
いつもの場所であの女を待っていた。
そう言えば名前を知らないな。
別に鞄を引っペ返して身分証を見ることなんて造作もないけれど、そこまでして知りたいとも思わない。
だって飽きたらアイツも燃やすから。
それにしても遅い。
どこで道草食ってんだよ。
少しだけ探すか。
心配している訳じゃないけれど、寒い中野垂れ死にされても気分が悪いから。
すると、夜中だと言うのに公園からゲラゲラと男たちの声が聞こえてきた。
ひょっとして……。
闇に紛れて様子をうかがう。
「ベロベロじゃん」
「どうする?お持ち帰りする?」
「やる気満々じゃん、ウケる~」
ベンチでうたた寝しているあの女の前に、3人の野郎がニヤニヤしながら囲っていた。
「おい」
気が付いたときには俺はそいつらに話しかけていた。
女を助けたいとかではなく、ただ単に下世話な会話が耳障りだったから。
「ああ?」
男の1人がメンチを切ってきた。
あーうぜぇ。
「コイツ、俺の玩具なんだわ。人の物盗るのはダメだって習わなかったか?」
「は?頭おかしいんじゃねーのか?!」
おかしい、か。
「そうかもしれないな」
だけど、うぜぇもんはうぜぇ。
俺は見せしめに男の顔面を鷲掴みにして頭から燃やしてやった。
「あっ、あちぃ!あちぃ!水!誰か!お前ら!」
綺麗な青い炎。
よく燃えるな。
同じ目にあいたくないのか、俺が怖いのか分からないけれど、お仲間さんとやらはジリジリと後ずさっている。
だけど、
「逃がさねぇよ?」
この場にいる奴ら、1人残らず燃え尽くしてやる。
ーーーー
全てを燃やし尽くした後、ベンチでスヤスヤと呑気に寝ている女の隣にドカッと座った。
本当に危機管理が甘い。
「俺がいなかったら今頃犯されてたぞ」
聞こえるはずもないコイツに文句を言う。
「スー……スー……」
「……」
なんか無防備すぎて段々腹が立ってきた。
起こしてやろうか。
「おい起きろ!……おいっ!」
軽く頬を叩くとやっと薄っすら目を開けた。
「ん……っ」
目を擦ってようやく意識がハッキリしたコイツは俺の顔を見るや否や驚いた表情をした。
「私に顔を見られてもいいんですか?」
「ああ?」
「ほら、前に言ったじゃないですか。振り向いたら殺すって。てっきり顔を見られたくないんだと思って……」
そう言えばそんなことを言ったな。
まあ、顔くらいはいいか。
「あー、それか。気まぐれだよ。理由なんてない」
「そうですか」
「それより、明日も仕事なんだろ。送ってくよ、社畜ちゃん」
いつものように家まで送ろうとしたら、
「●●。私の名前」
急に名乗ってきやがった。
「そうかよ」
なんて、素っ気ない態度を取ったけれど、無意識のうちに口角が上がっている自分がいた。
本当に最近の俺はどうしちまったんだよ。
こんな玩具の名前を聞いただけで。
さながら用心棒顔負けだな。
だけど、気が向いたら俺の名前も教えてやるか。
気が向いたらだけどな。
ーーFinーー
いつもの場所であの女を待っていた。
そう言えば名前を知らないな。
別に鞄を引っペ返して身分証を見ることなんて造作もないけれど、そこまでして知りたいとも思わない。
だって飽きたらアイツも燃やすから。
それにしても遅い。
どこで道草食ってんだよ。
少しだけ探すか。
心配している訳じゃないけれど、寒い中野垂れ死にされても気分が悪いから。
すると、夜中だと言うのに公園からゲラゲラと男たちの声が聞こえてきた。
ひょっとして……。
闇に紛れて様子をうかがう。
「ベロベロじゃん」
「どうする?お持ち帰りする?」
「やる気満々じゃん、ウケる~」
ベンチでうたた寝しているあの女の前に、3人の野郎がニヤニヤしながら囲っていた。
「おい」
気が付いたときには俺はそいつらに話しかけていた。
女を助けたいとかではなく、ただ単に下世話な会話が耳障りだったから。
「ああ?」
男の1人がメンチを切ってきた。
あーうぜぇ。
「コイツ、俺の玩具なんだわ。人の物盗るのはダメだって習わなかったか?」
「は?頭おかしいんじゃねーのか?!」
おかしい、か。
「そうかもしれないな」
だけど、うぜぇもんはうぜぇ。
俺は見せしめに男の顔面を鷲掴みにして頭から燃やしてやった。
「あっ、あちぃ!あちぃ!水!誰か!お前ら!」
綺麗な青い炎。
よく燃えるな。
同じ目にあいたくないのか、俺が怖いのか分からないけれど、お仲間さんとやらはジリジリと後ずさっている。
だけど、
「逃がさねぇよ?」
この場にいる奴ら、1人残らず燃え尽くしてやる。
ーーーー
全てを燃やし尽くした後、ベンチでスヤスヤと呑気に寝ている女の隣にドカッと座った。
本当に危機管理が甘い。
「俺がいなかったら今頃犯されてたぞ」
聞こえるはずもないコイツに文句を言う。
「スー……スー……」
「……」
なんか無防備すぎて段々腹が立ってきた。
起こしてやろうか。
「おい起きろ!……おいっ!」
軽く頬を叩くとやっと薄っすら目を開けた。
「ん……っ」
目を擦ってようやく意識がハッキリしたコイツは俺の顔を見るや否や驚いた表情をした。
「私に顔を見られてもいいんですか?」
「ああ?」
「ほら、前に言ったじゃないですか。振り向いたら殺すって。てっきり顔を見られたくないんだと思って……」
そう言えばそんなことを言ったな。
まあ、顔くらいはいいか。
「あー、それか。気まぐれだよ。理由なんてない」
「そうですか」
「それより、明日も仕事なんだろ。送ってくよ、社畜ちゃん」
いつものように家まで送ろうとしたら、
「●●。私の名前」
急に名乗ってきやがった。
「そうかよ」
なんて、素っ気ない態度を取ったけれど、無意識のうちに口角が上がっている自分がいた。
本当に最近の俺はどうしちまったんだよ。
こんな玩具の名前を聞いただけで。
さながら用心棒顔負けだな。
だけど、気が向いたら俺の名前も教えてやるか。
気が向いたらだけどな。
ーーFinーー