うしろの正面だあれ
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今日はいつもより早く仕事が終わった。
こんな時間でもストーカーさんは待っていてくれているのだろうか。
って、なんで私はストーカーさんの心配をしているのよ。
「お疲れ様です。お先に失礼します」
まだ仕事をしている先輩に挨拶を済ませると、
「お疲れー。そう言えばまた放火魔が出たらしいから、気を付けてね。確か◯◯さんの家の方向だったから」
なんて物騒な忠告をされた。
「ありがとうございます」
職場を出た後にスマホでニュース速報を見ると、確かに私の家の近くだった。
本当に住みにくい世の中になったものだ。
いつもより早歩きで帰ることにした。
住宅地へ入ると、後ろから話しかけられた。
「今仕事終わり?相変わらず社畜だな」
ストーカーさんだ。
この人は暇なのだろうか。
「いつもよりは早いですよ」
「ふーん……。もっと早く帰れるように、職場を燃やしてやろうか?」
「な、なんてことを!?」
私は約束を忘れてうっかり振り向きそうになった。
それにしても、今燃やすって言った?
このストーカーさんの個性って可燃性のものなのだろうか。
……ひょっとして、本当にこのストーカーさんが放火魔………。
だから私に目撃されたと勘違いして探りを入れている、とか。
いやいや、平気で放火を繰り返す人なら、そんな回りくどいことをせずに殺すだろう。
それをしないってことはやっぱりただのストーカー。
実際に誰が放火したかなんて見ていないし、燃え始めてからのことしか知らない。
「冗談でも笑えませんよ」
それにしても寒い……。
めっきり冷えてきたな。
明日からは上着を用意しないと。
「はぁ〜」
私は手に息を吹き掛けて温めた。
当たり前だけど全然温かくならない。
すると、後ろからにゅっとストーカーさんの手が出てきたかと思えば、いきなり私の手を掴んできた。
「!?」
火傷なのか爛れたような、ケロイド質でツルツルしたような、そんな肌触り。
ひょっとして燃やされる?
思わずぎゅっと目を閉じたけれど、一向にそんな気配がない。
それどころか掴まれた手にホカホカと温かさを感じた。
「熱くないか」
「え、あ、はい……」
「そ、良かった」
もしかして温めようとしてくれた?
本当に可燃性の個性だったんだ。
こんな使い方の個性なら可燃性でも悪くないと思った。
こんな時間でもストーカーさんは待っていてくれているのだろうか。
って、なんで私はストーカーさんの心配をしているのよ。
「お疲れ様です。お先に失礼します」
まだ仕事をしている先輩に挨拶を済ませると、
「お疲れー。そう言えばまた放火魔が出たらしいから、気を付けてね。確か◯◯さんの家の方向だったから」
なんて物騒な忠告をされた。
「ありがとうございます」
職場を出た後にスマホでニュース速報を見ると、確かに私の家の近くだった。
本当に住みにくい世の中になったものだ。
いつもより早歩きで帰ることにした。
住宅地へ入ると、後ろから話しかけられた。
「今仕事終わり?相変わらず社畜だな」
ストーカーさんだ。
この人は暇なのだろうか。
「いつもよりは早いですよ」
「ふーん……。もっと早く帰れるように、職場を燃やしてやろうか?」
「な、なんてことを!?」
私は約束を忘れてうっかり振り向きそうになった。
それにしても、今燃やすって言った?
このストーカーさんの個性って可燃性のものなのだろうか。
……ひょっとして、本当にこのストーカーさんが放火魔………。
だから私に目撃されたと勘違いして探りを入れている、とか。
いやいや、平気で放火を繰り返す人なら、そんな回りくどいことをせずに殺すだろう。
それをしないってことはやっぱりただのストーカー。
実際に誰が放火したかなんて見ていないし、燃え始めてからのことしか知らない。
「冗談でも笑えませんよ」
それにしても寒い……。
めっきり冷えてきたな。
明日からは上着を用意しないと。
「はぁ〜」
私は手に息を吹き掛けて温めた。
当たり前だけど全然温かくならない。
すると、後ろからにゅっとストーカーさんの手が出てきたかと思えば、いきなり私の手を掴んできた。
「!?」
火傷なのか爛れたような、ケロイド質でツルツルしたような、そんな肌触り。
ひょっとして燃やされる?
思わずぎゅっと目を閉じたけれど、一向にそんな気配がない。
それどころか掴まれた手にホカホカと温かさを感じた。
「熱くないか」
「え、あ、はい……」
「そ、良かった」
もしかして温めようとしてくれた?
本当に可燃性の個性だったんだ。
こんな使い方の個性なら可燃性でも悪くないと思った。