うしろの正面だあれ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ーー荼毘sideーー
最近ムシャクシャすることが多い。
その度に燃やす家を探した。
立派な家、裕福そうな家、幸せような家。
すると決まって見かける1人の女。
たまたまなのか、俺の行動を探っているのか。
その日も家を燃やしていると思ったより早く通報されたようで、次々と消防車が到着した。
警戒しながら現場から離れると、あの女を見かけた。
やはりあの女、只者じゃない。
今周辺をウロウロすると、徘徊しているサツに捕まる可能性がある。
接触するなら明日だ。
ーーーー
翌日、よく女を見かける場所で待った。
すると、ほどなくして女が来た。
直ぐに殺してもよかったが、なんとなく興味本位で後を付けることに。
「……」
女はしきりに後ろを気にしながら足を速めたり遅くしたりした。
どうやら後を付けられていることに気が付いたようだ。
まあ、あえてそうしている節もあるが、特に誰かに連絡したり反撃する素振りを見せない。
あくびが出そうになるほど何も起こらない。
なんか、後をつけるのも飽きた。
そろそろ殺してやろうか。
そんなとき、女は足を止めた。
「あの……」
覇気のない声。
こんなやつがヒーローと内通しているはずがない。
だけど念の為に顔を見られないように脅した。
「振り向いたら殺す」
「!?」
女は声にならない小さな悲鳴を上げた。
さて、俺を探っているのではないと分かった今、コイツを生かしておく必要もなくなった。
だけど、じゃあ、なんでいつもこんな時間に……。
「お前、なんでいつもこんな時間に歩いているんだ」
深い意味なんてない。
ただ聞いてみたくなった。
「しゃ、社畜なので……」
あー、そういうことか。
せっせと世の中の歯車になってご苦労なこった。
そう思うと急に女が不憫に思えた。
今日のところは生かしてやろう。
「ふーん。まっ、気を付けて帰るんだな。最近は放火魔がいるらしいから」
その放火魔って言うのは俺のことなんだけど。
「あ、はい。ありがとうございます」
それなのに、バカ正直にお礼を言う女。
コイツ、俺が殺さなくてもそのうち他の奴らに殺されそう。
それほど危機管理が甘かった。
「……」
呆れて返す言葉がない。
なんか、バカバカしくなってきた。
帰ろう。
俺は静かにその場を離れた。
最近ムシャクシャすることが多い。
その度に燃やす家を探した。
立派な家、裕福そうな家、幸せような家。
すると決まって見かける1人の女。
たまたまなのか、俺の行動を探っているのか。
その日も家を燃やしていると思ったより早く通報されたようで、次々と消防車が到着した。
警戒しながら現場から離れると、あの女を見かけた。
やはりあの女、只者じゃない。
今周辺をウロウロすると、徘徊しているサツに捕まる可能性がある。
接触するなら明日だ。
ーーーー
翌日、よく女を見かける場所で待った。
すると、ほどなくして女が来た。
直ぐに殺してもよかったが、なんとなく興味本位で後を付けることに。
「……」
女はしきりに後ろを気にしながら足を速めたり遅くしたりした。
どうやら後を付けられていることに気が付いたようだ。
まあ、あえてそうしている節もあるが、特に誰かに連絡したり反撃する素振りを見せない。
あくびが出そうになるほど何も起こらない。
なんか、後をつけるのも飽きた。
そろそろ殺してやろうか。
そんなとき、女は足を止めた。
「あの……」
覇気のない声。
こんなやつがヒーローと内通しているはずがない。
だけど念の為に顔を見られないように脅した。
「振り向いたら殺す」
「!?」
女は声にならない小さな悲鳴を上げた。
さて、俺を探っているのではないと分かった今、コイツを生かしておく必要もなくなった。
だけど、じゃあ、なんでいつもこんな時間に……。
「お前、なんでいつもこんな時間に歩いているんだ」
深い意味なんてない。
ただ聞いてみたくなった。
「しゃ、社畜なので……」
あー、そういうことか。
せっせと世の中の歯車になってご苦労なこった。
そう思うと急に女が不憫に思えた。
今日のところは生かしてやろう。
「ふーん。まっ、気を付けて帰るんだな。最近は放火魔がいるらしいから」
その放火魔って言うのは俺のことなんだけど。
「あ、はい。ありがとうございます」
それなのに、バカ正直にお礼を言う女。
コイツ、俺が殺さなくてもそのうち他の奴らに殺されそう。
それほど危機管理が甘かった。
「……」
呆れて返す言葉がない。
なんか、バカバカしくなってきた。
帰ろう。
俺は静かにその場を離れた。