電車の君
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3年生は授業とは別に強制参加の補習が授業後にある。
ありがたい受験勉強の強化だそう。
だけど今日は補習時間が押して、いつもより遅い時間に終わった。
「は~やっと終わった!」
「疲れたね」
「私たち今日一日頑張ったよ」
ミサコとお互いに労いながら帰宅しようと校門をくぐると、
「あれ、うちの車だ」
どうやら帰りが遅いミサコを心配したお母さんが迎えにきてくれたようだ。
「●●も乗ってって!」
「あーちょっと寄り道したいから、私は大丈夫」
「そう?」
「うん、また明日ね」
車に乗っていったミサコに手を振り別れた。
寄り道なんて嘘。
帰りの電車で西谷君と会わないかな、なんて思って断った。
パスケースを拾ってもらったときはテスト期間だったからで、普段は朝は会えても帰りは会えない。
多分部活が遅い時間までやっているからだ。
だから今日なら………そんな淡い期待を込めて駅へと向かった。
ーーーー
期待は見事に外れ、私は人のいないホームで電車を待った。
こうなるならミサコの家の車に乗せてもらえばよかった。
帰宅ラッシュを過ぎれば中々電車が来ない。
あと15分か……。
私はホームに設置されているベンチに腰掛けてなんとなく西谷君にメッセージを打ち込んだ。
“今駅だけど、もう帰っちゃった?”
送信っと。
すると、同時に着信音が聞こえて来た。
振り向くとそこには西谷君と田中君の姿が。
「◯◯さんじゃないっすか。久しぶりっす」
「こんな時間なんて珍しいっすね」
「あ、うん」
会いたいと思っていた人が目の前にいて、驚いて素っ気ない返事しかできなかった。
心の中では、やっぱり車を断ってよかったーなんて手の平を返したように喜んでいるのに。
「二人ともこんな遅くまで部活お疲れ様」
「そうなんすよ。もうノヤさんが────」
「それは龍が───」
私の“部活”と言う単語をきっかけに二人が私には分からない話を始めた。
楽しそう………。
特に普段私とは敬語を話している西谷君が、田中君の前ではあんなにフランクで喋っている。
下の名前どころかであだ名で呼び合っているし。
それだけ仲が良くて、近い存在なんだ。
今の私にこんな接し方はしてくれないだろうな……。
「田中君、いいな……」
「◯◯さん?!」
「あ、ごめん。その………田中君とは付き合いが長いんだっけ?」
「いや、龍とは高校から一緒っすけど、お互いバレーはずっとやってたんで、それで仲は良いですね」
「やっぱりいいな……」
私も西谷君と下の名前で呼び合って、フランクに話せればいいのに。
途中まで一緒に帰れる、と嬉しかったのにいつの間にか田中君に対して嫉妬心が生まれていた。
ああ、私って嫉妬するほど西谷君のことが好きになっていのか。
ありがたい受験勉強の強化だそう。
だけど今日は補習時間が押して、いつもより遅い時間に終わった。
「は~やっと終わった!」
「疲れたね」
「私たち今日一日頑張ったよ」
ミサコとお互いに労いながら帰宅しようと校門をくぐると、
「あれ、うちの車だ」
どうやら帰りが遅いミサコを心配したお母さんが迎えにきてくれたようだ。
「●●も乗ってって!」
「あーちょっと寄り道したいから、私は大丈夫」
「そう?」
「うん、また明日ね」
車に乗っていったミサコに手を振り別れた。
寄り道なんて嘘。
帰りの電車で西谷君と会わないかな、なんて思って断った。
パスケースを拾ってもらったときはテスト期間だったからで、普段は朝は会えても帰りは会えない。
多分部活が遅い時間までやっているからだ。
だから今日なら………そんな淡い期待を込めて駅へと向かった。
ーーーー
期待は見事に外れ、私は人のいないホームで電車を待った。
こうなるならミサコの家の車に乗せてもらえばよかった。
帰宅ラッシュを過ぎれば中々電車が来ない。
あと15分か……。
私はホームに設置されているベンチに腰掛けてなんとなく西谷君にメッセージを打ち込んだ。
“今駅だけど、もう帰っちゃった?”
送信っと。
すると、同時に着信音が聞こえて来た。
振り向くとそこには西谷君と田中君の姿が。
「◯◯さんじゃないっすか。久しぶりっす」
「こんな時間なんて珍しいっすね」
「あ、うん」
会いたいと思っていた人が目の前にいて、驚いて素っ気ない返事しかできなかった。
心の中では、やっぱり車を断ってよかったーなんて手の平を返したように喜んでいるのに。
「二人ともこんな遅くまで部活お疲れ様」
「そうなんすよ。もうノヤさんが────」
「それは龍が───」
私の“部活”と言う単語をきっかけに二人が私には分からない話を始めた。
楽しそう………。
特に普段私とは敬語を話している西谷君が、田中君の前ではあんなにフランクで喋っている。
下の名前どころかであだ名で呼び合っているし。
それだけ仲が良くて、近い存在なんだ。
今の私にこんな接し方はしてくれないだろうな……。
「田中君、いいな……」
「◯◯さん?!」
「あ、ごめん。その………田中君とは付き合いが長いんだっけ?」
「いや、龍とは高校から一緒っすけど、お互いバレーはずっとやってたんで、それで仲は良いですね」
「やっぱりいいな……」
私も西谷君と下の名前で呼び合って、フランクに話せればいいのに。
途中まで一緒に帰れる、と嬉しかったのにいつの間にか田中君に対して嫉妬心が生まれていた。
ああ、私って嫉妬するほど西谷君のことが好きになっていのか。