電車の君
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~電車の君~
ない、ない、なーい!
絶体絶命のピンチ。
遡ること10分前─────…………。
学校が終わり、友達のミサコと一緒に帰っているときのこと。
「今日は早く帰れてラッキー」
「テスト期間だから手放しに喜べないけどね」
ルンルンと音が聞こえてきそうなミサコに水を差すようなことを言う私。
「それでもいいのー!彼氏の学校もテスト期間だから、この後一緒に勉強する約束してるから!」
なるほど、どうりで朝から機嫌が良かった訳だ。
ミサコの彼氏は他校だし部活が忙しくて中々会えないと言っていた。
だから会う理由がテスト勉強でも嬉しいみたい。
確か彼氏さん、烏野高校だっけ?
喋っていると、あっという間に駅に着いた。
定期を取り出そうとしたら、鞄に付けていたパスケースの紐が千切れていた。
「え………」
「どうしたの、●●?」
「パスケース落とした」
「え、大変じゃん!一緒に探すよ」
そう言って一度改札を潜ったミサコがこちらへ戻って来ようとしたけど、
「悪いからいいよ、先に帰って」
と、止めた。
だって、せっかく彼氏と会う時間をこんなことで奪いたくないから。
「そう?じゃあ帰るけど、助けがいるようなら連絡してね」
「うん、ありがとう」
ミサコに手を振り別れた後、学校へ戻ることにした。
直ぐに見つかればいいけど……。
草木が生い茂った道はそこまで通っていないし、もしかして側溝に落ちて流されたとか………は考えるのを止めよう。
………だけど、ほとんど学校まで戻ったけど見つからず、今に至る
もしかしたら優しい人が拾って駅に届けてくれているかもしれない。
その可能性にかけて、駅に向かうことにした。
一応辺りをキョロキョロ探しながら。
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