スマホの休日
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ーーおまけ(角名side)ーー
最悪だ。
部活の休憩時間、スマホを片手にネットニュースをぼんやりと眺めていた。
そのとき、不意に侑の大声が体育館に響いた。
「おい! 角名!」
「!?」
その瞬間、手が滑った。
スマホはゆっくりと宙を舞ったかと思えば、鈍い音を立てて床に叩きつけられた。
床に転がったスマホ画面は、派手にひび割れている。
「あ……」
「うわー!派手にやったな!」
侑は口を大きく開けてゲラゲラ笑う。
「角名もドジなところがあるんやな!」
……侑が急に大声で話しかけるからだろ。
喉元まで出かかった言葉を、ぐっと飲み込む。
だって、最終的に落としたのは自分だから仕方ない。
それでも沈んだ気持ちは隠せなかった。
落としたスマホを拾い上げて電源ボタンを押すと、うんともすんとも言わない。
「はぁ……最悪」
すぐさまスマホショップに駆け込みたかったけど、そのために部活をサボろうものなら、確実に北さんに叱られる。
かと言って、部活が終わる頃には店も閉まっている。
次の休みの日まで我慢しなければならない。
その事実に、なんとも言えないもどかしさを感じていた。
こうして、翌日から俺のスマホなし生活が始まった。
ーーーー
教室に入るも、やることがなくて、手持ち無沙汰さにうんざりする。
授業に向けて予習する気もないし、誰かと会話したい気分でもない。
仕方がなく、クラスメイトの観察をすることにした。
男子たちは大声でふざけ合い、女子の一部は鏡を見ながら化粧直しをしている。
そんな中、ふと、1人の女子生徒の姿が目に入った。
◯◯●●さん。
特に接点もなく、まともに話したこともない彼女。
なんとなく目で追ってみると、彼女は忙しそうに動き回っていた。
花瓶の水を替えたり、係でもないのに黒板を綺麗にしたり。
あんなの、他の人に任せればいいのに。
ほら、そのせいで黒板の粉を吸って咳き込んでいる。
涙目になっている彼女と目が合って、思わず笑ってしまった。
その後も返却ノートを配るために席を回る◯◯さん。
試しに、
「ありがとう」
と言ってみると、彼女は驚いた顔をしていた。
なんでそんな顔をするの?
感謝されたくてしているワケじゃないのか。
人の善意には裏があると思っていたのに、意外だった。
極めつけには、誰も気にも留めていない掲示板の画鋲を留め直し始めた。
◯◯さんは達成感に満ち溢れた顔をしていた。
こんなに彼女が気配りができる人だったなんて。
おそらく、スマホばかり触ってたら気付かなかった。
たまにはお礼でも言ってみるか。
ノートを配っていたときみたいな、適当な言い方じゃなくて。
ちゃんと目を見て。
後日、少しだけ勇気を出して、◯◯さんに声をかける自分がいた。
最悪だ。
部活の休憩時間、スマホを片手にネットニュースをぼんやりと眺めていた。
そのとき、不意に侑の大声が体育館に響いた。
「おい! 角名!」
「!?」
その瞬間、手が滑った。
スマホはゆっくりと宙を舞ったかと思えば、鈍い音を立てて床に叩きつけられた。
床に転がったスマホ画面は、派手にひび割れている。
「あ……」
「うわー!派手にやったな!」
侑は口を大きく開けてゲラゲラ笑う。
「角名もドジなところがあるんやな!」
……侑が急に大声で話しかけるからだろ。
喉元まで出かかった言葉を、ぐっと飲み込む。
だって、最終的に落としたのは自分だから仕方ない。
それでも沈んだ気持ちは隠せなかった。
落としたスマホを拾い上げて電源ボタンを押すと、うんともすんとも言わない。
「はぁ……最悪」
すぐさまスマホショップに駆け込みたかったけど、そのために部活をサボろうものなら、確実に北さんに叱られる。
かと言って、部活が終わる頃には店も閉まっている。
次の休みの日まで我慢しなければならない。
その事実に、なんとも言えないもどかしさを感じていた。
こうして、翌日から俺のスマホなし生活が始まった。
ーーーー
教室に入るも、やることがなくて、手持ち無沙汰さにうんざりする。
授業に向けて予習する気もないし、誰かと会話したい気分でもない。
仕方がなく、クラスメイトの観察をすることにした。
男子たちは大声でふざけ合い、女子の一部は鏡を見ながら化粧直しをしている。
そんな中、ふと、1人の女子生徒の姿が目に入った。
◯◯●●さん。
特に接点もなく、まともに話したこともない彼女。
なんとなく目で追ってみると、彼女は忙しそうに動き回っていた。
花瓶の水を替えたり、係でもないのに黒板を綺麗にしたり。
あんなの、他の人に任せればいいのに。
ほら、そのせいで黒板の粉を吸って咳き込んでいる。
涙目になっている彼女と目が合って、思わず笑ってしまった。
その後も返却ノートを配るために席を回る◯◯さん。
試しに、
「ありがとう」
と言ってみると、彼女は驚いた顔をしていた。
なんでそんな顔をするの?
感謝されたくてしているワケじゃないのか。
人の善意には裏があると思っていたのに、意外だった。
極めつけには、誰も気にも留めていない掲示板の画鋲を留め直し始めた。
◯◯さんは達成感に満ち溢れた顔をしていた。
こんなに彼女が気配りができる人だったなんて。
おそらく、スマホばかり触ってたら気付かなかった。
たまにはお礼でも言ってみるか。
ノートを配っていたときみたいな、適当な言い方じゃなくて。
ちゃんと目を見て。
後日、少しだけ勇気を出して、◯◯さんに声をかける自分がいた。
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