持つべきものは
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行き着いた先は体育館の裏。
コンクリートの段差に腰掛けると、お尻は少しひんやりするけれど、夏には心地よく感じるだろう。
それに雨避けもあるし、意外と風通しも良い。
おまけにときたま誰かが体育館で遊んでいるのか、ボールの音を聞きながら食べるお弁当は悪くなかった。
今日も、いつものように体育館から聞こえてくるボールの音をBGMにして手作りのお弁当を広げる。
誰に見せるでもないパッとしないお弁当。
それでも味は……うん、美味しい。
だけど、たまには誰かとお喋りをしながら食べたい。
そんな本音をお弁当と一緒に飲み込んでいたけれど、
「はぁ〜……なんかエラいな」
今日はため息混じりに呟くと、 突然私の頭上に影がさした。
驚いて顔を上げれば、そこには1人の男子生徒が覗き込んでいる。
サイドに癖のある独特な横髪とセンター分け、涼しげな切れ長の瞳の彼は私を見下ろすように立っていた。
彼は確か……同じクラスの角名倫太郎君……だったかな。
どうやら体育館を使っていた生徒のようだ。
そんな彼が言った。
「今の、名古屋弁?」
「え?」
どれが?
もしかして“エラい”ってそうなの?
「“偉い”じゃなくて“しんどい”って意味でしょ」
「あ、うん。そうだけど……」
そうか、普通は“偉い”なのか。
気を付けないと。
なんだか気まずくなって、そそくさと広げていたお弁当箱を片付けていると、隣に彼が座ってきた。
「懐かしい」
「?」
何が懐かしいんだろうか。
疑問に思っていると、答えはすぐに分かった。
「俺も愛知出身なんだよね」
「そうなの?!」
「うん」
1度も話したことがなかったけれど、その言葉に一気に親近感が湧いた。
「お昼はいつもここで?」
「大抵はね。教室だとなんか落ち着かなくて……あはは」
仲間外れにされているなんて言えず、言葉を濁しつつ苦笑いをする。
「そっか……じゃあ、俺もここで食べようかな。たまには地元トークしたいし」
「地元トーク……」
「ダメ……かな?」
イケメンの上目遣いに抗える人などいるのだろうか。
「ううん!ダメなわけない!嬉しい!」
思わず声が弾んだ。
私の返事に彼は嬉しそうに笑う。
入学して1ヶ月。
初めてのお友達ができた。
コンクリートの段差に腰掛けると、お尻は少しひんやりするけれど、夏には心地よく感じるだろう。
それに雨避けもあるし、意外と風通しも良い。
おまけにときたま誰かが体育館で遊んでいるのか、ボールの音を聞きながら食べるお弁当は悪くなかった。
今日も、いつものように体育館から聞こえてくるボールの音をBGMにして手作りのお弁当を広げる。
誰に見せるでもないパッとしないお弁当。
それでも味は……うん、美味しい。
だけど、たまには誰かとお喋りをしながら食べたい。
そんな本音をお弁当と一緒に飲み込んでいたけれど、
「はぁ〜……なんかエラいな」
今日はため息混じりに呟くと、 突然私の頭上に影がさした。
驚いて顔を上げれば、そこには1人の男子生徒が覗き込んでいる。
サイドに癖のある独特な横髪とセンター分け、涼しげな切れ長の瞳の彼は私を見下ろすように立っていた。
彼は確か……同じクラスの角名倫太郎君……だったかな。
どうやら体育館を使っていた生徒のようだ。
そんな彼が言った。
「今の、名古屋弁?」
「え?」
どれが?
もしかして“エラい”ってそうなの?
「“偉い”じゃなくて“しんどい”って意味でしょ」
「あ、うん。そうだけど……」
そうか、普通は“偉い”なのか。
気を付けないと。
なんだか気まずくなって、そそくさと広げていたお弁当箱を片付けていると、隣に彼が座ってきた。
「懐かしい」
「?」
何が懐かしいんだろうか。
疑問に思っていると、答えはすぐに分かった。
「俺も愛知出身なんだよね」
「そうなの?!」
「うん」
1度も話したことがなかったけれど、その言葉に一気に親近感が湧いた。
「お昼はいつもここで?」
「大抵はね。教室だとなんか落ち着かなくて……あはは」
仲間外れにされているなんて言えず、言葉を濁しつつ苦笑いをする。
「そっか……じゃあ、俺もここで食べようかな。たまには地元トークしたいし」
「地元トーク……」
「ダメ……かな?」
イケメンの上目遣いに抗える人などいるのだろうか。
「ううん!ダメなわけない!嬉しい!」
思わず声が弾んだ。
私の返事に彼は嬉しそうに笑う。
入学して1ヶ月。
初めてのお友達ができた。
