地味でごめん
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リエーフはモニターを確認するも、
「なんでもない」
と、戻ってきた。
何でもないなんてことがあるの?
さっきから物凄くインターフォン鳴らされているのに。
「出た方がいいんじゃない?」
リエーフはため息一つ吐き、渋々玄関へ向かった。
ドアを開けた瞬間、
「やっと開けたわね!この間の写真集ができたから持ってきたのに!」
なんて、リビングにいても聞こえてきた大きな声。
口調は女性らしいのに、声が男性。
カメラマンさんかマネージャーさん、それとも出版社の人?
「わーありがとうございます」
お礼を言いつつもどこか棒読みのリエーフ。
「………来てるんでしょ?」
「?」
「誤魔化したってダメ。ほら女性物の靴があるじゃない。お邪魔しまーす」
「ちょっ!磯山さん!」
「噂の●●ちゃん、いるんでしょー?」
ズンズンと廊下を歩く音が近づいたと思いきや、呼ばれた名前。
噂って何?
リエーフ、職場で何喋っているのよ。
ガチャっとリビングのドアが開く。
リエーフに磯山さんと呼ばれたその人は女性っぽい容姿のオシャレな男性。
その後ろに嫌そうな顔をしているリエーフ。
取りあえず挨拶した方がいいよね?
「こ、こんばんは」
「は?コレがそうなの?アナタなら選り好みできるでしょ!よりによってこんな地味な!」
なぜ私は開幕罵倒を浴びせられているのだろうか。
確かに地味女だけど。
「ご、ごめんなさい」
貶されているのはこちらのはずなのに、圧倒されて謝ってしまった。
「黙って、それ以上言うと怒ります」
静かなトーンで制するリエーフ。
これは本気で怒っているやつ。
だけど、磯山さんは全く動じなかった。
むしろ興奮気味に、
「最高!今の顔カメラに収めたかったわ!」
なんて、悠長なことを言っている。
カメラマンさんなのかな?
「取りあえず今日はもう帰って下さい」
「え~また来るからね!絶対に!」
はいはい、と受け流しながらリエーフは磯山さんを追い出した。
あのテンションに圧倒されちゃったけど、やっぱりモデル業界の人から見ても私は地味なのよね。へこむ。
「すみません、●●さん」
「ううん、私もそろそろお暇するね」
じゃないと泣き顔を見せてしまいそうだから。
「待って!」
私の腕を掴むリエーフ。
「離して?」
「離さない………●●さん、磯山さんの言ったこと気にしてる?」
「全然、全く。だって本当のことだもん」
リエーフは私のことを好きだと言ってくれたけど、やっぱり付き合うことなんてできない。
「こっち向いて……」
「……」
「向いてよ……」
弱々しい声に負けて振り向いてしまった。
「涙……」
我慢していた涙がいつの間にか溢れていたのか、リエーフはそっと袖で拭ってから話し始めた。
「●●さん、俺のことモデルだからとか未成年だからとか一度抜きにして、一人の男としてどう思っているのか教えて下さい」
真剣な眼差しのリエーフ。
そんなの決まっている。初めて会ったときから、
「好き………リエーフのことが好きっ!」
ああ、言ってしまった。
4年間我慢していた思いを、ついに口にしてしまった。
涙がボロボロと流れる私に対して、リエーフは微笑んで私を優しく抱き締めた。
ーーFinーー
「なんでもない」
と、戻ってきた。
何でもないなんてことがあるの?
さっきから物凄くインターフォン鳴らされているのに。
「出た方がいいんじゃない?」
リエーフはため息一つ吐き、渋々玄関へ向かった。
ドアを開けた瞬間、
「やっと開けたわね!この間の写真集ができたから持ってきたのに!」
なんて、リビングにいても聞こえてきた大きな声。
口調は女性らしいのに、声が男性。
カメラマンさんかマネージャーさん、それとも出版社の人?
「わーありがとうございます」
お礼を言いつつもどこか棒読みのリエーフ。
「………来てるんでしょ?」
「?」
「誤魔化したってダメ。ほら女性物の靴があるじゃない。お邪魔しまーす」
「ちょっ!磯山さん!」
「噂の●●ちゃん、いるんでしょー?」
ズンズンと廊下を歩く音が近づいたと思いきや、呼ばれた名前。
噂って何?
リエーフ、職場で何喋っているのよ。
ガチャっとリビングのドアが開く。
リエーフに磯山さんと呼ばれたその人は女性っぽい容姿のオシャレな男性。
その後ろに嫌そうな顔をしているリエーフ。
取りあえず挨拶した方がいいよね?
「こ、こんばんは」
「は?コレがそうなの?アナタなら選り好みできるでしょ!よりによってこんな地味な!」
なぜ私は開幕罵倒を浴びせられているのだろうか。
確かに地味女だけど。
「ご、ごめんなさい」
貶されているのはこちらのはずなのに、圧倒されて謝ってしまった。
「黙って、それ以上言うと怒ります」
静かなトーンで制するリエーフ。
これは本気で怒っているやつ。
だけど、磯山さんは全く動じなかった。
むしろ興奮気味に、
「最高!今の顔カメラに収めたかったわ!」
なんて、悠長なことを言っている。
カメラマンさんなのかな?
「取りあえず今日はもう帰って下さい」
「え~また来るからね!絶対に!」
はいはい、と受け流しながらリエーフは磯山さんを追い出した。
あのテンションに圧倒されちゃったけど、やっぱりモデル業界の人から見ても私は地味なのよね。へこむ。
「すみません、●●さん」
「ううん、私もそろそろお暇するね」
じゃないと泣き顔を見せてしまいそうだから。
「待って!」
私の腕を掴むリエーフ。
「離して?」
「離さない………●●さん、磯山さんの言ったこと気にしてる?」
「全然、全く。だって本当のことだもん」
リエーフは私のことを好きだと言ってくれたけど、やっぱり付き合うことなんてできない。
「こっち向いて……」
「……」
「向いてよ……」
弱々しい声に負けて振り向いてしまった。
「涙……」
我慢していた涙がいつの間にか溢れていたのか、リエーフはそっと袖で拭ってから話し始めた。
「●●さん、俺のことモデルだからとか未成年だからとか一度抜きにして、一人の男としてどう思っているのか教えて下さい」
真剣な眼差しのリエーフ。
そんなの決まっている。初めて会ったときから、
「好き………リエーフのことが好きっ!」
ああ、言ってしまった。
4年間我慢していた思いを、ついに口にしてしまった。
涙がボロボロと流れる私に対して、リエーフは微笑んで私を優しく抱き締めた。
ーーFinーー