地味でごめん
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ーーおまけ③(アリサside)ーー
今からおよそ7年前のこと。
「灰羽アリサです。皆さん仲良くしてくださいね」
何故でしょう。
高校1年生の始めての自己紹介。
男性陣は黄色い声を上げてくれるのに、女性陣の反応がイマイチ。
ヒソヒソ話をしていたり、睨み付けてきたり、後は興味ないのか窓の外をずっと見ている子。
だけど、心配も杞憂に終わった。
「ねえ、灰羽さんってハーフなの?」
早速クラスメイトの女の子たちが話しかけてくれた。
「はい、日本とロシアのハーフです」
「ふーん。よかったらさ、近々親睦会兼ねてご飯に行こうって話になっているんだけど、灰羽さんも来ない?」
「いいの?是非行きたいです」
誘って下さった方たちの髪の毛も色が明るいけど、私と同じどこかのハーフかしら。
どちらにせよ、楽しみ。
そう言えば、あの子も来るのかな?私が自己紹介をしたときにずっと窓の外を見ていた………◯◯さん、だっけ?
ーーーー
よくあるファミレスで集まった男女合わせて8人。
てっきり女の子だけの集まりかと思ったら男の子もいるのね。
しかも、知らない顔ぶれ。クラス以外の男の子。
そして、◯◯さんもいないし。
「アリサちゃん可愛いね!」
「ありがとうございます、よく言われます」
「もータクマったら、灰羽さんばっかり構って!こっちの相手もしてよ!」
私に話しかけてくれる男の子は次々と他の女の子の元へと行き、結局誰ともまともに話しができずに親睦会は終わった。
つまらなかったなー。
でも、初めての親睦会だし、こんなものなのかしら。
翌日、教室に入ると昨日誘ってくれた女の子たちはあからさまに私を避けている気がする。
「サオリさん、おはようございます」
「……………あ、ユリアおはよー!」
私が挨拶したのに、気づかなかったのか後から教室に入ってきたユリアさんの元に行くサオリさん。
何かしたかしら、そう思ったけど理由はすぐに分かった。
お手洗いに行こうとしたら私のことを話している女の子たち。
私は咄嗟に隠れて様子を見た。
「灰羽さん連れていくと、男子みんながそっちに行っちゃうから、今度から誘うの止めようよ」
「本当だね。本人は天然なのかあざといのか、避けられていることにも気付いていないし、そのうち空気読めないこと言うよ、あの子」
そうか、意図的に避けられていたのね。
仲良く出来ると思っていたのは私だけだった。
気まずいから他のお手洗いに行こうかしら。
その場を離れようとしたとき、
「こそこそ悪口は良くないと思うよ。自分に魅力がないことを灰羽さんのせいにしすのも格好悪いし」
この声は……◯◯さん?
個室トイレから出てきた◯◯さんが私を庇ってくれた。
「偽善者ぶるなよ!」
「そうよ!アンタみたいな地味子には私たちの気持ちなんて分からないわよ!」
「自分だって灰羽さんの容姿に嫉妬してるんじゃないの?」
「……」
どうしよう。
そう思うと同時に私は修羅場に飛び出していた。
「な、なにやってるの!」
「………チッ」
「行こう」
彼女たちは舌打ちをし、一睨みしてからお手洗いから出ていった。
「もしかして灰羽さん、今の聞いてた?」
◯◯さんの質問に無言で頷いた。
「あんなの気にしなくていいからね」
「◯◯さんも………!◯◯さんも私のことを妬んでいるの?」
「うーん………そうだね、妬んでいるよ」
「!?」
やっぱりそうなんだ。
私は◯◯さんにも嫌われているんだ。
「だって、灰羽さんは可愛いもん。笑顔も素敵だし、話し方も柔らかいし、社交的だし、天然だし」
「えっ?えっ?えっ?」
さっきの女の子たちと違い、嫉妬と言いつつベタ褒めしてくる◯◯さん。
戸惑ってしまう。
「私はそんな灰羽さんのこと好きだよ」
「……」
裏表のない表情で笑う◯◯さんはキラキラして見えた。
「アリサ……」
「ん?」
「アリサって呼んで!●●ちゃん!」
「あ、うん。よろしくね」
端から見たらお手洗いで何しているんだろうと思うかもしれないけど、場所なんて関係ない。
私はこれがきっかけで掛け替えのない友達を手に入れた。
今からおよそ7年前のこと。
「灰羽アリサです。皆さん仲良くしてくださいね」
何故でしょう。
高校1年生の始めての自己紹介。
男性陣は黄色い声を上げてくれるのに、女性陣の反応がイマイチ。
ヒソヒソ話をしていたり、睨み付けてきたり、後は興味ないのか窓の外をずっと見ている子。
だけど、心配も杞憂に終わった。
「ねえ、灰羽さんってハーフなの?」
早速クラスメイトの女の子たちが話しかけてくれた。
「はい、日本とロシアのハーフです」
「ふーん。よかったらさ、近々親睦会兼ねてご飯に行こうって話になっているんだけど、灰羽さんも来ない?」
「いいの?是非行きたいです」
誘って下さった方たちの髪の毛も色が明るいけど、私と同じどこかのハーフかしら。
どちらにせよ、楽しみ。
そう言えば、あの子も来るのかな?私が自己紹介をしたときにずっと窓の外を見ていた………◯◯さん、だっけ?
ーーーー
よくあるファミレスで集まった男女合わせて8人。
てっきり女の子だけの集まりかと思ったら男の子もいるのね。
しかも、知らない顔ぶれ。クラス以外の男の子。
そして、◯◯さんもいないし。
「アリサちゃん可愛いね!」
「ありがとうございます、よく言われます」
「もータクマったら、灰羽さんばっかり構って!こっちの相手もしてよ!」
私に話しかけてくれる男の子は次々と他の女の子の元へと行き、結局誰ともまともに話しができずに親睦会は終わった。
つまらなかったなー。
でも、初めての親睦会だし、こんなものなのかしら。
翌日、教室に入ると昨日誘ってくれた女の子たちはあからさまに私を避けている気がする。
「サオリさん、おはようございます」
「……………あ、ユリアおはよー!」
私が挨拶したのに、気づかなかったのか後から教室に入ってきたユリアさんの元に行くサオリさん。
何かしたかしら、そう思ったけど理由はすぐに分かった。
お手洗いに行こうとしたら私のことを話している女の子たち。
私は咄嗟に隠れて様子を見た。
「灰羽さん連れていくと、男子みんながそっちに行っちゃうから、今度から誘うの止めようよ」
「本当だね。本人は天然なのかあざといのか、避けられていることにも気付いていないし、そのうち空気読めないこと言うよ、あの子」
そうか、意図的に避けられていたのね。
仲良く出来ると思っていたのは私だけだった。
気まずいから他のお手洗いに行こうかしら。
その場を離れようとしたとき、
「こそこそ悪口は良くないと思うよ。自分に魅力がないことを灰羽さんのせいにしすのも格好悪いし」
この声は……◯◯さん?
個室トイレから出てきた◯◯さんが私を庇ってくれた。
「偽善者ぶるなよ!」
「そうよ!アンタみたいな地味子には私たちの気持ちなんて分からないわよ!」
「自分だって灰羽さんの容姿に嫉妬してるんじゃないの?」
「……」
どうしよう。
そう思うと同時に私は修羅場に飛び出していた。
「な、なにやってるの!」
「………チッ」
「行こう」
彼女たちは舌打ちをし、一睨みしてからお手洗いから出ていった。
「もしかして灰羽さん、今の聞いてた?」
◯◯さんの質問に無言で頷いた。
「あんなの気にしなくていいからね」
「◯◯さんも………!◯◯さんも私のことを妬んでいるの?」
「うーん………そうだね、妬んでいるよ」
「!?」
やっぱりそうなんだ。
私は◯◯さんにも嫌われているんだ。
「だって、灰羽さんは可愛いもん。笑顔も素敵だし、話し方も柔らかいし、社交的だし、天然だし」
「えっ?えっ?えっ?」
さっきの女の子たちと違い、嫉妬と言いつつベタ褒めしてくる◯◯さん。
戸惑ってしまう。
「私はそんな灰羽さんのこと好きだよ」
「……」
裏表のない表情で笑う◯◯さんはキラキラして見えた。
「アリサ……」
「ん?」
「アリサって呼んで!●●ちゃん!」
「あ、うん。よろしくね」
端から見たらお手洗いで何しているんだろうと思うかもしれないけど、場所なんて関係ない。
私はこれがきっかけで掛け替えのない友達を手に入れた。
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