〜第一章〜 ペトリコール
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「お待たせ」
「ううん。月島君、部活お疲れ様」
図書室から遠退くと話しかけてきてくれた月島君。
他の利用者に気を遣ったみたい。
昇降口を出ると月島君は黒色の傘を差して、私の方へと傾けてくれた。
「お、お邪魔します」
「はは、何それ」
そんな笑わなくても。
じゃあ何て言えばよかったの?
お世話になります……は違うし………あ、お願いしますでいいのか。
「そう言えば、部活終わるの早いんだね」
駅への道を歩きながら、気になっていたことを聞いた。
「体育館雨漏りしたから中止。しばらくは使えないって」
「そっか、災難だったね」
一瞬でも私のために早く終わったの?なんで考えた自分が恥ずかしくなった。
恥ずかしくなったついでに、よくよく考えたらこれって相合傘じゃん。
なんで、月島君は平然としていられるんだろう。
万が一クラスメイトとか部活仲間に見られたら、からかわれて恥ずかしい思いをするのは月島君なのに。
そう、考えるといきなり月島君は歩みを止めた。
「どうかしたの?」
「見て」
月島君の視線の先には公園があった。
「紫陽花、咲いてるよ」
「あ、本当だ」
いつも登下校している道のりだから、慣れ過ぎて見向きもしなかった。
「好きなんでしょ?」
紫陽花を綺麗だとは言ったけど、好きとは言っていない。
でも、こうしてちゃんと見ると好きになりそう。
「あそこのベンチ、見える?」
私はそう言って東屋の中にポツンと設置されているベンチを指差した。
「あそこで紫陽花を観賞できたら素敵なんだろうなー。でも雨だし」
「行けばいいじゃん。それとも一緒に行ってほしいの?今なら貸し切り状態だよ」
なんてニヒルな笑いを浮かべた月島君。
ああ、やっぱり月島君は意地悪だ。
ーーFinーー
「ううん。月島君、部活お疲れ様」
図書室から遠退くと話しかけてきてくれた月島君。
他の利用者に気を遣ったみたい。
昇降口を出ると月島君は黒色の傘を差して、私の方へと傾けてくれた。
「お、お邪魔します」
「はは、何それ」
そんな笑わなくても。
じゃあ何て言えばよかったの?
お世話になります……は違うし………あ、お願いしますでいいのか。
「そう言えば、部活終わるの早いんだね」
駅への道を歩きながら、気になっていたことを聞いた。
「体育館雨漏りしたから中止。しばらくは使えないって」
「そっか、災難だったね」
一瞬でも私のために早く終わったの?なんで考えた自分が恥ずかしくなった。
恥ずかしくなったついでに、よくよく考えたらこれって相合傘じゃん。
なんで、月島君は平然としていられるんだろう。
万が一クラスメイトとか部活仲間に見られたら、からかわれて恥ずかしい思いをするのは月島君なのに。
そう、考えるといきなり月島君は歩みを止めた。
「どうかしたの?」
「見て」
月島君の視線の先には公園があった。
「紫陽花、咲いてるよ」
「あ、本当だ」
いつも登下校している道のりだから、慣れ過ぎて見向きもしなかった。
「好きなんでしょ?」
紫陽花を綺麗だとは言ったけど、好きとは言っていない。
でも、こうしてちゃんと見ると好きになりそう。
「あそこのベンチ、見える?」
私はそう言って東屋の中にポツンと設置されているベンチを指差した。
「あそこで紫陽花を観賞できたら素敵なんだろうなー。でも雨だし」
「行けばいいじゃん。それとも一緒に行ってほしいの?今なら貸し切り状態だよ」
なんてニヒルな笑いを浮かべた月島君。
ああ、やっぱり月島君は意地悪だ。
ーーFinーー