赤いストラップ
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メールに対しての返事がなかったのは残念だけれど、これを機にすっかりゲーム実況にハマってしまった。
コヅケンさんの再生リストを片っ端から見漁って、ライブ配信はリアタイ。できなくてもアーカイブを見る。
ーーーー
今日は朝からバイトが入っていたことを忘れていて、前日に深夜までライブ配信を見てしまった。
眠たい目を擦りながら出勤した。
「おはようございます」
「◯◯さん、おはよう。新作入ってるからチェックしておいてね」
制服に着替え、売場へ向かう。
新作はタルトタタンか。
休憩のときに味見できるかな?
バイト先のケーキ屋さんはお世辞にもインスタ映えを意識したお店ではなく、昔ながらの懐かしい味のケーキ屋さんだ。
カランカラン
ドアベルが鳴り、一人の男性客が入ってきた。
「いらっしゃいませ~」
あ、よく来てくれる常連さんだ。
男性の一人客は珍しくないが、このお客様は私と歳が近そうで、いつも林檎を使ったケーキを買っていってくれるので、覚えている。
「新作のタルトタタンはいかがですか?」
「じゃあ、それで」
あれ?前までは何も思わなかったけれど、この声って……コヅケンさん?
最近、毎日のように動画を見ているから間違いない。
声色も、気だるそうな話し方も。
他にお客様もいないし、聞いてみてもいいかな?
「あの……もしかしてコヅケンさんですか?」
「?!」
お客様は案の定驚いていた。
それもそうだ、顔出ししていないのにいきなりそんなことを言われたら、誰だって驚くに決まっている。
「まあ、はい」
煮え切らないような返事だったが、やはりコヅケンさんのようだ。
「あの、私、以前コヅケンさんのストラップが髪に引っ掛かった……」
「……ああ、電車の君」
「あのストラップ、捨てていいって言われましたけど、大事に取ってあります」
「そう、ありがとう」
捨てずに取ってあることを気持ち悪がられると思ったけれど、意外にもあっさりした返事だった。
お会計を済ませ、商品を手渡す。
「あの!また来て下さい!あと、配信いつも楽しく拝見しています!」
「うん、ここのケーキ好きだからね」
「ありがとうございました!」
コヅケンさんの再生リストを片っ端から見漁って、ライブ配信はリアタイ。できなくてもアーカイブを見る。
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今日は朝からバイトが入っていたことを忘れていて、前日に深夜までライブ配信を見てしまった。
眠たい目を擦りながら出勤した。
「おはようございます」
「◯◯さん、おはよう。新作入ってるからチェックしておいてね」
制服に着替え、売場へ向かう。
新作はタルトタタンか。
休憩のときに味見できるかな?
バイト先のケーキ屋さんはお世辞にもインスタ映えを意識したお店ではなく、昔ながらの懐かしい味のケーキ屋さんだ。
カランカラン
ドアベルが鳴り、一人の男性客が入ってきた。
「いらっしゃいませ~」
あ、よく来てくれる常連さんだ。
男性の一人客は珍しくないが、このお客様は私と歳が近そうで、いつも林檎を使ったケーキを買っていってくれるので、覚えている。
「新作のタルトタタンはいかがですか?」
「じゃあ、それで」
あれ?前までは何も思わなかったけれど、この声って……コヅケンさん?
最近、毎日のように動画を見ているから間違いない。
声色も、気だるそうな話し方も。
他にお客様もいないし、聞いてみてもいいかな?
「あの……もしかしてコヅケンさんですか?」
「?!」
お客様は案の定驚いていた。
それもそうだ、顔出ししていないのにいきなりそんなことを言われたら、誰だって驚くに決まっている。
「まあ、はい」
煮え切らないような返事だったが、やはりコヅケンさんのようだ。
「あの、私、以前コヅケンさんのストラップが髪に引っ掛かった……」
「……ああ、電車の君」
「あのストラップ、捨てていいって言われましたけど、大事に取ってあります」
「そう、ありがとう」
捨てずに取ってあることを気持ち悪がられると思ったけれど、意外にもあっさりした返事だった。
お会計を済ませ、商品を手渡す。
「あの!また来て下さい!あと、配信いつも楽しく拝見しています!」
「うん、ここのケーキ好きだからね」
「ありがとうございました!」