プリンの理由
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帰りのホームルームが終わり、昇降口に向かうと、孤爪君とばったり会った。
「あ、孤爪君」
「◯◯さん……」
私は帰るけれど、孤爪君はこれから部活かな。
そうだ、せっかくだし今日の体育の授業の話を……。
「ねえ、見てよこれ。今日の体育バレーだったんだけど、腕が真っ赤!」
私は孤爪君に見えやすいように両腕を前に出した。
体育の授業から少し時間は経っていたけれど、その痛々しさは顕然。
「内出血だね。あまり酷いようなら冷やしたり、暑いだろうけど次の授業から長袖にするといいかも」
「なるほど」
チラッと孤爪君の腕を見ると、彼も少しだけ赤くなっていた。
そんな私の視線に孤爪君は気が付いたのか、
「なに?」
と、すかさず問い掛ける。
観察力がお有りで。
「あ、いやー……孤爪君でも内出血するんだなーって」
「セッターだからかな。指先で返すことが多いから、どうしても他の人よりアンダーの練習量が少なくて、こうなっているのかも」
「セッター……」
ポジションのことだろうか。
今日授業でやったばかりなのに、全然覚えていない。
そんなセッターは指先で返すってことが多いとなると、突き指をする可能性が高い。
内出血より嫌かも。
「孤爪君って凄いんだね」
「俺は普通だよ」
謙遜までするなんて。
それにしても、昨年までは話しかけても素っ気ない反応しかしてくれなかったのに、今日はやけにお喋りな気がする。
「孤爪君がこんなにも話しやすかったなんて。同じクラスのときにもっと話ししておけばよかった」
「別に今からでも遅くないでしょ」
言われてみればそうか。
仮に同じクラスだったとしても、授業中は喋らないもんね。
「じゃあ、これからは見かけたら話しかけるね!」
「俺も……」
「うん!孤爪君も遠慮なく話しかけて!」
孤爪君からも話しかけてくれるなんて嬉しいな。
何の話をしてくれるんだろう。
やっぱりゲームのことかな。
そう思っていると、
「じゃあ早速……」
「なになに?」
私は少し前のめりになった。
「今日、髪を染めた理由を話したでしょ」
「山本君に言われたからだっけ」
正直、方向性がズレていて私には理解できなかった。
「うん。染めたきっかけは虎だけど、染め直さない理由は◯◯さんにあるんだ」
「私?」
おそらく、教室で言いかけてやめた話の続きだろう。
だとしても、理由が私にあるだなんて。
考えてみたけれど心当たりがない。
答えを待っていると、意外なことを言われた。
「◯◯さんとお揃いだから、このままでもいいかなって」
「え……?」
なんで私とお揃いだとこのままでもいいのか。
そんな言い方をされたら、まるで……。
しかし、私の予想は当たっていた。
「好きな人とお揃いって、なんか嬉しいじゃん」
「えっと、あの……そのっ」
予想が当たっていたとしても、直ぐに出せる返事ではない。
言葉に詰まらせていると、
「そろそろ部活に行かないと。またね、◯◯さん」
孤爪君は私の返事を聞かずに去っていってしまった。
言い逃げなんてズルいよ。
そんな言い方をされたら黒髪に戻し辛くなるじゃん。
ーーFinーー
「あ、孤爪君」
「◯◯さん……」
私は帰るけれど、孤爪君はこれから部活かな。
そうだ、せっかくだし今日の体育の授業の話を……。
「ねえ、見てよこれ。今日の体育バレーだったんだけど、腕が真っ赤!」
私は孤爪君に見えやすいように両腕を前に出した。
体育の授業から少し時間は経っていたけれど、その痛々しさは顕然。
「内出血だね。あまり酷いようなら冷やしたり、暑いだろうけど次の授業から長袖にするといいかも」
「なるほど」
チラッと孤爪君の腕を見ると、彼も少しだけ赤くなっていた。
そんな私の視線に孤爪君は気が付いたのか、
「なに?」
と、すかさず問い掛ける。
観察力がお有りで。
「あ、いやー……孤爪君でも内出血するんだなーって」
「セッターだからかな。指先で返すことが多いから、どうしても他の人よりアンダーの練習量が少なくて、こうなっているのかも」
「セッター……」
ポジションのことだろうか。
今日授業でやったばかりなのに、全然覚えていない。
そんなセッターは指先で返すってことが多いとなると、突き指をする可能性が高い。
内出血より嫌かも。
「孤爪君って凄いんだね」
「俺は普通だよ」
謙遜までするなんて。
それにしても、昨年までは話しかけても素っ気ない反応しかしてくれなかったのに、今日はやけにお喋りな気がする。
「孤爪君がこんなにも話しやすかったなんて。同じクラスのときにもっと話ししておけばよかった」
「別に今からでも遅くないでしょ」
言われてみればそうか。
仮に同じクラスだったとしても、授業中は喋らないもんね。
「じゃあ、これからは見かけたら話しかけるね!」
「俺も……」
「うん!孤爪君も遠慮なく話しかけて!」
孤爪君からも話しかけてくれるなんて嬉しいな。
何の話をしてくれるんだろう。
やっぱりゲームのことかな。
そう思っていると、
「じゃあ早速……」
「なになに?」
私は少し前のめりになった。
「今日、髪を染めた理由を話したでしょ」
「山本君に言われたからだっけ」
正直、方向性がズレていて私には理解できなかった。
「うん。染めたきっかけは虎だけど、染め直さない理由は◯◯さんにあるんだ」
「私?」
おそらく、教室で言いかけてやめた話の続きだろう。
だとしても、理由が私にあるだなんて。
考えてみたけれど心当たりがない。
答えを待っていると、意外なことを言われた。
「◯◯さんとお揃いだから、このままでもいいかなって」
「え……?」
なんで私とお揃いだとこのままでもいいのか。
そんな言い方をされたら、まるで……。
しかし、私の予想は当たっていた。
「好きな人とお揃いって、なんか嬉しいじゃん」
「えっと、あの……そのっ」
予想が当たっていたとしても、直ぐに出せる返事ではない。
言葉に詰まらせていると、
「そろそろ部活に行かないと。またね、◯◯さん」
孤爪君は私の返事を聞かずに去っていってしまった。
言い逃げなんてズルいよ。
そんな言い方をされたら黒髪に戻し辛くなるじゃん。
ーーFinーー