学校での孤爪君は休み時間に大抵携帯ゲーム機で遊んでいる。

FPSだったり、パズルだったり、シミュレーションだったり、こっそり覗く度に違うゲームをやっている。

いつか孤爪君と一緒にゲームがしたい。
そう思ってはいるけど叶わず、ゲームソフトばかりが増えていく。

だけど、今日プレイしていたゲームソフトは知っている。

モンスターを狩猟する人気タイトルのゲーム。
先日私も購入したところだ。

帰ったら私もシナリオを進めようかな。
明日は休みだし、徹夜コースもあり。


ーーー


ソロで倒すには難しいモンスターに直面してしまった。
緊急クエストだからクリアしないと先に進めないのに。
仕方がない、マルチで募集するか。

助けてください…っと。

募集をかけると、直ぐに参加メンバーが埋まった。

ハイQさん、狩人さん、kodzukenさん………。
最後の人は何て読むんだろう。
こでぃ……まあ、なんでもいいや。

開幕早々、ハイQさんのスタンとkodzukenの睡眠攻撃で身動きが取れなくなったところを狩人さんが罠を仕掛けて、モンスターは手も足も出ないままあっという間に討伐された。

野良のマルチなのにコンビネーション良すぎでしょ。

お疲れ様でした、とチャットを残して退出する中、kodzukenさんだけがいつまで経っても退出しなかった。

チャットでも打っているのかな？それとも寝落ち？

しばらく待っていると、


“他のクエ手伝うよ”


とチャットが送られてきた。

ストーリーをクリアするまではソロで頑張りたかったけど、既に手伝って貰っちゃったし、初めてのマルチは楽しかったし……。

せっかくだしお願いしようかな。


“よろしくお願いします”


定型文を送ってから、クエストを貼った。

さすがに緊急クエストほど難しくはないから、他のメンバーは募集せずに二人で出発。

さっきも思ったけど、このkodzukenさんって人、めちゃくちゃ上手い。

私が大ダメージを受けると直ぐに回復してくれるし、モンスターの状態異常の管理もうまい。

私もkodzukenさんと同じ片手剣を使ってみようかな。

その後も緊急クエストを出すためのクエストを一緒に回った。

気が付いたら夜が明け始めていた。

さすがに寝ないと。

こんな時間まで付き合ってくれて、kodzukenさんは大丈夫だろうか。
私と同じ学生なのかな？

少しだけ興味を持ち、また一緒にプレイしたい思いもあってフレンド申請を送ると、承諾してくれた。

さっそく明日………は用事があるから明後日の日曜日に今日と同じ時間にログインする旨を伝えて退室した。