長い眠り
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翌日、スリープモード状態にたハードを鞄に忍び込ませて通勤した。
私と同じように昔のゲームを引っ張り出してきた同志が、この電車の中にいるだろうか。
そんなことをぼんやりと考えながら、私は通勤ラッシュの波に揉まれていた。
……。
…………。
職場ではおもむろにゲームは出せない。
それでも、どうしてもすれ違い通信の確認がしたくて、私は人目を忍んでトイレへと向かった。
個室の扉を閉め、小さな空間に安堵する。
「よし……」
静かにゲーム機をスリープモードから起こすと、画面には見慣れない名前が浮かび上がった。
ナナナさん、かまぼこさん……。
それぞれのメッセージには“リメイクおめでとう”や“復帰勢”とあった。
やっぱり、私と同じようにリメイクをきっかけにこの世界に戻ってきた人たちだった。
心の奥底で、小さな喜びが弾ける。
だけど、期待していた“コヅケンさん”の姿は、そこにはなかった。
少しだけ肩を落とし、私は現実へと引き戻された。
……。
…………。
仕事終わり。
私は相変わらずゲーム機をスリープモードにしたまま、鞄の奥に忍ばせていた。
つり革に捕まり、ガタンゴトンと揺られる車内で、ぼんやりと窓の外の景色を眺める。
その時、視界の端に捉えた女性……いや、男性だろうか。
プリンのような色に染まった髪をハーフアップにしたその人が、おもむろに鞄から何かを取り出した。
それは、懐かしいあのゲーム機だった。
ゲーム機は閉じているのにも関わらず、ライトが点滅している。
これはスリープモードになっている証拠。
今まさに、私のゲーム機とすれちがい通信をしている最中だろう。
そんなこととは気付かない彼の様子を見て、私は心の中でそっと微笑んだ。
……。
…………。
家に着き、私はすぐにゲーム機を取り出した。
ゆっくりと画面を開くと、そこにはすれ違い人数3人の文字が。
1人ずつ確認することにした。
そして、最後のアバターを前に目を疑った。
そこに表示されていたのは、紛れもなく“コヅケン”という名前だった。
「……え?」
同じ名前の人かもしれない。
そう一瞬頭をよぎったけれど、そこに表示された猫のようなアバターを見て確信した。
「……コヅケンさんだ」
胸の奥から、言葉にならない感情がこみ上げてくる。
それは、再会を喜びなのか、懐かしさなのか。
手が震えた。
この奇跡のような出会いを大切にしたい。
だから、次いつすれ違うか分からないのに、私は何年も前の返事を一言メッセージに残した。
震える指で、一文字一文字心を込めて打ち込む。
“今も私はここにいます”と。
ーーFinーー
私と同じように昔のゲームを引っ張り出してきた同志が、この電車の中にいるだろうか。
そんなことをぼんやりと考えながら、私は通勤ラッシュの波に揉まれていた。
……。
…………。
職場ではおもむろにゲームは出せない。
それでも、どうしてもすれ違い通信の確認がしたくて、私は人目を忍んでトイレへと向かった。
個室の扉を閉め、小さな空間に安堵する。
「よし……」
静かにゲーム機をスリープモードから起こすと、画面には見慣れない名前が浮かび上がった。
ナナナさん、かまぼこさん……。
それぞれのメッセージには“リメイクおめでとう”や“復帰勢”とあった。
やっぱり、私と同じようにリメイクをきっかけにこの世界に戻ってきた人たちだった。
心の奥底で、小さな喜びが弾ける。
だけど、期待していた“コヅケンさん”の姿は、そこにはなかった。
少しだけ肩を落とし、私は現実へと引き戻された。
……。
…………。
仕事終わり。
私は相変わらずゲーム機をスリープモードにしたまま、鞄の奥に忍ばせていた。
つり革に捕まり、ガタンゴトンと揺られる車内で、ぼんやりと窓の外の景色を眺める。
その時、視界の端に捉えた女性……いや、男性だろうか。
プリンのような色に染まった髪をハーフアップにしたその人が、おもむろに鞄から何かを取り出した。
それは、懐かしいあのゲーム機だった。
ゲーム機は閉じているのにも関わらず、ライトが点滅している。
これはスリープモードになっている証拠。
今まさに、私のゲーム機とすれちがい通信をしている最中だろう。
そんなこととは気付かない彼の様子を見て、私は心の中でそっと微笑んだ。
……。
…………。
家に着き、私はすぐにゲーム機を取り出した。
ゆっくりと画面を開くと、そこにはすれ違い人数3人の文字が。
1人ずつ確認することにした。
そして、最後のアバターを前に目を疑った。
そこに表示されていたのは、紛れもなく“コヅケン”という名前だった。
「……え?」
同じ名前の人かもしれない。
そう一瞬頭をよぎったけれど、そこに表示された猫のようなアバターを見て確信した。
「……コヅケンさんだ」
胸の奥から、言葉にならない感情がこみ上げてくる。
それは、再会を喜びなのか、懐かしさなのか。
手が震えた。
この奇跡のような出会いを大切にしたい。
だから、次いつすれ違うか分からないのに、私は何年も前の返事を一言メッセージに残した。
震える指で、一文字一文字心を込めて打ち込む。
“今も私はここにいます”と。
ーーFinーー
