ラッキースケベ
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「ふぁ~」
どれくらい寝ただろうか。
起き上がって窓を見ると、空はすっかり夕焼け色に染まっていた。
「痛ててっ」
頭を触るとたんこぶが出来ていた。
……帰ろ。
ベッドから起き上がるとドアがガラガラと開き、黄金川が入ってきた。
「あ、起きた?」
「うん、ついさっきね」
「荷物持ってきた」
「わ~ありがとう」
荷物は受け取ったし、後は帰るだけ。
それなのに何故か黄金川は駐輪場まで付いてきた。
よっぽど心配なのか。
たんこぶは痛いけど、もう大丈夫なのに。
「黄金川も早く帰らないと暗くなっちゃうよ?」
「いつもは居残り練習してるから、今日は早い方だよ」
今日は居残り練習しなくていいのかな?
そんなことを思いながら自分の自転車を探す。
「……あ」
忘れていた。
倒れた衝撃で曲がってしまった自転車のハンドルの存在を。
修理するにしても曲がった状態のハンドルで自転車屋に持って行くのは大変だし。
自動車科って自転車も対象かな……。
今日はもう遅いから歩いて帰って、明日自動車科の友達に聞いてみようかな。
「自転車あったか?」
「これ……」
そう言って私は自分の自転車を指差した。
「あー、今朝転んだって言ってたな。ちょっと見せて」
黄金川はハンドルを捻ってみたり、ボルトを確認すると、
「これ、スラムが動いただけだから直ぐに直せるぞ」
「本当に?助かる!工具持ってくるね!」
「工具なら持ってる」
黄金川は鞄から工具を取り出し、六角レンチを使って手際よくハンドルを元の向きに直してくれた。
「ありがとう」
「こんなの礼には及ばないぜ」
へへっと鼻を擦りながら笑った黄金川の顔はグリスが付いて黒くなった。
「待って、汚れてる」
私はハンカチを取り出して黄金川の顔を拭いた。
けど、油汚れはしぶとくて
「取れない……」
「ハンカチ汚れるからそのままでいいよ」
「そう?」
本人がそのままでって言うならそうするけど、お髭みたいで面白い顔になってる。
「念のために今日は送ってく」
念のためって言うのは私の体調のことなのか、ハンドルが運転中に曲がってしまう心配をしているのか。
どちらにせよ、
「悪いよ」
「いいから!いいから!」
しばらく断っていたが黄金川の強い押しに負けて、折れることにした。
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
「自転車取ってくるから、校門で待ってて!」
校門で待っていると駆け足で自転車を引いている黄金川がこちらへ向かってきた。
「乗って」
黄金川君は荷台をポンポンとして座るように促してきた。
「しっかり掴まって」
黄金川の腰に密着するように抱きつく。
私、この背中に潰されたんだなーと呑気なことを考えながら家までの道案内をすると、いつの間にか家に着いていた。
「朝練あるから早い時間になるけど、明日の朝も迎えに行く」
「ありがとう」
「おう、明日な」
私は黄金川の姿が見えなくなるまで見送った。
黄金川って案外いいやつじゃん。
今日一日で私の中の彼の印象が変わった。
どれくらい寝ただろうか。
起き上がって窓を見ると、空はすっかり夕焼け色に染まっていた。
「痛ててっ」
頭を触るとたんこぶが出来ていた。
……帰ろ。
ベッドから起き上がるとドアがガラガラと開き、黄金川が入ってきた。
「あ、起きた?」
「うん、ついさっきね」
「荷物持ってきた」
「わ~ありがとう」
荷物は受け取ったし、後は帰るだけ。
それなのに何故か黄金川は駐輪場まで付いてきた。
よっぽど心配なのか。
たんこぶは痛いけど、もう大丈夫なのに。
「黄金川も早く帰らないと暗くなっちゃうよ?」
「いつもは居残り練習してるから、今日は早い方だよ」
今日は居残り練習しなくていいのかな?
そんなことを思いながら自分の自転車を探す。
「……あ」
忘れていた。
倒れた衝撃で曲がってしまった自転車のハンドルの存在を。
修理するにしても曲がった状態のハンドルで自転車屋に持って行くのは大変だし。
自動車科って自転車も対象かな……。
今日はもう遅いから歩いて帰って、明日自動車科の友達に聞いてみようかな。
「自転車あったか?」
「これ……」
そう言って私は自分の自転車を指差した。
「あー、今朝転んだって言ってたな。ちょっと見せて」
黄金川はハンドルを捻ってみたり、ボルトを確認すると、
「これ、スラムが動いただけだから直ぐに直せるぞ」
「本当に?助かる!工具持ってくるね!」
「工具なら持ってる」
黄金川は鞄から工具を取り出し、六角レンチを使って手際よくハンドルを元の向きに直してくれた。
「ありがとう」
「こんなの礼には及ばないぜ」
へへっと鼻を擦りながら笑った黄金川の顔はグリスが付いて黒くなった。
「待って、汚れてる」
私はハンカチを取り出して黄金川の顔を拭いた。
けど、油汚れはしぶとくて
「取れない……」
「ハンカチ汚れるからそのままでいいよ」
「そう?」
本人がそのままでって言うならそうするけど、お髭みたいで面白い顔になってる。
「念のために今日は送ってく」
念のためって言うのは私の体調のことなのか、ハンドルが運転中に曲がってしまう心配をしているのか。
どちらにせよ、
「悪いよ」
「いいから!いいから!」
しばらく断っていたが黄金川の強い押しに負けて、折れることにした。
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
「自転車取ってくるから、校門で待ってて!」
校門で待っていると駆け足で自転車を引いている黄金川がこちらへ向かってきた。
「乗って」
黄金川君は荷台をポンポンとして座るように促してきた。
「しっかり掴まって」
黄金川の腰に密着するように抱きつく。
私、この背中に潰されたんだなーと呑気なことを考えながら家までの道案内をすると、いつの間にか家に着いていた。
「朝練あるから早い時間になるけど、明日の朝も迎えに行く」
「ありがとう」
「おう、明日な」
私は黄金川の姿が見えなくなるまで見送った。
黄金川って案外いいやつじゃん。
今日一日で私の中の彼の印象が変わった。