視線のその先
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その日の授業終わり、思ったよりも作業が進まなかった私は1人実習室で居残りをする。
静かな実習室で1人、黙々と作業を進めていると、
ガラッ
扉が開き体操服姿の黄金川君が顔を出した。
「黄金川君……。どうしたの?」
忘れ物かな?
そう思いながら彼の方を見ると、無言で私の隣の席に座った。
「……」
「……」
「あのー……」
「部活行ったら●●ちゃんがいなかったから」
あー、そう言えば今日は黄金川君が所属している男子バレー部と体育館を分けて部活をする日だっけ。
「ごめん、ごめん」
謝ったけれど、正直悪いとは思っていない。
だって黄金川君に迷惑を掛けていないから。
むしろ授業で迷惑を掛けないために居残りをしている。
理由が分かったところで、私は再び目の前の回路に視線を落とした。
「作業が進んでいないなら言ってくれればよかったのに」
そんなことできないよ。
だってトモカと仲良くしていたキミの邪魔をしたくなかったから。
だけどそんなことを言えるはずもなく、
「作業が遅いのは私の責任だし」
適当に言い訳をする。
黄金川君は納得していないような表情をしていたけれど、それ以上は何も言わなかった。
再び作業に集中すると、黄金川君が私の手首を掴んできた。
「え……?」
思わず顔を上げると、黄金川君は黙ったまま私を見つめていた。
時間が止まるような感覚。
だけど、実際に止まっているなんてことはなく、黄金川君の声が私を現実に呼び戻す。
「そこ、間違ってる」
「あ、本当だ。ありがとう」
一瞬キスされるのかと思った。
実際は間違いを指摘するために掴んだだけなのに。
まあ、当たり前か。
だって黄金川君が好きなのはトモカなんだから。
なんだか、いつしかその言葉を自分に言い聞かせるようになった気がする。
「じゃあ俺、部活戻るわ」
「うん」
去り際に、
「分かんないことがあったら遠慮なく聞けよ!」
そう言って彼は実習室を出ていった。
掴まれた手首がまだ熱を持っている気がする。
大きくて、逞しい手。
それを感じながら、黄金川君がいなくなった実習室で、私は再び作業を進めた。
静かな実習室で1人、黙々と作業を進めていると、
ガラッ
扉が開き体操服姿の黄金川君が顔を出した。
「黄金川君……。どうしたの?」
忘れ物かな?
そう思いながら彼の方を見ると、無言で私の隣の席に座った。
「……」
「……」
「あのー……」
「部活行ったら●●ちゃんがいなかったから」
あー、そう言えば今日は黄金川君が所属している男子バレー部と体育館を分けて部活をする日だっけ。
「ごめん、ごめん」
謝ったけれど、正直悪いとは思っていない。
だって黄金川君に迷惑を掛けていないから。
むしろ授業で迷惑を掛けないために居残りをしている。
理由が分かったところで、私は再び目の前の回路に視線を落とした。
「作業が進んでいないなら言ってくれればよかったのに」
そんなことできないよ。
だってトモカと仲良くしていたキミの邪魔をしたくなかったから。
だけどそんなことを言えるはずもなく、
「作業が遅いのは私の責任だし」
適当に言い訳をする。
黄金川君は納得していないような表情をしていたけれど、それ以上は何も言わなかった。
再び作業に集中すると、黄金川君が私の手首を掴んできた。
「え……?」
思わず顔を上げると、黄金川君は黙ったまま私を見つめていた。
時間が止まるような感覚。
だけど、実際に止まっているなんてことはなく、黄金川君の声が私を現実に呼び戻す。
「そこ、間違ってる」
「あ、本当だ。ありがとう」
一瞬キスされるのかと思った。
実際は間違いを指摘するために掴んだだけなのに。
まあ、当たり前か。
だって黄金川君が好きなのはトモカなんだから。
なんだか、いつしかその言葉を自分に言い聞かせるようになった気がする。
「じゃあ俺、部活戻るわ」
「うん」
去り際に、
「分かんないことがあったら遠慮なく聞けよ!」
そう言って彼は実習室を出ていった。
掴まれた手首がまだ熱を持っている気がする。
大きくて、逞しい手。
それを感じながら、黄金川君がいなくなった実習室で、私は再び作業を進めた。
