ラッキースケベ
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~ラッキースケベ~
「うわぁっ!」
「!?」
何故こうなった。
高所作業を黄金川にお願いしたら、バランスを崩した彼が私の方に倒れてきた。
それを咄嗟に受け止めようとしてしまった私。
190cm越えの大男を標準体型の私が受け止められる訳がないのに。
走馬灯のようにゆっくりと世界が動く。
ああ、今日は本当についていない日だ。
考えてみれば朝から───……
ーーーー
「えっ!今何時?寝坊?」
無意識にアラームを止めていたようで、完全に目が覚めたのはいつも家を出る5分前だった。
顔を洗って制服に着替えて、髪はセットする時間がないから1本にまとめるだけでいいや。
お弁当を鞄に詰め込み、荷物をカゴに放り投げ自転車を爆走する。
急げー!
無心で漕ぎ続け、後少しで学校だと言うところでタイヤがスリップして派手に横転。
ズサーッと肘と膝を擦りむいてしまった。
「痛っ!」
だけど、今は痛みより遅刻回避の方が優先。
曲がってしまったハンドルを握り、力一杯自転車を押して学校の校門を潜る。
間に合えばこの傷も無駄にはならない!急げ!
教室の扉を開けると、
「◯◯、遅刻な」
こんなにも息を切らして、擦り傷だらけの女子生徒に対して、無慈悲に遅刻を言い渡す担任。
「セーフにしてほしければ放課後に雑用することだな」
「チッ」
「遅刻でいいんだな?」
「やります」
息を整えて自分の席に着くと、隣の席の黄金川に擦り傷の心配をされてしまった。
「痛そう……」
「大したことないから大丈夫だよ」
私以上にアワアワとビビっている黄金川。
確かにヒリヒリするけど、見た目よりかは痛くない。
だけど、後で保健室くらいには行こうかな。
ついでに転んだときに制服が汚れてしまったから、作業服に着替えよう。
幸いにも体操服やら作業服、ジャージなどまともに制服を着ていない人は結構いる。
私が制服以外を着ていても何も言われない。
授業が終わると真っ先に着替えを持って保健室に向かった。
「失礼します」
「あらあら、派手に転んだのね」
男子に追いかけ回されたの?なんて冗談を言われながら保健室の先生はケガの処置をしてくれた。
「はい!終わり、あんまりお転婆すぎると貰い手がいなくなるわよ~」
「まだ高校生なんで」
と、若さアピールをした。
先生は少しだけ顔がひきつっていたけど、先ほどから小言が過ぎてうるさかったから、このくらいは言ってもいいよね?
「制服汚れちゃったので、ここで着替えさせてください」
「カーテン閉めなさいよー」
シャーとカーテンを閉めてから制服を脱ぐと違和感を覚えた。
普段感じる胸の締め付けがない。
恐る恐る胸を触るとそこにあるはずのブラジャーがなかった。
朝寝坊したせいで着けるのを忘れてた。
え、私今までノーブラで授業を受けてたの?
透けていないよね?大丈夫だよね?
こんなときにノーブラで寝る弊害が出るとは。
せめてナイトブラとかパット付キャミソールを着けていれば……。
作業服は制服より厚手だから、まだマシだと思うけど、念のために突起部分に絆創膏でも貼っておくか。
「先生!絆創膏2枚下さい!」
カーテン越しに先生に伝えると、
「はいはい」
とカーテンから手だけを出して絆創膏を渡してくれた。
小言はうるさかったけど、カーテンを開けずに渡してくれた気遣いには感謝。
よし、これで今日一日は凌げるかな。
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