寡黙なアナタが叫ぶとき
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〜寡黙なアナタが叫ぶとき〜
お付き合いをしている青根君はいつも通り無口だ。
それが彼の当たり前で、私にとっても当たり前だった。
今日も登校すると、ガヤガヤと騒がしい教室の中で、静かに自分の席に腰掛け、朝のホームルームが始まるのをじっと待つ青根君がいた。
「青根君、おはよう」
私が挨拶をすれば、彼は顔をこちらに向け、
「……ん」
と軽く会釈する。
決して怒っているワケでも、眠たいワケでもない。
これが青根君の通常運転だ。
荷物を置くために自分の席へ着くと、友達のアカネが話しかけてきた。
「●●、おはよ〜」
朝から元気である。
「おはよう、アカネ」
「アンタの彼氏、相変わらず無口だね〜。何考えてるのか、全然分かんないよ」
なんて言われるけれど、逆にべらべらと喋る青根君がいたら、それはそれで怖い。
それに、全く分からないワケではない。
「そうかな?私はなんとなく分かるけどな」
そう言うと、アカネは興味津々という顔で身を乗り出してくる。
「え〜、マジ?じゃあ今、青根は何考えてんの?」
私はちらりと教室の隅に座る青根君に目を向ける。
彼は窓の外をぼんやり眺めていた。
「多分……早く授業始まらないかな、とか?」
「え、そんな普通のこと?今日の●●も可愛いな、とかさ〜。そういうの期待してた!」
アカネは残念そうに肩を落とす。
「実は、そうだったり……?」
冗談めかして返すと、アカネはキャーッと小さく叫んで、私の背中をパチンと叩いた。
そんなやり取りをしているところへ、ホームルームが始まる合図のチャイムが鳴った。
教室のざわめきが少しずつ静まり、みんなが席に着く。
ふと視線を青根君にやると、彼もすっと私の方を見た。
目が合った一瞬、彼の眼差しがほんの少しだけ、柔らかくなった気がする。
日に日に分かるようになっていく、私だけが分かる彼の小さな変化。
今日はどんな変化に気付けるようになるのか。
そんなことを思いながら、私の1日が始まる。
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