彼氏彼女役
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「熱っ」
授業に集中できず、思わずはんだごてで指を焼いてしまった。
「先生、保健室行ってきます」
「付き添いいるか?」
「あ、俺行きますよ!」
断りを入れようとしたら、二口が一番に名乗りをあげた。
絶対にサボりたいだけじゃん。
「お前はダメだ。そうだな……青根、お前付いていってやれ」
「うす」
一人でも大丈夫なのに、青根君と話がしたくて、先生の配慮に甘えることにした。
保健室の扉には会議のため不在、の掛札がぶら下がっていた。
「保健室の先生いないみたいだね」
青根君は保健室に用意されている椅子を指差した。
座って待ってろってことかな?
青根君は手際よく氷のうを用意してくれて患部に当ててくれた。
「痕残っちゃうかな」
「痛みが引かなければ病院に行け」
呑気なことを言うと、強い口調で返されてしまった。
苦笑いしか出来ずに気まずい空気が流れたが、先に沈黙を破ったのは意外にも青根君の方だった。
「◯◯は俺が夏目の彼氏役をやるのは嫌か?」
今日、彼氏の振りを辞めたと言う話を夏目さんから聞かされたけど、青根君はそのことを知らないのかな。
でも、嫌かと聞かれれば、
「まあ、……そうね、嫌かも」
振りでも嫌だった。
私の思いがバレないようにあくまで冷静を装って答えた。
「俺は何も考えずに引き受けた」
そうだろうね。困っている人がいたら誰であろうと助ける人だもん。
「この間の言い合い、聞いていたか?」
校門で夏目さんとその元カレの修羅場のことだよね。
「うん」
「あのとき、仮にも好き合っていた相手に罵倒するような行動はいけないと咎めた。誠実ではないから」
「……」
「だが、俺はそいつに説教する資格なんてない」
「そんなこと!………そんなことないよ」
「では、何故二口と帰った日に◯◯は泣いていたんだ?」
「あれは………」
青根君に好きと言えなかった自分を悔いて……。
あれ?それと今の話しに何の関係があるの?
「俺が彼氏役をすることによって◯◯が悲しむなら、そんなことするべきではなかった」
「確かに悲しかったけど、そんな優しい青根君が好きだから……」
「俺は◯◯が好きだ」
「!?」
青根君も私のことが好き!?
真っ直ぐに私を見つめる鋭い目。
冗談には聞こえなかった。
元々冗談を言う人じゃないけど。
「◯◯、俺の彼女になってくれないか。彼女役ではなく、本当の彼女に」
「なりたい!彼女になりたい!」
「よかった」
安堵したように言う青根君。
青根君でも不安に思うことがあるんだね。
「ふふ、なんだか今日の青根君はお喋りだね」
「ダメか?」
「ううん、いいと思う」
私たち遠回りしちゃったけど両思いだったんだね。
ボディガードでも彼氏役でもなく、正真正銘の彼氏と彼女になりました。
ーーFinーー
授業に集中できず、思わずはんだごてで指を焼いてしまった。
「先生、保健室行ってきます」
「付き添いいるか?」
「あ、俺行きますよ!」
断りを入れようとしたら、二口が一番に名乗りをあげた。
絶対にサボりたいだけじゃん。
「お前はダメだ。そうだな……青根、お前付いていってやれ」
「うす」
一人でも大丈夫なのに、青根君と話がしたくて、先生の配慮に甘えることにした。
保健室の扉には会議のため不在、の掛札がぶら下がっていた。
「保健室の先生いないみたいだね」
青根君は保健室に用意されている椅子を指差した。
座って待ってろってことかな?
青根君は手際よく氷のうを用意してくれて患部に当ててくれた。
「痕残っちゃうかな」
「痛みが引かなければ病院に行け」
呑気なことを言うと、強い口調で返されてしまった。
苦笑いしか出来ずに気まずい空気が流れたが、先に沈黙を破ったのは意外にも青根君の方だった。
「◯◯は俺が夏目の彼氏役をやるのは嫌か?」
今日、彼氏の振りを辞めたと言う話を夏目さんから聞かされたけど、青根君はそのことを知らないのかな。
でも、嫌かと聞かれれば、
「まあ、……そうね、嫌かも」
振りでも嫌だった。
私の思いがバレないようにあくまで冷静を装って答えた。
「俺は何も考えずに引き受けた」
そうだろうね。困っている人がいたら誰であろうと助ける人だもん。
「この間の言い合い、聞いていたか?」
校門で夏目さんとその元カレの修羅場のことだよね。
「うん」
「あのとき、仮にも好き合っていた相手に罵倒するような行動はいけないと咎めた。誠実ではないから」
「……」
「だが、俺はそいつに説教する資格なんてない」
「そんなこと!………そんなことないよ」
「では、何故二口と帰った日に◯◯は泣いていたんだ?」
「あれは………」
青根君に好きと言えなかった自分を悔いて……。
あれ?それと今の話しに何の関係があるの?
「俺が彼氏役をすることによって◯◯が悲しむなら、そんなことするべきではなかった」
「確かに悲しかったけど、そんな優しい青根君が好きだから……」
「俺は◯◯が好きだ」
「!?」
青根君も私のことが好き!?
真っ直ぐに私を見つめる鋭い目。
冗談には聞こえなかった。
元々冗談を言う人じゃないけど。
「◯◯、俺の彼女になってくれないか。彼女役ではなく、本当の彼女に」
「なりたい!彼女になりたい!」
「よかった」
安堵したように言う青根君。
青根君でも不安に思うことがあるんだね。
「ふふ、なんだか今日の青根君はお喋りだね」
「ダメか?」
「ううん、いいと思う」
私たち遠回りしちゃったけど両思いだったんだね。
ボディガードでも彼氏役でもなく、正真正銘の彼氏と彼女になりました。
ーーFinーー
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