彼氏彼女役
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~彼氏彼女役~
「今日は教室が油や溶接の匂いで臭いから、空き教室で食べよー」
「じゃあ、他のクラスの子にも連絡するね」
伊達工の女子生徒は少ないため、お昼時間は他学科と集まって食べることがほとんどだ。
全員集まっても1桁人数。だけど、それも慣れた。
そんな中、普段彼氏と食べるから、といつもお昼を断っていた夏目さんが参加していた。珍しい。
みんな恋話やら、次の授業の話をしている中、
「ボディガードを頼むなら誰?」
と、唐突に友達が振ってきた話題でボディガード選手権が始まった。
男子もエロだのAVだのしか話をしないけど、女子だって大概下らない話をしている。
「断然二口!イケメンに勝るものなし!」
言い出しっぺの友達が先行を切った。
確かに二口は目の保養になるけど、守ってくれるかは分からないかな。
そんな私は、
「青根君一択!」
巨体だし厳つい顔に眉なし、見る人全てを震えあがらせるほどの迫力がある。
そんな彼だけど中身は素直で優しい一面を持ち合わせている。
そして何を隠そう私の片想いの相手でもある。
順々にボディガードにしたい人の名前をあげていって、夏目さんの番が来た。
「私も青根君………かな」
へぇー、そっか。夏目さんもか。
なんだか意外だった。
だって同じ学校に彼氏がいるのに、その名前をあげないんだもん。
「彼氏が悲しむぞー」
夏目さんの彼氏がどんな人なのか分からないから、もしかしたら温厚な性格なだけかもしれないけど。
「実はね、最近彼氏と別れたんだけど……」
そうなんだ、知らなかった。
そりゃ彼氏……もとい元カレの名前はあげないわな。
「付きまとわれてて……。本当に青根君にボディガードを頼んでみようかな」
「えっ……」
思わず声が出てしまった。
付きまとわれているのは不憫に思うけど、青根君を巻き込まないでよ。利用しないでよ。
そんなの引き受けるに決まってるじゃん。
学年イチ可愛いと言われている夏目さんのお願いだからじゃない、青根君が優しいから。
夏目さんの発言に心中穏やかでいられなく、お弁当どころではなかった。
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