〜第二章〜 白布が仲間になりたそうにこちらを見ている
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~第二章〜 白布が仲間になりたそうにこちらを見ている
白布に告白をされてから少しだけ優しく接してくれるようになった気がする。
勝負事には容赦ないけど。
さっそく先日勝負を挑んだ冬休み明けの課題テストが返却された。
休み中に猛勉強したし、初詣でもテストで勝てるように願った。
それなのに、
「あー!やっぱり勝てないー!」
「はい、俺の勝ちだな。今日は俺と一緒に昼飯食べること」
ここ最近は一緒にお昼ご飯を共にする命令ばかり。
別にハードな命令を求めている訳じゃないけど、そんなのでいいの?と思えてしまう。
じゃあ、逆に私が勝ったときは何を命令するんだろう。
今となっては分からない。
お昼時間になり、いつも一緒にご飯を食べているミワコに断りを入れる。
「ミワコ、白布とお昼行ってくるね」
「はいはーい」
ミワコはミワコで私が白布とお昼ご飯を食べるときは川西君とご飯を食べている。
「おい、食堂行くぞ」
「あ、うん」
別に逃げたりしないから、先に食堂に行けばいいのに、毎回律儀に待っていてくれる。
私は鞄からお弁当を取り出して白布と食堂へ向かった。
最初は混雑している食堂が苦手だったが、そのうちザワザワした中で食べるのも気にならなくなった。
慣れたものだ。
「今日は何にしたの?」
「しらす丼」
「本当に好きだね」
「好きだよ」
「……」
白布はしらす丼が好きだと言ったはずなのに、何故か私のことが好き、と言ったように聞こえた。
一度告白されているからそう感じてしまうのか。
一々心臓に悪い。
「ねぇ、来月は何があるか分かる?」
そんな心境を誤魔化すために、唐突に話題を振った。
「さあ?」
白布は興味がないとでも言わんばかりに、黙々としらす丼を食べている。
「来月はバレンタインデーだよ!」
バレンタインを意識しない男子がいるの?
ここにいたけど。
「どっちが多くのチョコを貰えるか勝負だ!ただし、友チョコ、本命、義理問わず」
「………」
「無言は承諾と受け取ったからね!」
いつのも白布なら直ぐに受けると思ったのに、なんであんなに浮かない顔をしているんだろう。
もしかしてチョコを貰える自信がないとか?
いやいや、あの顔面を持って何を言う。
現に少し離れた席に座っている女子グループが、
「今年のバレンタインどうする?」
「私は本命渡す」
と言いながら白布の方をチラチラ見ている。
案外本人は気付かないものなのか。
だけど、私だって負けない。
友達とチョコの交換をする約束をしているから、確実にクラスの友達と部活の友達の数だけ貰える。
絶対に私に分がある。
念のために白布にもチョコを作ってあげなくもないけど。念のために、ね。