枯れ木に花火を咲かせましょう
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山口君と約束した当日。
夕方頃に学校近くのバス停で待ち合わせをして、そこからバスに乗って会場近くまで向かう予定だ。
この時期は日没から急に寒くなってくる。
私はクローゼットの前に立ち、腕を組んだ。
少しでも可愛く思われたいけれど、防寒対策は必須。
かと言って着太りして見えるのはご法度。
ああでもない、こうでもないと格闘した末選び抜いたのは、動きやすさも兼ね備えたパンツスタイル。
鏡の前で1周回ってチェックをする。
「うん、いいかも」
後はスニーカーを履けばバッチリだ。
準備が整い、私は家を後にした。
暗くなった外に一歩踏み出すと、冷たい夜の空気が肌を刺した。
「寒っ!」
スカートにしなくて正解だと思った。
待ち合わせ場所にたどり着くまでの間に、今日のコーディネートについて、山口君が何か言ってくれるか、そんな他愛もないことを考えながら、私は待ち合わせ場所へと向かった。
ーーーー
待合せのバス停に着くと山口君はまだいなかった。
前髪を整えたり、時刻表を確認して時間を潰す。
しばらくすると、
「ごめん、待った?」
少し息を切らしながら山口君が走ってきた。
いつもの制服ではない、紺色のパーカーが似合っている。
「ううん、大丈夫だよ」
乗る予定のバスはそれから直ぐに到着した。
滅多に乗ることのないバス。
事前に調べてきたけれど、少し緊張する。
車内は、同じくお祭りに行く人が乗っているのか、それともこれが普通なのか、そこそこ混んでいたけれど、2人分の席がちょうど空いていた。
「◯◯さん、窓側座っていいよ」
「ありがとう」
窓側に座った私は、落ち着かない気持ちを誤魔化すように、到着まで窓の外をずっと見ていた。
……。
…………。
何箇所か停留所を過ぎた頃、山口君の様子がおかしいことに気が付いた。
なにやらしきりにスマホを確認したり、ブツブツ呟いている。
「山口君、どうしたの?」
「えーと……。降りるところ、次だと思ったんだけど……」
そう言って、山口君はスマホの画面を見せてきた。
すると、そこに書かれた停留所の名前と、車内に設置されている液晶ディスプレイの車内案内表示器に表示されている、次の停留所の名前が違った。
「もしかして、乗るバス間違えた?」
ポロッと溢した私の言葉に、山口君の顔は真っ青になった。
「ご、ごめん◯◯さん!」
「あ、いや、私の方こそぼーっとしててごめんね!」
事前に調べていた上に、待っている間にも時刻表を見ていたはずなのに。
私も慌てて自分のスマホを取り出して現在地を検索すると、幸いにも目的地からさほど離れてはいなかった。
「ひとまず次の停留所で降りようか」
「そ、そうだね」
私は降車ボタンを押した。
山口君はバツが悪そうに頭を掻く。
結局、私たちは次の停留所でバスを降り、そこからお祭り会場まで歩いて行くことになった。
少し遠回りになったけれど、文句を言う気にはなれなかった。
むしろ、一緒に過ごす時間が長くなったことを、内心では喜んでいる自分がいたから。
夕方頃に学校近くのバス停で待ち合わせをして、そこからバスに乗って会場近くまで向かう予定だ。
この時期は日没から急に寒くなってくる。
私はクローゼットの前に立ち、腕を組んだ。
少しでも可愛く思われたいけれど、防寒対策は必須。
かと言って着太りして見えるのはご法度。
ああでもない、こうでもないと格闘した末選び抜いたのは、動きやすさも兼ね備えたパンツスタイル。
鏡の前で1周回ってチェックをする。
「うん、いいかも」
後はスニーカーを履けばバッチリだ。
準備が整い、私は家を後にした。
暗くなった外に一歩踏み出すと、冷たい夜の空気が肌を刺した。
「寒っ!」
スカートにしなくて正解だと思った。
待ち合わせ場所にたどり着くまでの間に、今日のコーディネートについて、山口君が何か言ってくれるか、そんな他愛もないことを考えながら、私は待ち合わせ場所へと向かった。
ーーーー
待合せのバス停に着くと山口君はまだいなかった。
前髪を整えたり、時刻表を確認して時間を潰す。
しばらくすると、
「ごめん、待った?」
少し息を切らしながら山口君が走ってきた。
いつもの制服ではない、紺色のパーカーが似合っている。
「ううん、大丈夫だよ」
乗る予定のバスはそれから直ぐに到着した。
滅多に乗ることのないバス。
事前に調べてきたけれど、少し緊張する。
車内は、同じくお祭りに行く人が乗っているのか、それともこれが普通なのか、そこそこ混んでいたけれど、2人分の席がちょうど空いていた。
「◯◯さん、窓側座っていいよ」
「ありがとう」
窓側に座った私は、落ち着かない気持ちを誤魔化すように、到着まで窓の外をずっと見ていた。
……。
…………。
何箇所か停留所を過ぎた頃、山口君の様子がおかしいことに気が付いた。
なにやらしきりにスマホを確認したり、ブツブツ呟いている。
「山口君、どうしたの?」
「えーと……。降りるところ、次だと思ったんだけど……」
そう言って、山口君はスマホの画面を見せてきた。
すると、そこに書かれた停留所の名前と、車内に設置されている液晶ディスプレイの車内案内表示器に表示されている、次の停留所の名前が違った。
「もしかして、乗るバス間違えた?」
ポロッと溢した私の言葉に、山口君の顔は真っ青になった。
「ご、ごめん◯◯さん!」
「あ、いや、私の方こそぼーっとしててごめんね!」
事前に調べていた上に、待っている間にも時刻表を見ていたはずなのに。
私も慌てて自分のスマホを取り出して現在地を検索すると、幸いにも目的地からさほど離れてはいなかった。
「ひとまず次の停留所で降りようか」
「そ、そうだね」
私は降車ボタンを押した。
山口君はバツが悪そうに頭を掻く。
結局、私たちは次の停留所でバスを降り、そこからお祭り会場まで歩いて行くことになった。
少し遠回りになったけれど、文句を言う気にはなれなかった。
むしろ、一緒に過ごす時間が長くなったことを、内心では喜んでいる自分がいたから。
