伝染
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なんとかして山口君と仲良くなりたい。
手が届きそうなほど近い距離なのに、彼の横顔を視界の隅に捉えてドキドキするばかりで、親しく話すきっかけは一向に見つからない。
話しかけにくい雰囲気なんてない。
ただ私が臆病で、その一歩が踏み出せないだけだ。
唯一話せるのは掃除後のごみ捨ての時だけ。
「◯◯さん、またごみ捨て?」
体育館の裏手に差し掛かるところを歩いていると、山口君はいつものように優しい声で私に話しかけてきた。
「うん」
短い返事。
この頃には、彼は何も言わずに私の手からごみ袋の片方を持ってくれるようになっていた。
その当たり前になった優しさに、私は毎回胸がキュッと締め付けられる気持になる。
それだけではない。
彼の本来の歩幅は大きいはずなのに、私の小さな一歩に合わせて歩いてくれる。
知れば知るほど彼のことが好きになる。
もっと山口君のことが知りたい。
「山口君はどこの掃除場所なの?」
意を決して尋ねてみたけれど、結局私の口からは掃除の話題しか出てこなかった。
こんな自分がもどかしい。
だけど、そんなくだらない質問にも、山口君は呆れた顔をせず真面目に答えてくれる。
「俺は中庭の掃き掃除。だから、◯◯さんが通るのが見えるんだ」
「そうだったんだ……」
どおりで彼はいつもタイミング良く、私に話しかけてくれるワケだ。
偶然ではなく、彼が私を見つけてくれているのだと知って、またもや胸の奥がキュッとなる。
「あの……山口君、いつも手伝ってくれてありがとう」
精一杯の感謝を伝える。
私の顔はきっと赤くなっているだろう。
「どういたしまして」
そう言って笑う山口君の横顔に、春の日差しが射し込んでいた。
彼のそばかす、そして優しい目が私の視界いっぱいに広がる。
やっぱり好きだな……。
そんな気持ちが侵食していくのを全身で感じた。
手が届きそうなほど近い距離なのに、彼の横顔を視界の隅に捉えてドキドキするばかりで、親しく話すきっかけは一向に見つからない。
話しかけにくい雰囲気なんてない。
ただ私が臆病で、その一歩が踏み出せないだけだ。
唯一話せるのは掃除後のごみ捨ての時だけ。
「◯◯さん、またごみ捨て?」
体育館の裏手に差し掛かるところを歩いていると、山口君はいつものように優しい声で私に話しかけてきた。
「うん」
短い返事。
この頃には、彼は何も言わずに私の手からごみ袋の片方を持ってくれるようになっていた。
その当たり前になった優しさに、私は毎回胸がキュッと締め付けられる気持になる。
それだけではない。
彼の本来の歩幅は大きいはずなのに、私の小さな一歩に合わせて歩いてくれる。
知れば知るほど彼のことが好きになる。
もっと山口君のことが知りたい。
「山口君はどこの掃除場所なの?」
意を決して尋ねてみたけれど、結局私の口からは掃除の話題しか出てこなかった。
こんな自分がもどかしい。
だけど、そんなくだらない質問にも、山口君は呆れた顔をせず真面目に答えてくれる。
「俺は中庭の掃き掃除。だから、◯◯さんが通るのが見えるんだ」
「そうだったんだ……」
どおりで彼はいつもタイミング良く、私に話しかけてくれるワケだ。
偶然ではなく、彼が私を見つけてくれているのだと知って、またもや胸の奥がキュッとなる。
「あの……山口君、いつも手伝ってくれてありがとう」
精一杯の感謝を伝える。
私の顔はきっと赤くなっているだろう。
「どういたしまして」
そう言って笑う山口君の横顔に、春の日差しが射し込んでいた。
彼のそばかす、そして優しい目が私の視界いっぱいに広がる。
やっぱり好きだな……。
そんな気持ちが侵食していくのを全身で感じた。
