キミのつむじを見たい
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山口君を連れて行った場所とは某ファストフード店だ。
私にとってはガヤガヤ騒がしいところの方が集中できる。
「席ここでいいかな」
1階が満席で空いていなかったため、2階のテーブル席に着いた。
「勉強の前に注文に行くけど、山口君はどうする?」
「俺も行こうかな」
「おっけー」
私たちは席に荷物を置いて注文へ向かった。
私はポテトと飲み物を注文。
それを受け取り、先に席へ戻る。
それから遅れて数分、ガッツリめのハンバーガーとナゲット、それから飲み物が乗ったトレーを持った山口君が戻ってきた。
「凄い食べるね」
「あはは、お腹空いちゃって」
さすが、男子高生の食欲は違うな、と感心してしまった。
だったら、
「私のポテトも食べる?」
「いいの?」
「うん、大きいサイズ頼んだから、食べてくれた方がむしろ助かる」
私は紙ナプキンにザザザっとポテトを出して2つに分けた。
なんだかやたら片方にカリカリポテトが集中している。
ちなみに、私はカリカリポテトが好き。
だから、そんな美味しいカリカリが多い方を山口君に譲った。
「はい、半分こ」
「ありがとう」
「そっちカリカリ多めだから」
私って優しい、と自分で思いながら伝えた。
それなのに、
「え、なんで?」
どうしてそんなことをするのか分からないとでも言いたげな山口君だった。
「何でって言われても……。そんなの、カリカリの方が美味しいからに決まってるじゃん」
「別に俺は気にしないよ。むしろふにゃふにゃ派だし」
「そうなの?じゃあ、私がカリカリ食べるよ?」
「いいよ」
「やったあー」
自分と山口君のポテトを入れ替える。
入れ替えながら、ふとこんなことで機嫌が良くなる私を、食い意地が張っていると思われたのではないのかと心配になって、チラッと山口君を見た。
すると、意外にも彼はニコニコと微笑んでいた。
きっと月島君なら鼻で笑っていただろうな。
完全なる偏見だけど。
ある程度完食したところで、勉強を始めた。
黙々と問題を解きつつ、ときたま飲み物を飲む。
……。
…………。
集中力が切れ始めた頃、山口君の様子を伺った。
彼は机に肘をつき、頭を抱えていた。
あ、つむじが見える。
確かつむじを押すとハゲやすくなったり、下痢になるんだっけ?
信憑性はないけれど。
私より格段に背が高い山口君。
そんな彼の普段見られない箇所。
なんだか変な優越感を持った。
ふいに山口君が顔を上げた。
「何?」
見つめ過ぎたせいで気付かれてしまった。
「あ、いや……分からないところでもあるかなと思って」
咄嗟に誤魔化したけれど、怪しまれなかっただろうか。
「えーっと……じゃあこことか。文法の並べ替えに自信がなくて」
「どれどれ」
待っていましたと言わんばかりに山口君のノートを見てみると、ほとんどできていた。
これは私に気を遣ったんだ。
以前言っていた苦手、と言うのは教えるほどは理解していないけど、解く分には問題がないレベルだったのか。
だけど、一応聞かれたから答える。
「これはね、この単語とこの単語を繋げると熟語になるから────」
「あーなるほど、ありがとう」
山口君は直ぐに理解してくれた。
絶対に私の説明なんかいらなかった。
本当に山口君は優しいな、と思う反面私の自分勝手さに胸が苦しくなった。
そんな、必要かどうか分からない質問が数回行われ、切りが良いところで勉強会は終わった。
「そろそろ帰ろうか。暗くなってきたし」
「そうだね」
お店を出るため、先に階段を下りる山口君に続き、その後ろを付いていく私。
すると、彼からまたもやつむじが見えた。
次に足元を見ると私よりも2段下を降りている山口君。
2段下がってようやく私の方の目線が高くなるのか。
この方法なら学校でも山口君のつむじを見るチャンスはある。
そう思ったら、先ほどまで抱いていた優越感が嘘のように消えた。
そんなことよりも、明日からのテストも頑張らないとな。
山口君と違って私は英語以外てんでダメだから。
私にとってはガヤガヤ騒がしいところの方が集中できる。
「席ここでいいかな」
1階が満席で空いていなかったため、2階のテーブル席に着いた。
「勉強の前に注文に行くけど、山口君はどうする?」
「俺も行こうかな」
「おっけー」
私たちは席に荷物を置いて注文へ向かった。
私はポテトと飲み物を注文。
それを受け取り、先に席へ戻る。
それから遅れて数分、ガッツリめのハンバーガーとナゲット、それから飲み物が乗ったトレーを持った山口君が戻ってきた。
「凄い食べるね」
「あはは、お腹空いちゃって」
さすが、男子高生の食欲は違うな、と感心してしまった。
だったら、
「私のポテトも食べる?」
「いいの?」
「うん、大きいサイズ頼んだから、食べてくれた方がむしろ助かる」
私は紙ナプキンにザザザっとポテトを出して2つに分けた。
なんだかやたら片方にカリカリポテトが集中している。
ちなみに、私はカリカリポテトが好き。
だから、そんな美味しいカリカリが多い方を山口君に譲った。
「はい、半分こ」
「ありがとう」
「そっちカリカリ多めだから」
私って優しい、と自分で思いながら伝えた。
それなのに、
「え、なんで?」
どうしてそんなことをするのか分からないとでも言いたげな山口君だった。
「何でって言われても……。そんなの、カリカリの方が美味しいからに決まってるじゃん」
「別に俺は気にしないよ。むしろふにゃふにゃ派だし」
「そうなの?じゃあ、私がカリカリ食べるよ?」
「いいよ」
「やったあー」
自分と山口君のポテトを入れ替える。
入れ替えながら、ふとこんなことで機嫌が良くなる私を、食い意地が張っていると思われたのではないのかと心配になって、チラッと山口君を見た。
すると、意外にも彼はニコニコと微笑んでいた。
きっと月島君なら鼻で笑っていただろうな。
完全なる偏見だけど。
ある程度完食したところで、勉強を始めた。
黙々と問題を解きつつ、ときたま飲み物を飲む。
……。
…………。
集中力が切れ始めた頃、山口君の様子を伺った。
彼は机に肘をつき、頭を抱えていた。
あ、つむじが見える。
確かつむじを押すとハゲやすくなったり、下痢になるんだっけ?
信憑性はないけれど。
私より格段に背が高い山口君。
そんな彼の普段見られない箇所。
なんだか変な優越感を持った。
ふいに山口君が顔を上げた。
「何?」
見つめ過ぎたせいで気付かれてしまった。
「あ、いや……分からないところでもあるかなと思って」
咄嗟に誤魔化したけれど、怪しまれなかっただろうか。
「えーっと……じゃあこことか。文法の並べ替えに自信がなくて」
「どれどれ」
待っていましたと言わんばかりに山口君のノートを見てみると、ほとんどできていた。
これは私に気を遣ったんだ。
以前言っていた苦手、と言うのは教えるほどは理解していないけど、解く分には問題がないレベルだったのか。
だけど、一応聞かれたから答える。
「これはね、この単語とこの単語を繋げると熟語になるから────」
「あーなるほど、ありがとう」
山口君は直ぐに理解してくれた。
絶対に私の説明なんかいらなかった。
本当に山口君は優しいな、と思う反面私の自分勝手さに胸が苦しくなった。
そんな、必要かどうか分からない質問が数回行われ、切りが良いところで勉強会は終わった。
「そろそろ帰ろうか。暗くなってきたし」
「そうだね」
お店を出るため、先に階段を下りる山口君に続き、その後ろを付いていく私。
すると、彼からまたもやつむじが見えた。
次に足元を見ると私よりも2段下を降りている山口君。
2段下がってようやく私の方の目線が高くなるのか。
この方法なら学校でも山口君のつむじを見るチャンスはある。
そう思ったら、先ほどまで抱いていた優越感が嘘のように消えた。
そんなことよりも、明日からのテストも頑張らないとな。
山口君と違って私は英語以外てんでダメだから。