初恋は実らない
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夏休み中はみっちり夏期講習で勉強をした。
たまに、サーブ練習終わりの山口君と一緒に帰ったりもしたけど。
そして夏休みも明け最初の実力テスト。
期末テストよりかは成績に影響しないらしいけど、転科したい私には一つ一つのテストが重要だった。
鉛筆がスラスラと動く。
返されたテストの順位も進学クラスに負けず劣らず。
今までで一番良い出来だと言ってもいい。
山口君……私頑張ったよ。
次は山口君が公式戦で結果を出す番だよ。
ーーーー
代表決定戦1日目は用事で行けず、2日目は学校があるから最初から応援に行けなかった。
あんなに応援に行くって言ったのに。
だけど、試合が長引いていれば、あるいは勝ち残っていれば間に合うかもしれない。
学校が終わると急いで荷物をまとめて試合会場へ向かった。
息も切れ切れで体育館の扉を開けると、今まさに烏野高校と青葉城西の試合が行われていた。
青葉城西って確か前回のインターハイで負けた……山口君がピンチサーバーを打ってミスした相手。
点数は……2セット目の終盤に差し掛かっていた。
1セット目は取ったみたいだけど、4点差でリードされている。
そのとき、ホイッスルの音と共に山口君がピンチサーバーとして投入された。
前とは違う面構え。
そこには頼もしい彼の姿。
もう緊張で震えている山口君はいないんだね。
山口君のサーブは大きく弧を描きラインギリギリに入った。
「山口君ナイッサー!」
思わず大きな声が出た。
私ってこんなにも大きな声が出るんだ。知らなかった。
その後も次々と点数を重ねて山口君のサーブで5点ももぎ取った。
凄い、凄いよ山口君!
最終結果。因縁のライバルである青葉城西を1-2で負かした。
嬉しさの余り私は観客席を飛び出し、山口君の元へ駆けつけた。
人をかき分け、黒い烏のようユニフォームを身にまとった山口君を探し出す。
…………いた!
「山口君!」
「●●ちゃん?!」
「お疲れ様!凄かった!感動した!練習が報われたね!」
勢い余って思ったことを一気に話してから気が付いた。
チームメイトからの視線を。
「あ……その……すみません」
「いいよ。でもミーティングあるから5分で戻ってこい」
1番のユニフォームを付けている主将らしき人が気をきかせてくれた。
二人になれるところに移動すると、山口君は静かに話し始めた。
「応援来てくれたんだね」
「うん、途中からだけど」
「俺………●●ちゃんに成長したところ見せられたかな?」
「成長どころか進化だよ!」
大袈裟ではなく本当にそう思った。
「それじゃあ……」
「……忠君」
約束覚えているよ。認めたら名前で呼ぶって。
だけど、それよりも私には伝えたいことがある。
「聞いてほしいことがあるの。私ね忠君のことが好き。小学生のときからずっと。だから、私と……」
「待って、その先は俺に言わせて」
私の言葉を遮った忠君は、真剣な顔付きをしていた。
「俺も小学生のときから●●ちゃんのことが好きでした。今も好きです。俺と………俺と付き合ってください」
「はい、よろしくお願いします!」
その後はミーティングがあるから、と余韻に浸る時間はなかったけど、これからゆっくりと二人の時間を作っていけば良い。
初恋は実らないなんて言うけど、見事実ったよ。
ーーFinーー
たまに、サーブ練習終わりの山口君と一緒に帰ったりもしたけど。
そして夏休みも明け最初の実力テスト。
期末テストよりかは成績に影響しないらしいけど、転科したい私には一つ一つのテストが重要だった。
鉛筆がスラスラと動く。
返されたテストの順位も進学クラスに負けず劣らず。
今までで一番良い出来だと言ってもいい。
山口君……私頑張ったよ。
次は山口君が公式戦で結果を出す番だよ。
ーーーー
代表決定戦1日目は用事で行けず、2日目は学校があるから最初から応援に行けなかった。
あんなに応援に行くって言ったのに。
だけど、試合が長引いていれば、あるいは勝ち残っていれば間に合うかもしれない。
学校が終わると急いで荷物をまとめて試合会場へ向かった。
息も切れ切れで体育館の扉を開けると、今まさに烏野高校と青葉城西の試合が行われていた。
青葉城西って確か前回のインターハイで負けた……山口君がピンチサーバーを打ってミスした相手。
点数は……2セット目の終盤に差し掛かっていた。
1セット目は取ったみたいだけど、4点差でリードされている。
そのとき、ホイッスルの音と共に山口君がピンチサーバーとして投入された。
前とは違う面構え。
そこには頼もしい彼の姿。
もう緊張で震えている山口君はいないんだね。
山口君のサーブは大きく弧を描きラインギリギリに入った。
「山口君ナイッサー!」
思わず大きな声が出た。
私ってこんなにも大きな声が出るんだ。知らなかった。
その後も次々と点数を重ねて山口君のサーブで5点ももぎ取った。
凄い、凄いよ山口君!
最終結果。因縁のライバルである青葉城西を1-2で負かした。
嬉しさの余り私は観客席を飛び出し、山口君の元へ駆けつけた。
人をかき分け、黒い烏のようユニフォームを身にまとった山口君を探し出す。
…………いた!
「山口君!」
「●●ちゃん?!」
「お疲れ様!凄かった!感動した!練習が報われたね!」
勢い余って思ったことを一気に話してから気が付いた。
チームメイトからの視線を。
「あ……その……すみません」
「いいよ。でもミーティングあるから5分で戻ってこい」
1番のユニフォームを付けている主将らしき人が気をきかせてくれた。
二人になれるところに移動すると、山口君は静かに話し始めた。
「応援来てくれたんだね」
「うん、途中からだけど」
「俺………●●ちゃんに成長したところ見せられたかな?」
「成長どころか進化だよ!」
大袈裟ではなく本当にそう思った。
「それじゃあ……」
「……忠君」
約束覚えているよ。認めたら名前で呼ぶって。
だけど、それよりも私には伝えたいことがある。
「聞いてほしいことがあるの。私ね忠君のことが好き。小学生のときからずっと。だから、私と……」
「待って、その先は俺に言わせて」
私の言葉を遮った忠君は、真剣な顔付きをしていた。
「俺も小学生のときから●●ちゃんのことが好きでした。今も好きです。俺と………俺と付き合ってください」
「はい、よろしくお願いします!」
その後はミーティングがあるから、と余韻に浸る時間はなかったけど、これからゆっくりと二人の時間を作っていけば良い。
初恋は実らないなんて言うけど、見事実ったよ。
ーーFinーー