初恋は実らない
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝から夕方まで行われる夏期講習にもすっかり慣れ、最近では帰りに寄り道をする余裕が出来た。
久しぶりに嶋田マートに寄ってみようかな。
本当は毎日でも山口君が頑張っている様を見てやる気を奮い立たせたかったけど、そこまでするとストーカーみたいに思えたから止めた。
あ、ボールの音がする。
今日も練習しているみたい。
山口君に見られない位置でしゃがみこみ、しばらくボールの音と、山口君の切れた息を聞いた。
良いサーブが打てたのか、ときたまヨシッと喜ぶ声が聞こえると微笑ましかった。
すると、
~~♪ ~~♪
「!?」
私のスマホが電話を受信した。
慌てて通話終了ボタンを押してから履歴画面を見るとお母さん、の文字が。
おそらく帰りが遅いから電話をかけたんだろう。
もう、心配性なんだから。
そんなことを思っていると、
「●●ちゃん?」
「あっ……」
山口君に見つかってしまった。
「こ、こんばんは」
なんて、間抜けな返ししかできなかった。
仕方がなくことの経緯を話した。
インターハイを見に行ったこと、その後からサーブ練習をたまたま見かけて、ときたま見に来ていること。
「そうだったんだ……」
「ごめんね、こそこそと」
「いや、……また情けないところ見られちゃったなって」
「そんなこと!………そんなことないよ」
私がいきなり大きな声を出したからか、山口君は少しだけ驚いた顔をしていた。
「地道に努力してるの格好いいと思ったし、だから私も頑張ろうって思えたし……」
「そっか……」
俯いていた山口君は意を決したように私の方に顔を向けた。
「10月に代表決定戦があるから、よかったら応援に来てくれない?」
「行く!絶対に行く!」
あんなにも渋っていた山口君が初めて誘ってくれた大会。
そんなの行くに決まってるじゃん。
「遅くなっちゃったね、家まで送るよ」
「え、いいよ。だって練習で疲れているだろうし……」
「俺が送ってきたいんだ。ダメ……かな?」
そんな顔をされたらダメだなんて言えない。
「お願いします……」
語尾になるにつれ小さく尻すぼみな声になってしまった。
横並びに歩く山口君は小学生のときの彼とは違い、背が高く頼もしく感じた。
久しぶりに嶋田マートに寄ってみようかな。
本当は毎日でも山口君が頑張っている様を見てやる気を奮い立たせたかったけど、そこまでするとストーカーみたいに思えたから止めた。
あ、ボールの音がする。
今日も練習しているみたい。
山口君に見られない位置でしゃがみこみ、しばらくボールの音と、山口君の切れた息を聞いた。
良いサーブが打てたのか、ときたまヨシッと喜ぶ声が聞こえると微笑ましかった。
すると、
~~♪ ~~♪
「!?」
私のスマホが電話を受信した。
慌てて通話終了ボタンを押してから履歴画面を見るとお母さん、の文字が。
おそらく帰りが遅いから電話をかけたんだろう。
もう、心配性なんだから。
そんなことを思っていると、
「●●ちゃん?」
「あっ……」
山口君に見つかってしまった。
「こ、こんばんは」
なんて、間抜けな返ししかできなかった。
仕方がなくことの経緯を話した。
インターハイを見に行ったこと、その後からサーブ練習をたまたま見かけて、ときたま見に来ていること。
「そうだったんだ……」
「ごめんね、こそこそと」
「いや、……また情けないところ見られちゃったなって」
「そんなこと!………そんなことないよ」
私がいきなり大きな声を出したからか、山口君は少しだけ驚いた顔をしていた。
「地道に努力してるの格好いいと思ったし、だから私も頑張ろうって思えたし……」
「そっか……」
俯いていた山口君は意を決したように私の方に顔を向けた。
「10月に代表決定戦があるから、よかったら応援に来てくれない?」
「行く!絶対に行く!」
あんなにも渋っていた山口君が初めて誘ってくれた大会。
そんなの行くに決まってるじゃん。
「遅くなっちゃったね、家まで送るよ」
「え、いいよ。だって練習で疲れているだろうし……」
「俺が送ってきたいんだ。ダメ……かな?」
そんな顔をされたらダメだなんて言えない。
「お願いします……」
語尾になるにつれ小さく尻すぼみな声になってしまった。
横並びに歩く山口君は小学生のときの彼とは違い、背が高く頼もしく感じた。